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Road to ”note創作大賞2024" その3 ~記事の構造の分析を始める~

先週の記事。

先週までのおさらい。

  1. 最初に応募要項を読み、ビジネス部門の選考会社さんの情報を調べてみました。

  2. 大まかなスケジュールを決めました。5月中に記事の構成を勉強して、6月中にテーマと中身を決定、7月に執筆と応募します。

  3. 商用の記事の体裁を調べ始めました。オンライン記事の場合、1000文字程度を単位として引きを持たせるのが良いようです。

今週から、具体的な記事の分析に入ります。

今回のケース

たまたま「PRESIDENT Online」のトップで見かけたこの記事。

1ページ目

最初。編集部でつけたものだと思いますが、簡単な記事の要約と執筆者の紹介が入っています。

人事評価のための目標設定に意味はあるのか。麗澤大学教授の宗健さんは「人事評価のための目標設定は構造的に機能しない。社員は達成できそうな目標にすることが自分の利益になり、目標を達成したらそれ以上の努力をしなくなるからだ」という――。

PRESIDENT Online, 『人事評価に納得している人はたった2.8%…部長と本部長の間にできる「評価納得度」の計り知れない溝』より

たった2つの文で、記事の概要と権威、両方を伝えきっています。普段は「ふ~ん。」で済ますところですが、自分がこのレベルの記事を目指そうとすると、「すごいな!」としか言いようがありません。さすがプロです。

著者の宗健さんは大学の工学部の教授。
2019年より「いい部屋ネット 街の住みここち&住みたい街ランキング」を企画・設計・分析されているそうですが、2022年に働き方についての追加調査を実施したそうで、今回の記事はその分析をベースにしたものでした。

1ページ目はアンケート結果の分析。
「人事評価に納得している人はほとんどいない」で総論、
「営業職よりも事務職の方が『納得できる率』は高い」で層別による各論を紹介しています。

2ページ目

「多くの人は待遇にも満足していない」でより突っ込んだところの総論を再び。「人事評価」から「待遇」に目先を移すことで、より現実的になって引き込まれる人も増えそうです。

2ページ目後半、「社員は『達成できる目標』を設定してしまう」で著者が言いたい内容が始まります。いきなりこれからスタートすると「本当か?」となりそうですが、1ページ半のアンケート結果分析が権威となり、「そうだろうな」という説得力を持たせています。
ここで2ページ目前半、「人事評価」と「待遇」を結び付けたことも生きています。

3ページ目

「目標を達成すると努力が止まってしまう」は2ページ目後半の内容を活かしての続き。「人事評価は相対評価」など新たなワードが出てきますが、1ページ目から丁寧に論理を組み立ててきたのでここもスーッと入ってきます。

「昔のリクルートに存在した『売上絶対額ランキング』」で急に目先が変わり、新たな情報が入ります。「えっ?どういうこと?」となりますが、ここまで2.5ページ(おそらく2,500文字程度)一つの話が続いて飽きてくる頃なので、注意を引き付けるという意味で重要なのでしょう。そしておそらく次ページ、著者が最も伝えたいことへの導入部。

4ページ目

「目標はあくまで目安として『結果で評価する』方法もある」、これが著者が言いたかったこと(おそらく)。「定性的なものが多く日々変化する『目標』は目安にして、定量的で最終的なものである『結果』で評価しませんか?」と言っている、と理解しました。ここで3ページ目後半、リクルートの話を回収しています。

記事の構造分析

まとめてみます。

  1. 最初の1.5ページで、アンケート結果(事実)の分析をしながら著者が語りたいトピックス(「人事評価」と「処遇」)をつなげる作業を行なっています。

  2. 次の1ページで、アンケート結果から想定される内容を著者の意見として開示しています。

  3. 次の0.5ページで結論に向けた新たな事実の提示。

  4. 最後0.5ページで著者の主張を提示して、この記事の結論としています。

今日のまとめと次回

今回は1つの記事を例に、構造を分析してみました。
n=1では他の可能性が見えないため他の記事も分析してみようと思いますが、今回の結果と照らし合わせればもう少し早く分析できると思います。

すべてを載せているとたいへんなので、何かおもしろい知見が出てきたらそれを選んで来週載せたいと思います。

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