新生活【3】
離婚して2年間は、とにかく子供のケアを一番に考えながら、
休みの日はママ友たちと一緒に遊んだり、お泊まりもよくした。
あの頃、私は心の隙間を色んな不満を持ったママ友たちと愚痴を言い合うことで埋めていた。
その間に子供が友達と遊べるなら尚いいと思っていた。
彼氏という関係ではなかったけど、連絡を取り合う人もいた。
私が彼を1番にできないように、彼も私を1番にはせず、
私たちはお互いの都合のいい距離感で5年以上も繋がっていた。
彼も私と同じように離婚してすぐだったので、同じ境遇で傷を舐め合っていたところもあったのかも知れない。
私は彼のことが好きだったけど、特に何かを深く追求することはしなかった。
本当は自分だけをみてほしいと思っていたけど、
私も子供が1番というのはどうしても変えられなくて
かと言って、彼は、それも含めて私を受け入れてくれるほど器の大きい人ではなかった。
彼も私のことを何らかの形で好きでいてくれたと思う。
毎日かかってきていた電話は彼の気持ちだったと今でもそう感じる。
だけど、彼はよく言っていた。
「彼氏とか彼女という存在になると、いつか終わりがあるから嫌だ。お前とは死ぬまで繋がっていたい」
と。
屁理屈のようにも聞こえたけど、彼は心の部分で私を求めていてくれたんだと思うようになっていた。
曖昧で、モヤモヤして、何度もやめようと思った関係だったけど、
私たちは不思議な縁があったのか、離れることはできず
私も彼がいることで他の人は目に入らないでいた。
離婚後の私の恋愛事情は決して華やかなものではなかったけど、シングルマザーの私にはちょうどよかったと
今でもそう思う。
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