【感想】悪い奴らは何を考えているのか？
『悪いヤツらは何を考えているのか』
（画像元）
“悪いと思って行われる犯罪は存在しないのです”
1ページ目から、痺れるメッセージが書かれていて、
犯罪者の心理について、また動機について、
「なんか分かるなぁ」
と、ゾッとしてしまうような、合理性や感情の機微が伝わってきたら……
……と、期待して読んだのですが、いまいち、そこまで迫る内容ではありませんでした。
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“監視者がいると犯罪が起きにくい”
→それはそうだね
“こんな凶悪犯がいて、その人はこう主張していた”
→犯罪者自身の言葉で書かれていないので、いまいち気持ちが伝わってこない
“暴力を良しとする環境で育った人は、将来暴力を振りやすいという実験結果がある”
→それはそうだね
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こんな感じでした😅
そのなかでもいくつか、興味を持った情報をメモしてみます。
【犯罪の因数分解】
犯罪は、「加害者」だけでは成立しない。
「加害者」「対象（ターゲット
）」「監視者の不在」「場所と時間」が揃うと起こる
【教師•警察官•医者は犯罪者になりやすい?】
ターゲットが身近に存在し、監視者のいない環境も作りやすい
【傍観者効果】
監視者がいても、「目立ちたくない」「誰かがやるだろう」「どうしたらいいかわからない」という場合は被害者が助からない
【割れ窓理論】
「落書き」や「割れた窓」は、管理者の不在を知らせてしまうので、これらのものがある場所では犯罪が起きやすくなる。
【犯罪者は合理的に行動している】
基本的に犯罪者は、犯罪を起こすことで自分に不利があると思えば、犯罪をとどまる。
逆に、
•失うものがない人
•罪を犯してでも目的を達成したい人
•犯罪そのものが快楽な人
はとどまりにくい。
【犯罪には地域性がある】
《大阪》
1番犯罪が多い。経済的格差に対する思い、他人の行動を気にしない気質などが、要因に挙げられる
《愛知県》
東京にも大阪にも逃げられるので盗みが多い
《秋田県》
1番犯罪が少ない。山に囲まれていて逃げられないし、犯罪者が逃げてこない。
外出する人が少ない。
【連続殺人犯】
罪悪感がない
【バラバラ殺人】
性的興奮を得ている場合も多いので、FBIでは性的殺人事件のひとつとして扱っている
【ジム•ジョーンズ】
「ジョーンズタウン」という名のコミューンを作って信者と生活していたが、ある時918人を道連れに集団自殺
【性犯罪者の更生プログラム】
※あまり効果でていない。
頭で分かってても意味がないということ。
【人は更生するのか？】
加害者のうち再犯率は約5割
また、刑務所を出た人の約4割が5年以内に再犯する
【レイプ犯】
レイプ犯の多くは顔見知りを襲う
計画的に犯罪をする
【子供が巻き込まれる犯罪】
2018年の1年間で子供が巻き込まれた事件は1万2947件で、これは過去10年間で最低の数字だが、
SNSの普及により、「児童ポルノ」「強制性交」は増えている
【小児性愛障害の4タイプ】
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【感想】
犯罪は、日常の中で起こるもので、犯罪者自身も元々は普通の人。
なので、ある意味、すべての人が、潜在的な犯罪者なのだという認識をもち、お互いによき監視者になる必要がある。
例えば、「こんな現場に立ち会ったら、どうしたらいいか…」という知識を持つ。
また、
「こういう状態だと、こういう犯罪が起きてしまう（自分が起こしてしまう可能性すらある）」
と思ったら、対策を講じる。
そうして、「犯罪者」を特別扱いするのではなく、
自分たちの監視の目が十分でなかったから、その人が犯罪者になってしまった…
という考え方を持てば、出所後に社会に馴染める可能性も、高くなっていくののではないかと思いました。
まずは、「犯罪者は自分たちと紙一重の存在」ということを、認識するのが大切かもしれません。
つまりこの本のさす『悪い奴ら』とは、私たち自身のことでもある……
ふと思い出した、京アニ放火犯の青葉さんの記事…
彼は、集団殺人者ではありますが、下記の記事の、担当医師の
『誰かが寄り添ってあげていたら、こんなことはしなかったんじゃないか。』
というコメント。
これ（＝見守りあえなかった）が、犯罪の正体かも。
と思いました。
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