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葛の効用

DAY12。体調イマイチなときに必ずと言っていいほどわが家で出てくるのが、葛。

本葛とは

葛粉という名の商品は、色々お店に並んでいます、

とろみをつけるだけならどれでもいいのかもしれません。
葛の持つ効能を期待するなら、本葛100%のものを選びましょう。お値段は貼りますが、わが家では、梅干しや味噌と並んで、どんなときにも欠かさない食品のひとつです。

本葛の効能

葛は、風邪の引き始めの時に飲む漢方薬、「葛根湯」にも使われています。冷えからくる風邪のからだを、内側から温めてくれます。逆に、ほてったり熱がこもっているようなときに、余計な熱を出してくれるようにも感じています。梅雨時期によく寒天葛のゼリーを作ります。夏は、葛まんじゅうや葛きりなどのお菓子も出回りますよね。整腸効果もあるなと感じていて、便秘のときも、おなかがゆるいときにも、どちらのときにも重宝しています。

葛の選び方

これらの効能を引き出すには、先に書いた本葛100%のもの、ということと、パウダータイプとブロックタイプがあるけど、ブロックのものを使っています。パウダータイプの方が扱いが楽だから、と買ってみたことがありましたが、固まる力がブロックタイプより弱く、陽性(集める、温めるなどのエネルギー)が弱い気がしています。個人的な感覚ですが。なので、ブロックタイプを購入して、パウダーにして使いたいときはまとめてミキサーで砕いておいたりします。

葛の使い方

葛はでんぷんなので、お米が生だと消化に悪いように、そのままだと消化に負担がかかります。沸騰してから4分くらい弱火で火を通します。

何にでも入れる

体を温めたい、お腹をなんとなく整えたいなど、葛粉の効能がほしいとき、いつもの片栗粉や小麦粉の代わりに使うことができます。
・炒め物をしたら、最後に同量の水で溶いた葛を回し入れて火を通して一品。
・スープに、水溶き葛を入れてクツクツ煮ます。片栗粉よりとろみのつき方は弱いのと、片栗粉より長く熱を入れます。
・揚げ物をするおうちなら、から揚げやてんぷらの衣に混ぜて使うとサクッとした食感になります。
・クッキーなどの焼き菓子にも入れることができて、こちらもサクッとした食感になります。

葛湯、りんご葛、梅醤葛、葛練り

お腹の調子が悪いとき、熱を出したときの症状改善、温めたい、はたまたリラックスしたいときなど、料理に混ぜずに葛を取り入れることもできます。

よく売られている葛湯は、本葛ではないデンプンに、かなりの砂糖が添加されているものを見かけます。嗜好品としてとるならいいけれど、薬効をほしいときには、自分で作るといいです。もしくは、パッケージをひっくり返して、原材料表示を見て確認しましょう。
葛湯の作り方は、葛をお水で溶け残りがないように溶いて、小鍋にかけます。そのままの味でも私は好きですが、甘みを足したければ、きび糖、甜菜糖、黒糖、メープルシロップなど好みのものを。それに、隠し味に塩ひとつまみ入れるのがおススメです。
アレンジは無限大。生姜をすりおろして入れてもいいし(より体が温まります)、抹茶を入れる、桜の花の塩漬けを入れる、小さなあられを入れる(cuoca、富沢商店など、製菓材料店にあります)など、お好きにアレンジできます。
葛の量でも食感が変わり、葛を多めにすればトロトロになって食べ応えがある感じなり、薄めにすれば口当たりよく飲みやすくなります。

