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平成最後の夏なんかずっと昔に終わってる

1、

忙しい。
お盆休みなんかなくずっと働いていた。休みになると、趣味のゲーム作りか、ゲームをやるのに時間をあててるので、夏らしいことをしてない。

2、

そもそも、平成の夏なんてものは、ずっと昔に終わっているんじゃないかと思う。
だから、いまさら「平成最後の夏ですが、どうですか?」とマイクを向けられたところで、「いや、普通っすね。仕事ばっかですよ」みたいなつまらない回答をしてしまう。

小さい頃、麦わら帽子をかぶって、自分より背の高いひまわりを見上げて、それが気づいたら、茶色くしおれていって、おっきな頭からぼろぼろと種が落ちてきたときのおどろきと、つまらなさみたいな、それがもう、わたしの中の平成最後の夏だ。かなり前に終わってる。

3、

まあ、とかすかしたことをいいつつも、もっとわざとらしく夏を楽しんでみたいという気もあるんだが、なんだろうなぁ。やっぱり忙しいのか、それとも忙しいということを理由に友人が少ないことを正当化しているか、まあ、どっちもかな。

ともあれ、仕事ばかりしている夏だった。

4、

そういえば、夏といえば、「パスティスのオレンジ割り」を飲む習慣がある。
これは子どものうちにはできない夏の楽しみ方のひとつだ。
パスティスはあんまり日本ではメジャーのお酒ではないけど、Wikipediaから引用すると、次のようなお酒である。

パスティスは元々、ニガヨモギを加えて作る香草系リキュールアブサンの代替品として生み出された。パスティスの名はSe pastiser(似せる、まがい物の意。パスティーシュと同語源)に由来する[1]。スイスでは1907年に、フランスなどでは1915年にアブサンの製造・流通・販売が禁止されたため、1932年にポール・リカールによりアブサンの製法を改良して「リカール(Ricard)」が作られた。その後ペルノー社など、アブサン製造元であった多くのメーカーで製造されるようになり、現在に至る。

簡単にいうと、「アブサン」という幻覚作用のある安い酒があったけど、すごすぎて、色んな人がダメになったり、死んでしまったりしたので禁止され、それを似せて作ったのが「パスティス」ということになる。
幻覚作用はなくなったけど、味はうまい。

味はなんていうんだろうなぁ。おいしくなさそうに言えば「ミントガムを液状にした感じの味」だろうか。
おいしくいうなら「チョコミントアイスをお酒にした感じ」かな。

まあ、スースーするし、香りもきつい。
水割りで飲むのが一般的らしいけど、わたしはたくさん氷をいれて、オレンジジュースで1:7くらいに割って飲むのが好き。

オレンジジュースの甘みと酸味濃くなり、オレンジの渋みと、パスティスの薬草くささがまじりあって、上顎に突き抜けてくるような快感がある。
ちょっと甘いんだけど、パスティス自体がスースーするので、飲み口がよくてぐいぐいいけちゃう。

薬草酒なので、変な酔い方をしないのも良い。もっともこれは体質にもよるだろう。私はワインを飲むと頭が痛くなるけど、パスティスはそうはならない。

そんなわけで、わざとらしく夏を楽しむ人は楽しむといいと思う。それでもない人はパスティスでも飲もう。明日も仕事だ。




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