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穂乃香ちゃんの言葉に出会う、という話【綾瀬穂乃香ちゃんを楽しむ②】

 綾瀬穂乃香ちゃんが趣味・特技としてきたバレエダンスは、言葉を発しない舞台芸術と言われています。子どもやお年寄りはもとより、外国の言葉が分からない人でも、みんなが楽しめるところが良いところでしょうか。
 見方を変えると、バレエでは演者の言葉が封印されるので、言葉がないと、どうしてもその人の想いも閉ざされてしまうこともあります。穂乃香ちゃんの想いがプロデューサーさんへ伝ってスカウトに至ったのも、バレエが楽しくない、自分の表現力に限界を感じた、という穂乃香ちゃんの言葉からでした。

 今回は、バレエの世界から放たれ、アイドルの世界に届いた穂乃香ちゃんの言葉を、デレステカードの台詞から楽しむお話です。
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 『舞台上のネコですか。何匹いるか数えてください。…私を含めて』
[クロネコチアー]綾瀬穂乃香+

 ハロウィンのクロネコを楽しむべく、舞台での動きを精錬させる穂乃香ちゃん。ネコ探しに没頭しそうになりますが、クールアイドルとは違う、キュートな私を認めてほしい、という穂乃香ちゃんの言葉です。
 同時に、ネコちゃんアイドルは前川みくちゃんなど沢山いるのですが、穂乃香ちゃんもネコちゃんと縁のあるアイドルであることが、このクロネコチアーに象徴されています。つまり、「私もネコを楽しむアイドルなんです」という想いが込められているのかもしれません。

『うまくできるはずなのに、なぜかできない…。で、どうしたらいいか考える。そこから本当の学びははじまるんですね』
[ドキドキ☆チャレンジ]綾瀬穂乃香

 それぞれ違う制服でも、気持ちはひとつ。穂乃香ちゃんが大切にしているフリルドスクエアで、趣味の編み物を教えているシーンでのヒトコマです。
さすがに趣味で慣れているからか、ここは先生役の穂乃香ちゃんですが、基本的に「努力しないと出来ないし、出来るとも限らない」のが彼女。不屈の心なので基本的に折れないのですが、誰かが軌道修正しないとバレエの二の舞になってしまうわけです。
 出来なかった時にどうするか。今までは努力を重ねるだけだったのが、アイドルになって、「どうしたらいいか考える」をワンクッション置くことが出来るようになりました。言葉の源泉である思考を満たすことが出来るようになった穂乃香ちゃんの言葉が、またひとつ豊かになった証拠ですね。

『一見、薄味に思えても、私には私の味がある』
[ドキドキ☆チャレンジ]綾瀬穂乃香+

 たとえ踊りが封印されても、心の中では踊っていて、故郷を愛するレポートをする。新しい楽しさに目覚めた穂乃香ちゃんの言葉です。
 2011年にデビューした穂乃香ちゃんの個性は、時代に合わせて輝くには相当の工夫が必要だと思います。素材云々の話をしていても変わらないので、変えるべくは、持ち味をどう膨らませていくか。
 穂乃香ちゃんは他の個性あふれるアイドルを見て、羨ましいと思うかもしれませんが、きっと他のアイドルのようになりたいとは思わないでしょう。なぜなら、穂乃香ちゃんには、穂乃香ちゃんの個性があるから。誰かの臨んだ役柄になるのではなく、なりたい私になることが、輝く個性なのです。
 そして、それを、楽しんでくれる誰かに届けるのが、私たちプロデューサーさんの使命なのでしょう。

『ぴにゃ~♪ ぎゅぎゅ~♪』
エクストラコミュ「ぴにゃこら太と遊ぼう! ~アイドルクイズ王決定戦~」ぽにゃぽにゃタイム②

 綾瀬穂乃香ちゃんのぴにゃこら太好きはもはや言葉もいらないのですが、クールでバレエアイドルで踊りと言葉でファンを魅了する穂乃香ちゃんの正体を象徴するような言葉となっております。
 プロデューサーさんの前では柔らかな笑顔がベストショットなんですが、ぴにゃこら太の前では全力予告ストレートな穂乃香ちゃん。ぴにゃへの愛が半端ないわけです。
 その愛は一方的ではなく、巡り巡ってデレマスのマスコットキャラクターとなり、ゲーム内の世界では全国でキャラクターショップや遊園地の着ぐるみ、果ては田んぼアートまで発展するわけです。サービス終了となったモバマスでも、遊園地のお仕事でぴにゃこら太がデザインされた特注風船まで実現してしまう(=ぴにゃこら太と遊園地のコラボが穂乃香ちゃんによりOKとなる)のだから、過言かもしれませんが、穂乃香ちゃんが本気を出したらぴにゃこら太が世界レベルになるわけですね。
 そんなぴにゃも、今年2023年10月18日で10周年。みんなでお祝いしたいですね。