りんご葛は、わが家の定番。葛を使う中で一番登場回数が多いかも。風邪の引き始めや、熱のとき、体がつらいときなど、よく作ります。学校で頑張りすぎて緊張した子どもが、作ってと言ってくることもあります。
作り方は簡単。ストレートのリンゴジュースを小鍋に入れて火にかけている間に、葛粉をお水で溶きます。今日は、400ccのジュースに対して、大さじ2+水大さじ2で溶いて、リンゴジュースが温まってきたら、水溶き葛を入れて混ぜました。塩もひとつまみ入れています。ダマにならないように、絶えずかき混ぜて4分。放っておくと、ダマもそうですが底が焦げ付いたり、とろみが強い場合には突沸して鍋からハネたりするので、クツクツ言うくらいの火(弱火~弱めの中火)くらいで、混ぜながら火を入れるのがコツです。ちなみに、ダマになってしまったら、火からいったん遠ざけて混ぜ続けているとなじみます。
わが家では、薬に変わるお手当てといってもいいくらいのりんご葛。災害用の備蓄として、ストレートのリンゴジュースと、葛の予備も持っておいてます。あ、リンゴジュースは、濃縮還元のものではなくストレートのものを使ってくださいね。体への影響が違うと感じています(濃縮還元のものは、砂糖をとったときに近い体感です。ストレートのほうが体への影響がマイルドに思います)。

梅干し+醤油(+生姜)を湯呑に入れて、三年番茶を注いだら梅醤番茶。その梅醤を葛で練ると、梅醤葛です。冷えたときや、陰性のもの(体が緩む、甘いもの、アルコール、コーヒーなど)を取りすぎたあとの排出の症状を早めてくれます。夏に冷たいものや果物を取りすぎると、秋口に鼻水や咳が出たり、乳製品を取りすぎた翌日に体がだるくなったり鼻水が出たりするのですが、そんなときは私は効果てきめんです。

葛練りは、水分に対する葛の量を多め(水1カップに葛大さじ3など)にして透明になるまで練り上げたり、長めに火を入れてひたすらコトコト混ぜ続けて作ります。手間がかかるけれど、これのおいしいこと!りんご葛でよく作ります。30分くらい練り上げるとおいしいのですが、なかなかしょっちゅうは作れません。でも一度お試しの価値あり!

葛で作るデザート

葛は、熱してとろみがつき、冷やすと固まる性質があるので、夏の和菓子などは家でも簡単に作れます。

葛粉に、好みの砂糖と水を加えて火にかけ、透明になったらスプーンでとって水に入れます。お皿に盛ってきな粉と黒蜜をかけたら葛餅。餡などを包めば水まんじゅうになります。
ちなみに、見た目が白っぽく小麦粉のグルテンから作られる「くず餅」は別物ですが、発酵した風味がして、私はそれも好きです。
葛切りは、葛湯の容量(少し葛粉が多め)で葛が透明になったら、水でぬらしたバットに流し入れ、バットごと水に入れます。その葛を細長く切るとできます。蜜(私はメープルシロップがお気に入り)をかけて食べると、カロリーも多くなく、リラックスするので時々作ります。これを乾燥させたら、鍋の具材として売っている乾物になります。

寒天葛もよく作るデザート、季節の果物と合わせてのゼリーです。
葛だけだとトローンとした独特の感じになります。
葛でジュースと合わせて煮て、りんご葛のようにスープにすることもありますが、ゼリーにしたいとき寒天と合わせて作ることが多いです。

ちなみにですが、寒天は、棒寒天や糸寒天だとゆるっとプルンとした感じなり、粉寒天を使うと、カチン、つるっとした感じになります。寒天を(棒寒天なら、1本に対して水orジュース600cc(マグカップなどで寒天をふやかしておいて、使うときにちぎりながら鍋に入れます)。粉寒天だったら4gに対して500ccで作ってます(パッケージに書いてあります)。寒天が煮立ったら2分弱火で加熱して、それから水溶き葛を入れます。柑橘類だと、少し固まりにくいかも。水で煮立たせて、後で柑橘のジュースと合わせます。牛乳や豆乳も煮立てると分離してしまうので、同じです。

終わりに

今日は私も体調イマイチ。さっと書けそうだからレシピっぽい内容にしよう。よし、葛がいいか。と思って書き始めましたが、葛ひとつで3200文字になるとは!
どれだけ普段、葛のお世話になってるか、気づかせてもらいました。皆さんの台所にも、ぜひ本葛粉を加えてみては?

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