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長野マラソン2024とサブスリー

2024年4月21日に長野マラソンを走ってきた。結果は2:58:46と初のサブスリーを達成できた。

レース計画と実際の展開

レース当日は、エントリ時点でサブ3.5ランナーだったため、Dブロックからのスタートになった。出走時点では、2月の大阪マラソンで3:12:01と、サブ3:15は達成できていたので、走力的には1つ前のCブロックのランナーと同等程度と想定していた。

出走開始時点で気温は17度前後で曇り空。日差しが出て気温が上がると体力が奪われ後半で失速するので、ありがたい空模様だった。

スタートすると、どのフルマラソンでもランナーによる渋滞はあるのだが、前のブロックということもあって、1分程度のロスで済んだ。

当日の目標は、サブ3:10と控えめに設定していて、4'20/kmのイーブンペースで、32km過ぎまで余裕をもって走り、そこからゴールまでは4'05/kmで…と計画を立てていた。とはいえ毎回そうなのだが、レースのときは普段のランニングとは違って、車道を走れるということもあり、普段感じているペース以上のスピードが出る。

この日は、普段のジョギングでの4'20/kmの感覚で、4'05/kmが出るような感覚で心拍数もそこまで上昇していなかったため、「もしかしたら今日はサブスリーが狙えるのではないか」と感じて計画を変更。スタートからひとまず4'05/kmペースで進み、前方にいるであろうサブスリーのペーサーを捕まえることにした。

10km手前でペーサーを捉えて、その集団に入ることに成功。このまま集団で引っ張ってもらい、30km過ぎまで進もうかと思ったが、ペーサーの周りで走っている方とぶつかりそうになったりで動きにくさを感じたので、集団を抜けて、ペーサーよりも前を走ることに決めた。その時点でちょうど13km程度。

32km過ぎまでは4'15/km以内のペースで進んでいたが、33kmから失速し始めて38kmまでは4'30/kmペース、39〜42kmまでは4'40/kmペースと落ちていった。最後の最後でサブスリーのペーサーに抜かされていったので、サブスリーは今回は難しいかと思っていたが、時計を見ると、まだ射程範囲だったということもあり、このチャンスを逃したら後悔すると思い、ゴールまで必死に食らいついていった。結果、前半までの貯金が功を奏して、なんとか2:58:46(グロスで2:59:35)でゴールできた。

サブスリー達成要因

著者は44歳で走歴は1年11ヶ月、フルマラソンは今回で8回目。
過去のレース記録は次の通り(すべてネットタイム)

  • 4:35:42(横浜マラソン 2022.10.31)

  • 4:38:07(湘南国際マラソン 2022.12.04)

  • 3:53:12(京都マラソン 2023.02.19)

  • 3:31:43(かすみがうらマラソン 2023.04.16)

  • 3:37:24(函館マラソン 2023.06.25)

  • 3:25:13(東北・みやぎ復興マラソン 2023.11.05)

  • 3:12:01(大阪マラソン 2024.02.25)

まず完走までにやったことは、4時間以上運動し続けられる持久力の獲得で、3〜5kmのランニングから始めて距離を伸ばし、10kmをコンスタントに走っているなかでふくらはぎの肉離れで走れなくなり、ロードバイクでの練習に切り替えて、レース2ヶ月前には30kmはなんとか走れるようになっていた。感覚的には30kmのロング走を1-2回実施できれば完走は可能。

次にサブフォー達成までにやったことは、箱根駅伝の熱気の延長でノヴァブラストというシューズを購入し、毎週末に箱根駅伝の往路を走るようになったことが挙げられる。感覚的にサブフォー達成するためには、レース前の4-5週間前から20〜25kmのロング走を週末に実施して、月間走行距離が200km程度あれば、比較的簡単に達成は可能と思われる。個人的にはロング走を通して、体重が5kg程度減ったのもプラスに働いた。ランニングノートもこの頃から付け始めて、日々どの程度走ったか、どういう体調か、何を食べたか、くらいの記録ではあるが、今でも続いている。

サブ3.5達成は、サブフォー達成から9ヶ月も空いてしまったが、月間走行距離300kmあれば達成は可能かと思われる。サブ3.5達成したレースでは、初めて後半に脚を残す展開を意識してペース配分ができるようになったことが大きい。どのくらいのペースで走ったらどういう結果になるかの感覚がはっきり分かるようになった。もう1点、個人的に給水が苦手なので、400mlのウォーターボトルを持って走るようにしたことも要因として挙げられる。給水はコップを取るのも飲むのも何度やっても難しく、ちゃんと給水できなかったときは、妙に焦りが出てしまうため、いつでも給水できるよう片手に持って走るようにした。重さという点で不利ではあるが、それを差し引いても、いつでも飲める安心感の方がメリットとしては上回る。

サブ3:15達成は、今年の2月に達成し、要因は月間走行距離300kmの継続とシューズをマジックスピード2に変えたことレース中に音楽や音声コンテンツを聴くのをやめたことが挙げられる。この時点で初めてレースシューズを意識して履くようになった(それまでは練習と同じく、ノヴァブラストやスーパーブラストで走っていた)。ただ、このときのレースではやや消極的な展開をしすぎて、完走後もまだ5-10km走れるくらいの余力を残してしまい反省が残った。音楽や音声コンテンツは退屈しのぎにいいのだが、レースに集中したほうがいいので一切聴くのをやめた(それまでは大会当日に好きなラジオ番組を敢えて聴かずに残しておいて、疲れを意識を紛らすために聴く、ということをやっていた)

