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食で支えるパートナーシップが出発点 “ファミリー”としてリスペクトし合う18年【前編】


2006年から結んでいる横浜F・マリノスと日清オイリオグループ株式会社(以下日清オイリオ)のパートナーシップ。始まりは、食への取り組みからだった。それから18年。オフィシャルスポンサーからトップパートナーへと歩みを進める中で感じるのは、ファミリーのような一体感とお互いへの強いリスペクト。そして、ファン・サポーターの存在だった。それでも「ユニフォームに名を刻むのは一蓮托生。本当に考えた」と語る覚悟。そして月日を共に過ごしてきたからこそ見えるパートナーシップへの思いとは。日清オイリオ 宣伝広告部長の鈴木裕也氏に、あらためて聞いた。

スタジアム観客席の多くのファン・サポーターは
ほほえみのロゴを背負って熱い声援を送っている

食に対するサポートがスタート地点

“明るいほほえみ”ロゴが、背番号の上で笑っている。

試合に向かう道程で、日産スタジアムで目にする光景に「うちのロゴが入ったユニフォームを着てスタジアムにご来場くださる。かなり熱いものがある」と日清オイリオ 宣伝広告部長の鈴木裕也氏は口元を緩めた。鈴木氏は2008年から横浜F・マリノスとの窓口を担う。その言葉に思いの強さが、見え隠れした。

2017年に横浜F・マリノスのトップパートナーとなり、2021年にはユニフォームの背中にロゴを掲げることとなった日清オイリオ。そのスタートは2006年までに遡る。「スポーツパートナーシップ」という言葉や食用油の重要性も、今ほど広まっていなかった当時。プロスポーツのスポンサーと聞けば、金銭的な支援だと浮かぶ時代に、食をサポートすることから始まった横浜F・マリノスと日清オイリオのパートナーシップ。

だが、日清オイリオは当初から「当社は一緒にお取り組みしていきましょうという考えなので、“共に”の位置づけが一番ふさわしい。賛同して協力する=協賛=パートナーがしっくりとくる」という思いを持っていた。

長い月日が流れる中で、オフィシャルスポンサーからトップパートナーへ。その間、ファン・サポーターにも浸透した名フレーズ「さあ、#揚げてこうぜ」も誕生。しっかりと手を携える日々が続いているように見えるが、それでも「ユニフォームに名を刻むことは一蓮托生。本当に考えました」という。

“共に”過ごして18年。その裏側にある思いとは――。

―2006年、横浜F・マリノスと日清オイリオがオフィシャルスポンサー契約を締結しました。経緯を教えてください。

日清オイリオ 宣伝広告部長 鈴木裕也氏(以下・鈴木氏) 2005年7月に油脂栄養の啓発を目的として、スポーツ振興事業活動を推進することを対外的に発表しました。その活動当初から関わってくださった方が横浜F・マリノスさんの管理栄養士もされていたご縁が発端です。当時、スポーツ栄養という言葉はあっても、選手のパフォーマンスアップのために専門スタッフがいるプロサッカークラブは少ない状況。でも横浜F・マリノスさんは、トップからアカデミーまで食事に対する意識を高く持った取り組みをしていました。そこで当社が、そのサポートをさせていただくことになったんです。

―日清オイリオの本社は東京にあります。なぜ横浜F・マリノスだったのでしょうか。

鈴木氏 食品メーカーとして、お客さまに毎日、安心して食べていただくには「誰が」「どこで」「どうやって」「どんなポリシーで」食を提供しているかを明らかにし、親しみと信頼をいただくべきだと考えています。当社の食用油の主力工場は、横浜市磯子区が所在地です。横浜の皆さまの一員になること。そして「横浜生まれ」であることに誇りを持ち、発信していくことを目指しています。横浜F・マリノスさんとの取り組みはその一つでもありますし、先述のご縁も大きいです。

