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写真を撮るということ
被写体を捉える。ファインダーを覗く。シャッターを切る。
この文字列だけを見て考えたら大層退屈に思えるかもしれないが、写真を撮るということは、この文字や言葉が意味するもの以上に深く鮮やかで彩りのある世界なのだ。
高校2年生の頃、その時に好きだった人が一眼レフを買ったのをきっかけに、自身も一眼レフを購入した。
当時はもっと仲良くなりたい、好きになってもらいたいという一心で一眼レフになんてほとんど興味のないまま一眼レフを手にした。
どのボタンを押せばいいのか、何をどうやって調整すればいいのか、何も分からないままとりあえずひたすら外に持ち歩いて写真を撮っていたのを覚えている。
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「それっていいカメラだよね?それで写真撮ってほしい!」
文化祭や体育祭では友達に会う度にこう言われた。
はじめは「かったるいな」なんて心の中で思いながらシャッターを切っていたけど、写る人それぞれに表情の特徴やしぐさがあって撮れば撮るほど「これは面白い!」と思うようになった。
友達の新しい一面をファインダーの中で見つけることが出来て、おまけに喜んでもらえて、「この道具、素敵すぎる!」と感動したのを今でも覚えている。
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文化祭や体育祭を通じて一眼レフの面白さを知った自分は、それまで行事の時にしか持って外に行かなかった一眼を、プライベートでも持ち歩くようになった。
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学校への行き帰りだけで約13,000km走った。
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そんな気持ちを胸に訪れた中華街。
この頃には少しずつ絞り値、F値、シャッタースピードなんかが分かるようになってきて、一気に写真撮ることが面白くなった。一眼レフは自分から外に飛び出すきっかけをくれた。
引っ込み思案で、何に対しても言い訳をしていた自分を変えてくれた。
高校を卒業して、一眼レフを手にするきっかけをくれた人とは離ればなれになってしまったけれど、この時期にはもうそんなことどうでもよかった。
特に目的もないけど、撮りたいから撮りに行く。
コロナで大学に行く機会が少なかったというのもあって、様々なところに足を伸ばした。
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季節外れにやる花火には趣がある(気がする)。
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どんなに小さくてもいつか実を結び花を咲かせる。
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何気ない風景に意味をもたらす映画ってすごい。
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一眼レフを手にして5年経った今、時々なぜ自分が写真を撮るのか考えることがある。
もちろん「好きだから」というのもある。
しかし、それ以上に写真を撮ることに対しての情熱を湧き上がらせるものは「撮らなければいけない」という使命感だ。
「今、この瞬間を写真として収めておかないと、後で後悔することになる」
ずっとこの気持ちが胸の奥底にある。
もちろん、その時にしか体験できないその瞬間の方が写真なんかよりも遥かに大切である。
それでも、写真に収めておきたいと考えるのが写真を撮る者としての性である。
写真は人生という映画のフィルムにおける1コマ1コマを切り取るようなものだ。
どんなにブレている写真でも、何を伝えたいのか分からない写真でも、シャターを切ったということは、何かしらの意味を持って撮ったということになる。
思い出を形に残すことができる。これが写真の、しいては一眼レフの魅力であると感じる。
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誰かがちょうど良い位置に星を並べたのではないかと
思うくらい形が整っていて魅力的。
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並ぶ姿を見て、四季の素晴らしさを実感する。
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この光たちは皆、一体どこへ向かうのだろうか。
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映画のシーンと重ねながら写真を見るのも面白い。
と、まぁこのような形で長くダラダラと書いてきたが、これからも自分自身、一眼レフを通じて様々な感動や見たことがない景色にふれあうことになると思うが、それらのものに対して心が躍るうちは写真を撮り続けようと思う。
そんな気持ちで今日も、明日も、一眼レフを持って外に出る。
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