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庵野に"俺の嫁は宇宙一スイング"をかまされて辛かった話

まず最初に。僕は残念ながら当時の旧エヴァを経験してません。伊予はまだ19だから…。中学生の時に金ローか何かで新劇を見てまともにエヴァ知ったくらいなので、25年エヴァを追ってきた人たちとはどうしても感覚が異なると思います。

※ガッツリネタバレあります。あとシン・エヴァに対しての愚痴的な内容です。悪しからず。

一応本題の前に前提となる感想を言うと、確実にすごい映画 です。映像面でのクオリティは非常に高かったし、少し駆け足気味でしたが、ここまで膨れ上がったエヴァという作品を綺麗に、確実に終わらせました。すごい、お見事。これだけ終わらせるのが難しい作品って他ではワンピースくらいしかないと思います。ベクトルちょっと違いますが。(あと155分もあるのに、あんだけ詰め込まれて映画館でどこがオマージュとか色々分かるわけないです。無理。)

ただ上記の感想とは別に、個人的な好き嫌いで言うと、シン・エヴァは正直好きになれなかったです。ファンサもたくさんしてくれてたのに。というのは、タイトルにある通り次の一点が原因です。

安野モヨコが透け過ぎててきつい

好きになれなかった最大の理由にして、本記事のメイン。タイトルでは明るくふざけた感じで書いてますが、割と冗談抜きで辛かったです。そんなこと?って思われたでしょうが、これに尽きます。これを共有したいがために書きました。

まず勝手に断言しちゃいますが、最後にシンジとくっついたマリは庵野秀明の妻、安野モヨコです。マリ以外にも色々とモヨコを匂わせており、言い逃れはできません。元ネタ探しガチ勢であるとかないとか関係なく、見終えてこれを感じた人は多いはずです。

まず今作品でのマリの優遇ぶり、特別扱いぶりは最後にシンジとくっつくことを除いても顕著でした。戦闘シーンでもとにかくマリの活躍が多く、元から全て訳知り顔なキャラも相まって、「真希波マリ、絶対に負けない女」でした。ララ・クロフトとかバイオのアリス(奇しくもミラも監督の妻)を見てる気分。素子の方が近いか?

まあ他にも色々あって、マリってマジ何者なんだって思っていると、ラストでついに答えが出ます。ゲンドウ、カヲル、アスカ、レイと主要キャラそれぞれとシンジが別れを告げていく中、マリとだけは別れを告げることなく実写の宇部市(庵野秀明の出身地)に手を繋いで消えていくのです。

これ、マリ=安野モヨコ以外に考えられますか?要するに、"モヨコは俺をエヴァの呪縛から救い出してくれた、これからはモヨコとエヴァの終わった世界でよろしくやってくよ"としか受け取れないんですよね。マリに関して冬月先生がイスカリオテのマリアとか何とか言ってましたが、そういう設定上でのマリの正体はぶっちゃけもうどうだっていいです。

ちょっと長くなりましたが、ここまで特別で最強に描かれていたマリが、安野モヨコであると透け透けに(少なくともそう感じられるように)描かれてると流石にきついです。きつい以外に言い方が見つかりません。なんかこう、物凄い惚気を見せられたようなきつさ。マジでサムネ画像のシンジくんみたいな顔になりました。この感覚を何とか分かって欲しい。特に僕の場合は、最後の最後にマリ=安野モヨコなんだと分かってしまったために、終わりよければ全て良し の逆が起きました。最後にきっつ…という感覚を残したまま終わったわけです。(さらにそのあとエンドクレジットで安野モヨコの名前を発見して身悶えしました。)