日清オイリオグループ株式会社 宣伝広告部長 鈴木裕也氏

―プロスポーツクラブとのスポンサーシップ契約です。社内の様子や反応はいかがでしたか。

鈴木氏 一部の社員から「どういう関わりをしているの」と声が上がることはありましたが、当初は、自分ごと化ができる社員は少なかったように思います。社内の協賛認知と共感が一気に高まったのは、やはりトップパートナーを務めさせていただくこととなった2017年以降。横浜に住む社員も多く、ユニフォームに自社ロゴが刻まれていることに、うれしさと誇らしさを感じてくれるようになったと思います。観戦希望者が年々増えている状況で、サッカーをまったく知らなかった社員が、パートナーとなったことをきっかけに横浜F・マリノスの魅力にハマり、いまや家族ぐるみでアウェイまで応援に行くこともあるほどです。

リスペクトが強く存在するファミリーのようなパートナーシップ関係

―契約締結の前後で、横浜F・マリノスやサッカーに対する意識に変化はありましたか。

鈴木氏 選手、監督・スタッフ、クラブ、ファン・サポーター。そして私どもパートナー企業の絆がとても強く、確かなことを実感しています。ファン・サポーターの皆さまは、常に当社への愛を示してくださっている。クラブスタッフの皆さまは、色々なことをすぐに相談できる距離感です。また、食を通して選手たちと接しているので、リスペクトの思いが一方通行ではないことも本当に感じます。それから横浜F・マリノスさんの場合は、パートナー企業同士のつながりが強い。それもうれしいことです。契約前はここまで「お互いのリスペクト」が強く存在する取り組みだとは思っていませんでした。この姿はまさしく「ファミリー」と呼称するに相応しいと思います。契約後に大きくポジティブに印象が変わりました。

―2017年にトップパートナーとなりました。きっかけや経緯を教えてください。

鈴木氏 今だから言えることなのですが…。実はトップパートナーへの提案は、「やりませんか?」というくらいの気軽なノリと言いますか、勢いのある提案だったんです。もちろんこれは、スタッフさんのキャラクターもありますし、それほどフランクにお話ができる信頼関係を築けていたからでもあります。やるからにはしっかりやりたい。世の中に知ってほしいという意味でも、すごく貴重な機会。「トップパートナーになりませんか」と言ってくれることはありがたいことですし、何より数多ある企業の中から当社に期待してくれたことが、とてもうれしかったのをよく覚えています。

―2021年にはロゴがユニフォーム背中へと変わりました。背中のロゴを見たときの思いはいかがでしたか。

鈴木氏 チームが活躍する姿を見て「もっと自社のロゴを輝かせたい!もっとファン・サポーターと近づきたい!」と願ってきました。ご縁があってトップパートナーを務めさせていただき、選手の活躍と重ねて当社のロゴも輝いている。試合会場はもちろん、日常生活でも当社ロゴを背負ってファン・サポーターの皆さまが活動くださっていることは言葉に代えがたい思いです。社員も、そんな皆さまを見て誇らしい気持ちになっているとも思います。そして、このつながりは、仮に当社がピンチになったとき。心から「助けて」という状況に陥ってしまった際に、ユニフォームを着て助けに来てくださる方がきっといるのではないか。そう思えるほどに信頼する絆になっています。

2021年シーズン最初のホームゲーム、3月3日サンフレッチェ広島戦

―スポンサーからパートナーへと変化もしました。

鈴木氏 もともと当社は、「協賛=主旨に“賛”同して、活動に当社なりの側面から“協”力する」という考え方でスポーツ振興活動に取り組んできました。横浜F・マリノスさんとのお取り組みにおいても、同様の考え方で進めてきているのですが、最近は真の意味で「パートナー」関係であることも実感します。

―実感したエピソードを教えてください。

鈴木氏 例えば、選手たち。これまでも食でサポートしてきましたが、近年は「食×運動」の大切さが広く知られるようになり、選手たちも自ら貪欲に学んでいます。パフォーマンスをサポートできるオイルの摂り方など、具体的で積極的な質問も出てくるほどなのですが、影響力のある選手が食事や栄養の大切さを自ら発信してくれるのはとてもありがたいことです。特にSNSなどを見ると、その大きさがわかります。当社が一生懸命やってきた食育。横浜F・マリノスさんの選手たちが発信してくれることで、多くの皆さんがいい影響を受けています。同時に、チームが活躍することで、食の大切さに、より一層の真実味が加わっていく。そんなふうにいい循環が作れていると思いますし、そうした関係性こそ「真のパートナー」なのだと実感しています。