サブスリー達成の要因は、まずレース計画の切替で、サブ3:15時点の反省を活かし、市民ランナーのフルマラソンの結果など、良かろうが悪かろうがただの自己満足に過ぎないと割り切り、いまの自分がどれくらいの走力があるのか知るため、やり過ぎない程度に突っ込むことにした。それに加えて、レースシューズをメタスピードエッジパリに変えたこと。月間走行距離400km走れるようになっていたこと。これら3つが重なり、達成できたものと思われる。

自分にとってサブスリーは、かなり難しい目標と捉えていて、このまま練習を続けて、達成できたとしても来年の2月くらい? というイメージをもっていたので、想像していたよりもかんたんに達成できてしまった…信じられない、というのが正直なところではある。

やらなかったこと

スピード練習は一切実施していない。正確に言うと一時期取り入れようとしたが、2度目のスピード練習でハムストリングスの軽度の肉離れが発症し、自分にはフィットしない練習だと見切ってやめた。

フルマラソンの記録よりも、日々ランニングすることの楽しみの方が大事なので、自分に合わない練習をして走れなくなってしまっては元も子もない。

怪我予防のためにやったこと

サブフォーを達成した京都マラソンの前、自分の力量に見合わない距離を走っていたため、膝痛を発症してしまった。それ以来、膝関節に負担が掛からないよう、次の筋トレを実施するようにした。

  • 対角線手足伸ばし 20回 3セット

  • レッグレイズ 20回 3セット

  • ヒップリフト 20回 3セット

  • 腕立て伏せ 20回 3セット

  • 腹筋ローラー 20往復 3セット

  • スクワット 20回 3セット(※ハムストリングスと臀部を意識)

実施頻度は週に3〜4回程度でランニング前に行うことが多い。始めて間もない頃は効果はまったく感じないが半年〜1年継続すると確実に変わってくるし怪我をしなくなる。これに加え、走行距離を過度に増やさず、前週・前月の10%を超えないようにした。

履いてきたシューズ

特に深い理由はなく、国内メーカーということでASICSを選択。
歴代シューズは以下。

  • メタラン

  • ノヴァブラスト3

  • マジックスピード2

  • スーパーブラスト

  • マジックスピード3

  • メタスピードエッジパリ

メタランは何も知識がないなか、とりあえず怪我せず安定感があるものということで、店員さんに勧められるがままに購入したが、27,000円もする高価なシューズを初手で選ぶ必要はまったくなくて、NIMBUSシリーズなどのクッション系を選べばよかった。

ノヴァブラスト3は、クッション系でポンポン進む感触が面白いシューズで、走る感覚を変えてくれた一足。ハムストリングスや臀部の筋肉も使うので、これを使ってロング走ができたら、サブフォーは狙える。

マジックスピード2は、ノヴァブラスト3によって走力がストレッチした体験から、ちょっと背伸びして購入したが、購入時点ではまったく履きこなせず、厚底シューズの反発や推進力もよくわからなかった。

スーパーブラストは、ノヴァブラストの上位モデルということで興味を持って購入。正直そこまで大きな差異はないが、シューレース部分のホールド感と、お気持ち程度ではあるがクッション性も優るので気に入っている。

マジックスピード3は、2よりも履きやすくなった一足。3で走るようになって、2のよさがわかった。

メタスピードエッジパリは、ノヴァブラストやスーパーブラストのクッション性と、マジックスピードの反発や推進力を掛け合わせた一足。推進力や反発の代償に、臀部やハムストリングスの筋肉を使うので、使いこなすのが少々難しく、正直まだ使いこなせているとは思えていない。

普段のジョギングではスーパーブラスト、ペース走ではマジックスピード2 or 3、レースではメタスピードエッジパリ、という履き分けをしている。

ロング走のコツ

好き好きはあると思うのであくまで参考程度の情報だが

  • キョリ測というサービスを使って、電車を使って帰ることを前提に、自宅から30-35kmで行けそうな場所を目指すコースを作る。たとえば筆者は横浜なので、都内に向かうコースであれば第一京浜か第三京浜を使って丸の内や代々木公園まで走る。南下するコースであれば、鎌倉や藤沢あたりまで走る。普段デイリーで使うコースとは違って、景色が異なり楽しいうえ、走ったことがない道であれば、知的好奇心が満たされる。

  • 目的地に到着したらできることを報酬として設定する。たとえばラーメンを食べたり、普段訪れない人気のパン屋でパンを買ったり、など。

  • 早朝3-4時に出発する。早朝は交通量が少なく走りやすいうえ、日の出や夜景など、普段見ることのない景色が見れて楽しい。また早朝から深夜であれば、休日の貴重な時間を潰さずに済む。

  • 好きな音声コンテンツを聴く。

筆者はたいてい金曜日の早朝3〜4時に出発して、7〜8時に帰宅することが多いので、三四郎のオールナイトニッポンをリアタイしながら走ることが多い。

次の目標

今回は後半10kmで失速したので、直近のレースでは以下を改善できるよう取り組んでいきたい。

  • 失速せずに4'00/kmイーブンペースで走れるようにする

  • ペーサーを巧く使って、空気抵抗を受けずに背後で楽に走れるようにする

  • メタスピードエッジパリに馴れる

  • 筋肉を維持して体重を2-3kg落とす

自己満足とはいえ、何かしらの伸びしろがあって、PDCAサイクルがまわせると、なかなか楽しいものがある。

次回のレースは、8月の北海道マラソンなので、夏場のフルマラソンでのサブスリーを目指していきたい。

長野マラソンは素晴らしい大会だったので、数年後、また参加します。関係者の皆さま、ボランティアの皆さま、沿道で温かい応援をしてくれた皆さま、素晴らしい景色、ハイタッチしてくれた高橋尚子さん、すべてに感謝します。

ありがとうございました。