別にマリというキャラが嫌いなわけでも、エヴァが庵野秀明の私小説的な作品であるのが嫌なわけでもないです。もちろん、安野モヨコが嫌いなわけでもないです(漫画の絵柄とか割と好きだし)。マリは、アスカ、レイ、マリの3人ではむしろ一番好きだし、ノリ軽スレンダー眼鏡お姉さんという属性は正直刺さってます。また、エヴァと庵野秀明の人生単位での切っても切り離せない関係を考えれば、エヴァを畳む作品が私小説的になるのは必然です。私小説的な映画になるなら、安野モヨコが作中に何かしらの形で登場するのも必然でしょう。

が、ここまでされると話が別です。俺の嫁は宇宙一スイングならぬ俺の嫁は宇宙一ムービー。もう本当に個人の感覚の話でしかないですが、きついと感じるものはきついです。こんなどうでもいいことで好きになれないの?そう思われるでしょうが、これによって最後の最後にほんとに冷めました。


言いたかったことをほとんど言い終えたのですが 、他にも気になった点や少し残念だった点が。

鈴原妹が撃つ流れ要る?

これも割と気になったというか冷めた点でした。シンジがエヴァに乗ることを再び決心するメチャクチャ熱くて盛り上がるシーンだったのに、この流れのせいで正直台無しになったと思ってます。

現実にはシンジがエヴァに乗ったことで家族を失った者もいるリアルを示す、そのために必要という意見を見ましたが、だとしてもミドリが銃を向けてシンジを止めに来るだけでよくないですか?

ここで急に鈴原妹の愛憎入り混じったドロドロ感情をぶっ込まれてもえぇ…ってなるだけですし、こんだけ重要な場面なのに、同じヴィレである鈴原妹にミサトが庇って撃たれるという展開は安っぽい刑事ドラマみたいで正直イライラしました。旧作での自衛隊から庇って撃たれたのとは訳が違いますし、ここで撃たれたのが致命傷になって後に響いてきたりするわけでもありません。結局、ニアサー被害者の会の感情もやり場のないまま終わります。あと、わざわざ庇わせたりしなくてもミサトのシンジへの愛情はシンジも観客も分かってるので、こんなことしなくても大丈夫です。

ただ、この流れの中で「シンジがエヴァに乗っていなければ、ニアサーの前に人類は滅亡していた」ことをミサトがちゃんとシンジに伝えたのはほんとに良かったです。Qのときからずっとモヤモヤしてたのが晴れました。

地に足つけたエヴァの戦闘が見たかった

これは上の2点ほどの明確な不満点ではないですが、個人的に残念な点ではあったので書きます。

Qの時から既にその傾向はありましたが、シンエヴァでもエヴァは空中戦がほとんどでした。たしかにヴンダーの戦闘シーンはナディアのノーチラス号みたいでテンション上がるし、エヴァの空中戦も映像的なクオリティはめちゃくちゃ高くてカッコいいはカッコいいです。が、なんか違う。覚醒2号機はメチャクチャかっこよかったけど出番は一瞬、初号機VS13号機は一応地上戦っちゃ地上戦だったけど…って感じでこれまたなんか違う。最後の最後にちゃんとしたエヴァの地上戦を見たかったのが本音です。


ほとんどの人が気にならなかったかもしれませんが、以上の2点(+1点)がシン・エヴァを好きになれなかった理由です。我ながら、どうでもいいことを気にする奴ですね。

色々文句を言いましたが、好きか嫌いかは別にして庵野作品のクオリティは間違いないし、ナディアとかトップをねらえとか好きな作品(多分好き嫌いの分かれ目は作品のノリ)も普通にあります。すぐに庵野に文句言ったり、好きじゃないって言ったりするのは、自分でも気づいてないだけで好きの裏返しなのかもしれません。という事で、ブツブツ言いながらもシン・ウルトラマンを楽しみに待ちます。

最後に1つだけ

明らかに締めてしまったあとですが、1つ言わせてください。

シン・エヴァに"エヴァ(オタク)を卒業しろ"という主旨のメッセージは込められてません。

その理由はこちらの記事に書きました。

https://note.com/yesterday_/n/na49f9f27db3b


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