「さあ#揚げてこうぜ」は強く響くポジティブなコトバ

―横浜F・マリノスとのつながりにおいては、「食」でのサポート面も欠かせないとものとなっています。

鈴木氏 食事・栄養サポート活動については、2006年から変わらずに当社の管理栄養士/公認スポーツ栄養士がトップチームの栄養管理アドバイザーと連携しています。また育成カテゴリーの選手や保護者・指導者へ向けた講習会も実施。健全なカラダ作りに必要な知識を啓発することで、しっかり「選んで摂る」チカラを身につけていただければという思いで取り組んでいます。

2014年からスタートした、アカデミー保護者を対象とした食・栄養講習会は
毎年継続して実施されている

―「食」を通じたパートナーシップです。届けていきたい思いはありますか。

鈴木氏 やはり、日清オイリオが提供する食用油は、毎日の食に関わってくるもの。そこに気付きと興味を持ち、健康やおいしさのために「選んで」摂ってほしい。おいしく楽しく賢く食べて、元気に、健康に、ポジティブにエネルギーを使ってほしいという思いがあります。当社はスポーツ用品メーカーではありませんし、選手のカッコ良さと重ね合わせる嗜好品メーカーでもありません。毎日当たり前に食していただくことを目指す食品メーカーです。毎日当たり前にそばにいること。そこに少しでも歓びやポジティブな感動とともに気づきを与えたいな、と。繰り返しますが「食に、食用油に少しでも興味を持ってほしい」。そんな願いが、横浜F・マリノスさんとの取り組みにおいて叶えられている実感がありますし、モチベーションになっています。毎日の食に関わるものだからこそ、「さあ#揚げてこうぜ」の掛け声とともに大きな施策も進めますが、ちょっと気が利いてるねと感じてもらえるような小回りの利く施策も大切にしたいですね。

トップチームが利用する食堂

―「さあ#揚げてこうぜ」のサイト公開などは、そうした思いが伝わるものになっています。

鈴木氏 「さあ#揚げてこうぜ」は、ファン・サポーターとのエンゲージメントをさらに強くしたいと考えて公開した専用サイトでもあります。月に2回、選手にまつわるレシピ紹介や、選手のコメントを発信しているのですが、さまざまな方が関心を持ってくださるサイトになりました。トップアスリートの食事や練習に関する情報は、ファン・サポーターの皆さまをはじめ、サッカー選手を目指す子どもたちや保護者の方々も興味が深いものです。選手の言葉で情報が発信されることで、食とスポーツへの興味・関心を持ってくださる方がもっともっと増えていけばと思っています。


―「さあ#揚げてこうぜ」のフレーズも馴染み深くなりました。どのような思いが込められていますか。

鈴木氏 トップパートナーとして、クラブ、選手、ファン・サポーターの皆さまと目線を合わせて前に向かって進むこと。そして取り組む意志を示す意味でも、掲げるフレーズはファミリーの誰もが発して違和感のないもの。さらに、みんなで発したときに強く響く、ポジティブなコトバにしたいと考えていました。その中で誕生したのが「さあ#揚げてこうぜ」です。「#」にはもちろんSNS活用の意味合いもありますが、「みんなで」と呼びかける想いも込めています。日清オイリオ=「さあ#揚げてこうぜ」というイメージが定着するぐらいのフレーズにしたいと思っていましたから、ファン・サポーターの皆さまが当社を語っていただく際に、このフレーズを使ってくださるのは本当にうれしいことです。また、最近は、応援する側もプレーをする側も一体感を持って使えるフレーズに成長しつつあるのかなとも感じています。

(後編へ続く)



◇追記
8月24日(土)セレッソ大阪戦では日清オイリオの冠試合
「日清オイリオ #揚げてこうぜ 」が開催されました。
当日は多くの方がブースを訪れ、イベントは大盛況でした。
鈴木氏より、国立競技場に足を運び、日清オイリオのイベントに参加、選手へ熱い声援を送り続けたファン・サポーターの皆さんへ深い感謝の気持ちをお伝えしたい、と連絡をいただきました。
こちらにてご紹介いたします。



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