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子供を持つ親に一度は読んでほしい「LGBTの語られざるリアル」

 昨今、世間ではSDGs等と並んでLGBTへの理解を深めようということで騒がれている。私の会社にもパソコンにLGBTのシンボルである虹色のシールを張る同僚も現れ、差別のない良い時代が到来したと信じている。

 私自身は、この問題にあまり関心を寄せてこなかったが、SDGsにせよ、脱炭素にせよ、コロナにせよ、皆が一斉に同じ方向を向いて正義をかざす時は。あまりロクな事ではないだろうと斜めから冷ややかに眺めていた。だが、我那覇真子氏とジェイソン・モーガン氏の共著「LGBTの語られざるリアル」を読むと、世界的なLGBT活動の裏に恐ろしい狙いが隠されていることが明確になり、予想以上にロクでもないことが行われようとしていることが分かった。幼い子供を持つ親として、他人事ではいられないと感じたので、本書を紹介する。

 著者の我那覇さんは、冒頭で、このLGBT運動は決して単なる性別の問題ではなく、 弱者と呼ばれる人々を利用した社会の分断、言論検閲のための運動、つまり文化革命そのものだ、と述べている。

 ここでいう文化革命とは1966年から、毛沢東が行った中国の「文化大革命」のことだ。文化大革命では子供と親を切り離し、毛沢東を信奉する子供が紅衛兵となり、共産党を疑問視する親を子供が密告する社会を作った。密告された親は即刻処刑された。

 差別をなくそうというLGBT活動が、このような全体主義社会を目指す運動であるとは俄かに信じがたいかも知れないが、我那覇さんは、アメリカでの取材をきっかけにこのような結論に至ったという。

 アメリカの中で、LGBT運動が最も過激なカリフォルニア州で、子供を守るための親の会の代表を務めるエリン・フライデーさんの娘は、11歳の時に学校で、性教育の授業を受け、LGBTにまつわる用語を教わった。その後、ネットで知り合った人たちに洗脳されて自分を男だと思うようになっていく。学校からのメールで娘を呼ぶ代名詞が「She」から「He」になっていることで母親は異変に気付き、学校のカウンセリングを受けさせるが、娘を「息子」と認めないのは虐待だと言われ、家に児童相談所の担当者や警察が来る事態にまで発展した。

 幸い、エリンさんは娘を何とか守ることができたが、この事例以外にも多くの被害が報告されている。子どもの性自認を認めない親は虐待として、子供を児童相談所に連れていかれ、奪われるケースや子どもが自殺してしまうケース等だ。

 エリンさんによると、20年前はトランスジェンダーの子供なんて聞いたことがなかったのに、この20年で症例は5,000%も増えているという。この加速度的な症例の増加は、学校教育が一役買っている。自分の性に違和感を持ったり、女の子用の服が好きな男の子を、「実は女の子では?」という方向に誘導する。そして、親に黙ってLGBTの団体に連れていき、「あなたの居場所はここ。」「認めない親はあなたの敵」などと洗脳する。

 一部の医者もここに関わり、手術で悩みは解決すると言って、思春期ブロッカーという二次性徴を抑制する薬を投与する。この処方は不可逆的で、長期的影響の研究はなされておらず、食品医薬品局(FDA)では性別違和への投与は承認されていない。それからホルモン剤を投与し、最終的には男性器や乳房の切除手術を行う。ここまでくると取り返しがつかない。

 これらは過激なアメリカの話で、日本は関係ないと思っているかも知れない。しかし、2023年6月に「LGBT理解増進法」は既に国会で成立しており、学校にLGBTに関する教育や啓発、相談機会の確保を求めている。つまり、精神的に不安定な思春期の子供をトランスジェンダーに誘導する法的根拠が、既に与えられている。

 加えて、埼玉県では2022年6月の段階で「性の多様性を尊重した社会づくり条例」をいち早く可決し、外部講師による講演と称して、活動家の人たちが学校で「心と体の性はグラデーション」と教えている。また、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーを派遣し、相談体制を整備しているが、アメリカの例からもわかる通り、娘が「息子」だと言ったら、それを親が認めて、性転換に踏み切らなければ、親から子を奪いかねない危険な体制と言える。

 では、このような状況の中、我々はどうやって自分の子供を守っていくことができるのか。我那覇さんは、まず効果を発揮している海外の対策を参考にすることを挙げている。

 例えば、ロシアでは2022年春に同性愛を助長させる情報拡散を全面禁止しているし、2023年7月には性別変更を原則禁止する法案を可決し、性転換手術や薬物投与を禁止する動きも出ている。また、ハンガリーでも18歳未満の児童に学校教育で同性愛や性転換の話題を禁じ、メディアのコンテンツ配信を規制している。

 こういった国は、別にLGBTの方を差別しているわけではなく、成長過程にある子供たちを保護し、自らの性的志向についての意思決定を大人になってからさせるという目的で法律を作っている。まさに、こういった国々と連携し、全体主義的な活動家の動きを抑え込んでいく必要が日本にはあるだろう。

 また、親としてできることとして、「親の会」を作ることも挙げられている。アメリカの例でも見たように子供がターゲットになると親が孤立させられる。それを防ぐには親が団結して情報共有していくことが必要だ。

 さらに、子供がおかしな思想に毒されない環境を作ることも大事だ。例えば、都会を離れて地方に行くとか、ネット環境の中で洗脳されることが多いので、スマホは投げ捨てるとか、子供が何に接しているか親はできる限り把握するといったことも必要になるかも知れない。

 だが、なにより大切なのは自分のことを大好きになる子どもにすることだと言える。なぜなら、トランスジェンダーになりたいという考え方は「今の自分ではダメだ」という自己否定からくるものだからだ。子供に毎日、「あなたは大事な娘である」と伝え、子供たちの存在を肯定していくことが大切になる。

 以上、本書は多くのことを考えさせる内容だった。この中に書ききれない大切なこと、面白いことも数多く述べられていたので、気になる方は是非とも本書を読んでみてほしい。

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