見出し画像

拡張プレートシステムを作った話

この記事はキーボード #1 Advent Calendar 2021の6日目の記事です。 昨日はいとうひよこさんの「【アドカレ】自作キーボード2021【まとめ】」でした。

過去のアドカレ

今年作ったもの

振り返ってみるとまあまあ進捗できてる気がします。
年始あたりは3Dプリンタや電子工作で遊んでいたようです。
さて、本題に進んでみます。

wings42を作り始めた

ずっとbat43を完全体にしたいと思っているのですが、どうにも手がつかず大脱線をしていました。bat43の後にbat43tbという真ん中にトラックボールがついているモデルを販売したのですが、トラックボールの使い心地に納得いかず、そのまま放置してしまいました。(主にトラックボールまでの距離と、クリックの扱い)その他にも製造上の問題などもあり、解決しなきゃいけない問題が多くなり、手が遠のいていくように・・

bat43tb(販売数2なので激レア)

このままでは良くないと、新規でキーボードを作ることにしました。bat43は一体型でコンパクトで扱いやすいのですが、分割型のような肩の開放感はありません。それもあり、bat43ベースの分割を作りたいと思っていたので、こっちを先に作って、その知見で再度bat43を設計し直そうという計画しました。

拡張プレートの構想

lixsさんがlunchbox v2で、Pro Microプレートのスペーサー経由でキースイッチを使っていて、これは良いアイディアだと思っていました。

lunchbox v2 designed by lixs

トラックボールみたいなデバイスを使うための自由度を上げて、Pro Microプレート上に色々な拡張パーツを載せ替えられると良いなと思い設計を開始。

初期の構想では
・キースイッチ
・ロータリーエンコーダ
・BMP用バッテリー
・トラックボールケース
を載せられるように考えました。

ベータ版の配線

Pro Microプレートをしっかり固定するのと、配線の本数を確保するためにスペーサーを4本使うことにしました。しかし、4本だと上記を同時にまかなえるだけの配線ができません。色々とあさっていると、6mmコンスルーを秋月電子で発見!何故かピンポイントで6mmを取り扱ってくれている。Pro Microプレートを支えるスペーサーの高さも6mmがほぼ最小値なので、スペーサーと高さを合わせて使うことにします。ひとまずVCCとGNDと余っているピン4本をこちらにアサインして取り扱うようにしました。

beta版の配線

正式版での改良

ベータの配線でも動くので良いのですが、電源系が気軽に触れるスペーサの位置にあるのと、ピンが有効活用できてなくて、ファームウェアの設定がやっかいな形になってしまったので、苦渋を飲んで仕様変更することにしました。(ベータ購入の方は本当にすいません!)

変更点としては、
・BMPは独立させる
・スペーサーはキースイッチ的な機能としてマトリックスに組み込む
・6Pコンスルーに独自機能用のピンをアサインする
という感じです。

正式版の回路図

これにより、プッシュ付きのロータリーエンコーダを2つ搭載して、プッシュもグリグリも両方動かせるようになりました。

ロータリーエンコーダx2の回路図

初期の対応プレート

そんなわけで、予定していたプレートを載せ替えられるようになりました。

wings42 対応プレート

新デバイスの対応

キーボードに機能を組み込んでしまうと、そこで終わりなのですが、拡張プレートなので新しいデバイスへの対応もできてしまいます。

最近販売され話題になったCannonballHandymanといったマクロパッドに謎のグリグリを発見!

Cannonball (遊舎工房さんの商品ページより引用 )

ロータリーエンコーダが大好きになっていた私はこれを使ってみたいと思いました。あまり情報のないデバイスだったのですが、有志の方の情報を参考に設計してみました。基本的にはロータリーエンコーダと同じなので、回路図はそのまま流用できました。

水平ロータリーエンコーダプレート
取り付けたところ

こうして、キーボード本体を作り直すことなく、新しいデバイスが使える実例ができました。

設計情報の公開

まだデータがごちゃついているのですが、こちらのプレートに関するデータは公開しようと思っています。これらのデータを使って、自分用に位置を調整したプレートを作ったり、全く違うデバイスをくっつけてみたりすることができます!

自作キーボードのオンラインショップをやっています

キーボード好きが高じてショップを開くまでになってしまいました。
よかったら覗いてみてください!

この記事はwings42で書きました。


この記事が参加している募集

つくってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?