現場DXのリアル 2年目

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ここまでの話。

  • 職場のDX担当に任命される

  • 「こうありたい」というパワポ資料を提出するが反応なし

  • 情報収集スタート

  • うちの職場にDXの波は来るのか?

ということで、2年目スタート。

始まりは突然に

新年度、うちの職場にも支援がつくことに。どうやら社全体で本格的にDXに力を入れることになったらしい。マジか、他の支援で立ち上がったところにデータだけ提供するタダ乗り作戦を考えていた・・・
ということで、定例の打ち合わせがスタートする。ちなみにツールを導入する予算は、ない。

スタートはした、噛み合わない

ということで打ち合わせスタート。DXの先生、こちらの課長、職場内もう一人の担当(今年度から付いた)、私。実データが一覧になったExcelファイルを用意して会議に臨む。
なぜDXをするのか、考えるところから始まった!「会社のプロジェクトだから」とは言いにくい雰囲気。最初の2ヶ月くらい、これをやっていた。
さらにこちらの職場3人でも少し違う方向性。今までは阿吽で妥協して進めていたが、先生の手前これもできない。
でも最初の中間報告が近づいたため、「なぜDXをするのか」「何を目指す?」といった、大きそうな報告書を作った。

データがない!

一方、1年目の終わりに盛り込んでみたマテリアルズ・インフォマティクス(MI)もしっかり上層部にインプットされていたので、人伝に社内のMIの頭脳的な人に辿り着いて相談へ。そこで気づく。「うちにはデータがない!」
データはあるんです。でも、MIに入れられそうな系統的なデータがない!うち、基礎開発に近いので、結構インスピレーションと経験だよりで、過去の経験則から実験を決めて進めていたんです。マトリックスとは全く違う発想で。
MIに入れるためには相当な追加実験、しかも当たらない可能性が極めて高い追加実験が必要なことがわかりました。ただ、基礎開発はマンパワー。既にそこの検討は終わっている、と思っているみんなに、データのためだけに当たらない追加実験をさせることは不可能に近い。
完全に手が止まりました。

もがく

寝てるとき以外はほとんどデータのことだけを考える生活が始まりました。1日に16時間くらい。
定例の打ち合わせは止めるわけにいきません。それで立ち消えになった話、いっぱい見てきました。うちはマンパワー、そしてそのマンパワーでは中国が12倍上なので、DXの力を借りられないと、絶対に負けます。
いろんなことを考えます。
目的を突き詰めれば見えてくるんじゃないか?→見えてこなかった
データの出どころは限られているから、それをみんなに出してもらえば?→本当に漏れがないのか自信がない
うちの最大の定型仕事は試作ロットを作ること、それを分解してみたら?→!

鉱脈を掴んだ

考えて、光かな?と思ったら当てが外れて、最後に「これはつながる」と思う鉱脈が見えてきます。今回は「ロットの流れを分解」でした。後から思えば当たり前ですが。
課内は話が通ります。後は先生への説明です。
ロットには流動票が付いていること、私達はそれをベースにものを動かすこと、それを辿るとデータが見えること。合意が取れました!

ここからは具体的に進めていきます。
ここまでDXツールの話、一切なし!
長くなったので続きは2年目後半へ。

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