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最高のプレゼン 〜今週の仕事エッセイ〜

今日は、以前のこのコーナーで書いたこちらの件に触れます。

パワポにも弱点はありますが、上手く使えば紙にはない「時間」の概念を使ってストーリーを作り上げ、聞き手に対して絶大な効果を上げることもできます。そしてその成功例もあります・・・

「紙しか勝たん 〜今週の仕事エッセイ〜」、本記事筆者による

どんなプレゼンだったのか?

開発中のプロジェクトで他社技術を評価して、

  • 数年前の同種の評価時から大きくレベルが上がっていること

  • 自社商品に対して脅威になりうるため規模を大きくした詳細評価と対策が必要なこと

を伝え、副事業部長(当時事業部で開発の統括をしていた)の判断を仰ぐ、というプレゼンでした。なので

ターゲット: 副事業部長
目的: 他社技術の脅威を伝えて自社プロジェクトのテコ入れを相談したい

という、ターゲットと目的が明確なプロジェクトではありました。

結果

  • プロジェクトの人員が10倍(2人→20人程度)になった

  • 他社技術の評価ステージが上がった(実験室レベル→ある程度自社商品に近い構造)

具体的には

「開発統括に開発状況を説明して今後の開発に対してGo/Not Goの判断を仰ぐ」という公式なプレゼンだったため、課長も入って数人がかりでパワポを作った、というなかなかの難産でした。
当日は課長が概要(開発を取り巻く環境、開発の経緯、といった、他社技術評価よりも大きな全体感)を説明し、私が引き継いで他社技術評価のパートを説明する。
・・・ということで一言で書くと
「自身のスタイルやノリは許されない、制約があって緊張するプレゼン」
でした。

やったこと

必ず伝えきらなければいけないプレッシャー、普段話さない人たちにいきなりな話を伝えなければならない緊張感、があり、「流ちょうなプレゼン」は最初に捨てました(;^_^A
その代わり、1ページずつ確実に、伝えることは1ページにつき1つだけ、前のページとのつながりを重視して論理の積み木を一つずつ積み上げるように・・・普段やったことがないレベルでたどたどしくて朴訥でシンプルなプレゼンだったと記憶しています。

反響と結果

ページを進めるごとに開発統括の真剣度が増していくのを肌で感じました。そのたびに「よし、ここまでは伝わった」とほっとしながら次のページを・・・
結果は前述のとおり。さらに副賞で「事業部長プレゼン」「社長プレゼン」「会長プレゼン」「関係個所へのプレゼン」が立て続けに入りました(^O^)課長が代わりに行ったもの、都合で私一人で行ったもの、いろいろありましたが。

成功要因とプレゼンでよかったこと

「一つずつ伝える」に徹した結果、流ちょうかはともかく、シンプルでこれ以上なくわかりやすいプレゼンが生まれたのだと、後になって思います。
プレゼンはどうしても「限られた時間で伝えきる」に主眼を置く結果、あれもこれも盛り込みたくなる(今でも)のですが、
「興味を持ってくれれば後からいくらでもチャンスはある」
と割り切って余分な情報を捨て去った。

・・・これが紙でできなかったか?は分からないのですが、
紙は読み手それぞれのバックグラウンドとペースで読み進めてしまえるので、
一つずつ全員で確認しながら一体感を持って話を進める
のはプレゼンの方が向いていたのかもしれません。

今週の本棚から

※ 本記事はAmazonアソシエイトに参加しています

プレゼンの対象、目的志向、といったところは社内研修+自身での改良、で培ったためそっち方面の本が分からず、手持ちの「スティーブ・ジョブズ」絡みの本を。
トッププレゼンの恐怖、シンプル、は心に残った本で、今回のバックグラウンドの一つにはなっています。

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