隠れキリシタンの歴史が残る町、崎津へ!【日本一周172日目】
昨晩は自由空間で一夜を明かした。
野宿はお金はかからないのだけど、誰か来るんじゃないかという不安を抱えながら寝なければならないため、知らず知らず疲労が溜まりやすい。
この日はなんとなく体調を崩しそうな予感がしたので、大事をとってネットカフェにした。
やはりプライベートが確保された空間は安心できて、ぐっすり眠ることができた。
この日は天草にある崎津という場所にいく。
崎津は、江戸時代から続くキリスト教迫害の歴史の中で、幕府に隠れて信仰を続けた「隠れキリシタン」の里なのだ。
崎津に向かうまでの道も、天気が良くて波も穏やかで気持ち良かった。
どことなく広島の尾道や瀬戸内海の雰囲気に似ている気もする。
天草市内から20kmほど走ると、崎津の街並みが見えてきた。
崎津は、重要文化的景観に指定された街並みで、隠れキリシタンたちの文化や街並みが残されている貴重な場所なのだそうだ。
島原天草一揆の後、幕府によるキリスト教の弾圧は一層厳しくなり、踏絵などを行ってキリシタンを調べるようになったらしい。
この地に住むキリスト教徒たちは、幕府の弾圧から逃れるために、さまざまな方法を使って、隠れて祈りを続けるようになった。
家の柱をくり抜いて、その中に十字架を隠したり、アワビをマリア像に見立てて祈りを捧げたり、表向きは仏教徒として振る舞ったり。
そんな歴史が200年以上も続いた。
崎津では、そんな歴史の中で独自の宗教のように変化したキリスト教文化や、当時の街並みを見ることができるのだ。
近くの道の駅にバイクを止めて、
早速街並みを散策してみる。
なんて長閑な町なんだろう。
歩き始めて最初に抱いたのはそんな感情だった。
まるで時間がゆっくり流れているかなような不思議な感覚になる。
街のすぐそばには海があって、波も穏やかだ。
静かなんだけど、どこか懐かしさを感じる。そんな雰囲気が漂っていた。
名物の杉ようかんを食べてみた(150円)
店主いわく、江戸の時代に沖縄から伝わったお菓子らしい。柔らかくてモチモチした生地のなかに、あんこが詰まっていた。暖かいお茶との相性も良くて、いい休憩になる。
これが崎津教会。
明治に入り宗教の自由が認められるようになり、かつて踏絵を行っていた場所に教会を建てたらしい。中は撮影禁止だったけど、教会の中に畳が敷いてあって面白い作りだった。
なんというか、和と洋が組み合わさった雰囲気。
日本らしい街並みの中に、いきなり洋風の教会が建っていて、それが町の独特の空気を作り出していた。
歩いていると、突然こんな看板が目に入ってきた。
崎津で獲れたエソという魚のフライが食べられるらしい。
しかし、矢印の方向を探しても、それらしきお店は見つからない。
色々探して、ようやく発見した。
民家と民家の間の、狭い路地の中に、ひっそりと暖簾がかかっていた。
隠れ家的な雰囲気があって、すごく良いお店だ。
中にはいると、これまたこじんまりした内観で、とても暖かく雰囲気がした。
凪定食という定食を注文した。
エソのフライと、味のみりん焼きのセットで、崎津で昔から親しまれてきた料理らしい。
お味噌汁から口に入れると、ほんのり磯の香りが口の中に広がった。
エソのフライも、鯵のみりん焼きも、どこか懐かしい、優しい味だった。
最近はジャンクフードばかり食べていたので、こう言う質素な食事が身体に染みる。
あっという間に完食。お店の雰囲気も、食べ物の味も最高だった。また訪れたい。
崎津を後にすると、牛深港へ向かった。
ここからフェリーにのり、鹿児島の長島に向かうのだ。
30分ほどの航海を経て、鹿児島県にたどり着いた。
熊本県はまた後ほど、沖縄を回った後に訪れる予定だ。
長島に着くと、いきなりゴリラがお出迎えをしてくれた。
初めての鹿児島県だ。ここは一体どんな場所なんだろう。
長島を抜けて、鹿児島の本島へとバイクを走らせる。
走っているとある違和感に気づいた。
街の雰囲気が、これまでとはまるで違うのだ。
どこか南国のような暖かい雰囲気がする。
なによりも驚いたのが、植生だ。
赤い花や、アロエのような植物、ヤシの木などがたくさん生えている。
鹿児島県。初めて訪れたけど、ここでの旅も楽しくなりそうな予感がした。
鹿児島で沈む夕陽を眺めていた。
1月だけど日没は17:26とかなり遅い時間だ。
日が沈む間、シルエットを撮って遊んでいた。
ふざけたのも笑笑
この日はとある山奥にテントを張って就寝。明日から本格的に鹿児島を旅して行こうと思う。
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