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地域の記録(#15 ニュース映画で現代社会を勉強しましょう)

政策ニュース映画から見る地域の記録

川崎の中原失対事業はかなり広範囲に作業を行ったようで、先ほどの映像が、中原区のどこの場所かは正確にはわかりません。住宅街のようです。
昭和28年6月18日「蚊やハエのいない町に」という映像があり、そこにも同じような街並みが映っています。今井南町という武蔵小杉近辺の地域です。

政策ニュース映画の場合、特定の場所が撮影地としてしばしば取り上げられるという傾向があります。大師周辺や市役所近辺は、川崎市政ニュース映画の撮影の定番だったので、中原に関してはこの今井南町周辺かもしれません。

「工業都市駅」の近辺、小杉町3丁目から今井南町あたりは、まだまだ昔の佇まいが残っています。その路地の中に、U字型側溝がはっきりわかる場所があります。大通りでも側溝は使われていますが、殆どが舗装とともに新たに作り変えられているようです。

工業都市駅:
神奈川県川崎市中原区小杉町三丁目に存在した、東京急行電鉄東横線の駅(廃駅)である。1939年(昭和14年)に開業し、1953年(昭和28年)に廃止された。(Wikipedia)

写真に示すように、はっきり側溝とその上のコンクリートの蓋が残っており、さらに金属の側溝の蓋に、川崎市の記章が書かれています。
見るからに年期が入っているので、側溝と一緒に整備されたモノでしょうか。この側溝の裏側には、おそらく「中原失対」と書かれているはずです。

小杉1

今、武蔵小杉は大規模マンションが次々と建てられ、大きな変化をしてきています。
国勢調査のデータですが、駅の近辺で大きなマンションが建てられた、川崎市中原区新丸子東3丁目は、平成22年からの5年間で、人口の増加率が1763.22%、これは誤記ではありません。おそらくこれは、人口減少が進む現代の日本では考えられないような数値でしょう。

調べてみましょう: 上に示した川崎市中原区新丸子東3丁目の人口の増加率を、国勢調査の人口等基本集計から調べてみましょう。

新しい大きなマンションと、昔ながらの街並みが混在しているのが、今の武蔵小杉の興味深い点です。そしてその足元には、失対事業で作られたであろう、U字型側溝が埋められているはずです。

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この辺りも、早晩変わって行くと思われますので、側溝のある路地も、消えていくでしょう。地域の映像記録は、時代が進めば進むほど貴重なものとなって行きます。



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