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協力者がどんどん増えていく人がやっている、たったひとつの行動

僕らの会社が生き残れているのは、いろんな人たちの協力のおかげです。

「Funds(ファンズ)」を始めるためには金融機関でコンプライアンス業務を経験した人が不可欠でした。「そういう人はいないかな……」と思っていたところ、大手金融機関でコンプライアンスオフィサーを務められていた河野さんが入社してくれました。

そもそも起業できたのは、共同創業者の柴田さんがいたからです。彼は大型の資金調達を経験していたり、何個ものサービスをエグジットさせた実績ある連続起業家でした。彼が経営のアドバイスをくれたり、いろんな人を紹介してくれたからこそ、いまも会社を続けることができています。

振り返ると、本当にいろんな人が協力してくれました。これには感謝しかありません。

というわけで今回は「協力者がどんどん増えていく人がやっていること」について思うところを書いてみます。

まず旗を立てなければ、始まらない

協力者がどんどん増える人がやっていること。

それは当たり前ですが「まず旗を立てる」ということです。

「こういうことをやってるよ」とか「こんなことに困ってるから助けてください」とかなんでもいい。SNSなどを使って、とにかく自分が発信して旗を立てることです。

ただ、やみくもに旗を立てても自然と協力者が増えるわけではありません。

僕はまわりにいる「つい応援したくなる人」「いろんな人と協力するのが得意な人」を研究しました。すると、協力者をどんどん増やしていく人は、旗を立てるときに以下の要素を押さえていることが見えてきました。

①社会性があるか?

ひとつめは「社会性」です。

「このサービスや事業が実現すると、社会にとってこんないいことがある」という社会性があること。逆に「お金持ちになってフェラーリに乗りたいので手伝ってください」だと共感は得られないでしょう。

社会性は言い続けることも大切です。いろんな場所でしつこく発信することで少しずつ浸透していきます。

②実現可能性があるか?

ふたつめは「実現可能性」です。

その事業やサービスを実現できる力が本当にあるかどうか? 「実現できる」と信じてもらえることが大切です。

たとえば僕が「癌を一発で治す薬を作ります」という素晴らしいビジョンを語っても、できなさそうですよね。学者でも医者でもないし、いままで治療薬を作ってきたわけでもありません。そうすると実現可能性がないので、協力してもらいにくい。

だけどたとえばリクルートでいくつも新規事業を成功させてきた人が「起業して人材開発を効率化するAI事業をやります」と言ったら、なんかちょっとできそうです。すると協力してくれる人が出てきやすくなります。

経歴や実績を積みあげるほど、実現可能性を感じてもらいやすくなります。

③人間性があるか?

最後は「人間性」です。

「人格」と言ってもいいかもしれません。たとえば「この人いいこと言ってるし、実現もできそう。だけどなんかイヤな人だな……」だったら協力したくなくなります。単純に人として応援してもらえるか、ということ。

これら「社会性」「実現可能性」「人間性」のかけ算が、僕のなかでの「協力者がどんどん増える人」の方程式です。

この3つを意識したうえで旗を立てると、いろんな人が手伝ってくれて事業がどんどん大きくなっていくのではないかなという持論があります。

実績がないときに「実現可能性」を高める方法

「実現可能性が重要」と言っても、最初から経歴や実績のある人はいません。そういうときはどうすればいいでしょうか?

僕は「借りればいい」と思っています。

たとえば僕らの場合、初期は共同創業者の柴田さんの実績を使わせてもらいました。彼は何度もスタートアップを創業してイグジットした実績があります。彼の実績を借りて、初期の資金調達をしたり人を紹介してもらったりしていました。

次はそれによって実現できた実績も使わせていただく。「◯億円を調達しました」「こんなに実績のある人がアドバイザーで入ってくれました」「こんな大手企業と提携しました」と伝えていくイメージです。その実績を使ってまた採用や提携につなげていく。

そうやって雪だるま式に実現可能性を引きあげていくわけです。自分の実績がまだ弱いフェーズは、他の人の実績をお借りして実現可能性を高めることが有効だと思っています。

実現可能性の弱さは社会性と人間性でカバー

実現可能性が弱い場合でも、他の要素でカバーすればいいでしょう。

たとえばライセンス取得を手伝っていただいた河野さんが入社した当時、僕らの「実現可能性」は低いものでした。まだサービスをローンチすらできておらず、資金調達もできていない。実績もお金も何もありませんでした。

