蛍の乱舞の記憶〜健気ではかない蛍の光
#今日の短歌 「闇の内確かな水の気配せりこれより先は蛍の栖(すみか)」永麗
田舎に住んでいるため、蛍の生息地は近くにあり、毎年蛍の飛翔が地元新聞で話題となる。
地元小学生が蛍の餌になるカワニナを飼育し放流したりして蛍の生息地の保全活動をしている。
その努力も虚しく、最近では蛍の飛翔数は年々減少傾向である。観光客がどこからともなくやって来ては排ガスを撒き散らして行くからか。
当市では蛍の担当課は観光担当ではなく、生涯学習担当なのだが。夜訪れて一銭も落とさずに帰って行く観光客は正直あまり有難い存在ではないので、ホタルまつりも地元民向けにひっそりと行っているのだ。
しかし、ネットで情報を得た若い観光客はぞくぞくと訪れる。結果、せっせと環境を整えてはやるものの、肝心の交尾の頃の環境が最悪となってしまっているのが現状だ。
弄ばれる蛍も気の毒である。
私が小学生の頃、キャンプ場に乱舞していた蛍の美しさは忘れ難い。あれから40年。蛍には棲みにくい世の中になってしまった。
ただ、人の立ち入れない誰も知らない、彼らだけの聖域がある事を信じたい。闇に包まれた彼らの栖を尊重し続けられる人間でありたい。
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