『筋や腱の調子が毎日違うの、わかるんです。今日は…やる気満々、ですよ』
『トゥーシューズも、レッスンシューズも、たくさん履きつぶしてきましたね…』
[歓びのアティチュード]綾瀬穂乃香

 爽やかな早朝のレッスンルームにいる穂乃香ちゃん。柔らかさを存分に表現していますが、鏡越しに見える背中、そして発せられる言葉は、ライブやお仕事での困難にぶつかっても揺るがず、それさえも楽しもうとする決意が現れています。
 薄々お気づきかと思いますが、穂乃香ちゃんってもしかして脳筋!? というシーンはいくつかあります。ただ、「彼女は鍛え方が違う」と思わせるのがこの、ふたつの言葉です。筋と腱の区別がついていて、さらに調子まで分かってしまう。おまけに、バレエ・アイドルの靴の両方で、糧にしてきた数が違う。[耀きのピルエット]でも、表現したいことがあるから技術を磨く、と言い切る彼女を感じられます。
 穂乃香ちゃんを、全力でプロデュースしたくなる言葉ですね。


『アイドルとしての靴が脱げてしまったら…履かせてください魔法使いさん』
[歓びのアティチュード]綾瀬穂乃香+

 穂乃香ちゃんにとって、「靴」は他のどのアイドルよりも特別な意味を持っています。歩んできた人生で履き潰し続け、脱げようとも置いていかなければいけないこともあったかもしれません。そして履きたくても、履けなかった靴だってあったはずです。
 そして、アイドルとしての靴が脱げた時、穂乃香ちゃんはどうするのか。その答えが、この言葉です。
 穂乃香ちゃんは、どん底で絶望した時、プロデューサーさんが魔法を使って再び耀かせてくれることを信じています。おそらく、プロデューサーさんよりも、穂乃香ちゃんの方が見てきた地獄の数も、程度も多いでしょう。だとしても、魔法をかけてほしいと願うのが、他の誰でもないプロデューサーさんなのです。

『ぱちぱちぱち♪ みんなのおかげで順調だよっ。もう少しだけ、頑張ろうね』
[慕われベーカー]綾瀬穂乃香

 大人として、先生として意識すべき細かい所作や言葉が、子どもたちの未来に影響を与えることもあります。それはどんな職業でもそうですが、うわべだと、すぐに子どもに分かってしまう。楽しもうとしても、それも察してしまう。ならば、楽しむ、ただそれだけで子どもと触れ合えばよいのです。
 心を開く、声をかける。そこから始まって、時には励ましたり、パワーをもらったりする。こうして、楽しみが増えていく。
 少なくとも、幼稚園にいた穂乃香ちゃんは、バレエアイドルではなく、子どもたちから愛されるお姉さんでした。


『兵隊の人形が、人間に戻るには。大事な人の、愛が必要なんですよ…?』
[友進のナッツクラッカー]綾瀬穂乃香+

 「くるみ割り人形」の物語に沿った言葉ですが、それよりも、プロデューサーさんに発せられた言葉、というところに、穂乃香ちゃんの「愛」の考え方が感じられます。
 愛と聞いて思い浮かぶ同じデレマスのアイドルは佐久間まゆちゃんですが、愛をテーマにしたドイツアイプロでも、まゆちゃんと穂乃香ちゃんは共演を果たしています。同じふるさとの宮城が育んだ愛ゆえか、それとも、愛に飢えた経験のある人にしか分からない境地か。
 穂乃香ちゃんのプロデュースは、基本的には肩の力を抜いてリラックスして穂乃香ちゃんと触れるのが良いですが、時に真正面から向き合って、ストレートに飛ぶことも求められることがあるかもしれません。だけど大丈夫、その先には、全力で受け止めてくれる穂乃香ちゃんがいますから。


 ここまで読んでいただいたみなさん、ありがとうございました。みなさんが楽しめるものを、気軽に楽しめますように。

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