一方で河野さんは大手銀行や投資運用会社で、海外支社長やコンプライアンス・オフィサーをされていた金融のプロフェッショナルです。豊富な経験と知識に加えて、威厳のある風貌。まさに僕らが求めていた人物像にピッタリの方でした。

「こんな立派な経歴の方に入社してもらえるのか……?」

でもここで参画していただかないとライセンスが取得できず、事業を始められません。そこでお会いした当日は「誰もが気軽にできる新しい資産運用の手段をつくりたい」「有効に使われていないお金を投資に回して、日本全体を元気にしたい」「そのためにぜひ力を貸してください!」と熱量高くお伝えしました。

そうした想いが伝わり、入社していただけることになったんです。

当時の僕らの「実現可能性」は弱かったかもしれない。

だけど「社会性」に関しては「新しい資産運用サービスを通じて資産形成をより身近にしたい!」という真剣な思いは伝わったと思います。「人間性」は僕らが熱量高く話をしている姿を見て「不誠実なことはしなさそうだな」「なんとなく応援したいな」と思ってもらえた気がします。

実現可能性の弱さを「社会性」と「人間性」でカバーできた。その結果「手伝ってあげてもよさそうだな」と思ってもらえたのかなと思います。

有益な情報は「弱いつながり」から

僕らの場合は、本当にいいタイミングでベストな人に出会うことできました。どうすればこうした「良き協力者」と出会うことができるのか?

「弱い紐帯の強さ」という理論があります。

米国の社会学者マーク・グラノヴェッターという人が提唱した理論で「本当に有益な情報や出会いは弱いつながりから来る」というものです。

この理論によると、親友や同僚、親など「強いつながり」から有益な情報は来にくいと言います。同じコミュニティにいて普段から同じような情報に触れているからです。

一方で「10年前に知り合ってそれ以来会っていない知人」や「友だちの友だち」といった弱いつながりの人は、自分とは異なる情報や人と接しています。だから思いがけない話や出会いにつながることがあるのです。

たとえば共同創業者の柴田さんは、近所の飲み友だちからの紹介でした。

取締役の笹嶋さんとの初対面は、道ばた。恵比寿を歩いていて久しぶりに会った友だちの横にいたのが笹嶋さんでした。立ち話が盛り上がったことがきっかけで親しくなり、その数ヶ月後に参画していただいたんです。

ゆるくつながっておく、ということ

僕の場合、特に助けられているのは大学時代の友だちです。

まだ実績が乏しかった初期の頃に投資してくれた投資家がいるのですが、彼は大学時代の友だちで、就職活動をしてたときに出会った人です。当時は正直、そんなに仲が良かったわけではありませんでした。お互いに顔と名前は知っている程度で、そこまで深いつながりではなかった。

だけど僕のFacebook投稿を見た彼から「いま会社で投資担当なんだけど、話を聞かせてくれない?」と連絡が来たんです。それで15年ぶりくらいに再会したところ、実際に投資してもらえることになりました。

当時はお互い何者でもなかったけど、ある程度歳を重ねてくると「久々に会ったら偉くなってた」ということがあります。「どこどこの事業部を全部見てるんだよね」とか「編集長になってるんです」とかみたいなことが、けっこうあるんです。

パーティーや名刺交換会はあまり意味がない

弱い紐帯の強さが有効だからと言って、パーティや名刺交換会に行きまくるのは意味がありません。「将来のためにつながっておこう……」みたいな下心があるとなぜかダメなんです。協力者を増やすために、無理につながりを増やす必要はない。

それよりも大切なのは、やっぱり「旗を立てること」です。

なにもしなければ、なにも起こりません。どれだけたくさんの人とつながっていても、そこに旗を立てなければただ「弱い紐帯」があるだけです。

なにかのきっかけで知りあった人と自然体でゆるくつながっておくだけでいい。そしてなにかやりたいことや助けてほしいことがあれば「社会性✕実現可能性✕人間性」の方程式を意識して、旗を立てる。

そうすればどんどんいろんな人と協力できて、大きな成果を出せるようになるんじゃないかなと思います。

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