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「茨城県南部」の過去の地震まとめ 【関東有数の多発地域】

【はじめに】
この記事では、「震源:茨城県南部」の過去の地震をまとめていきます。

1.M5以上の中規模地震は年平均1回以上

南関東にお住まいの方は、「震源:茨城県南部」というテレビの字幕を良く見かけるのではないかと思います。まずは、こちらの図をご覧ください。

M5以上という中規模地震は、過去の約100年で、約140回。

マグニチュード5以上のものを「中規模地震」と言うことがありますが、それだけで過去100年あまりで、100回を有に超える回数が観測されています。

単純平均をしただけでも年1回を超える計算となります。ちなみにですが、

関東大震災の後の半世紀は2桁回数。東日本大震災の起きた2010年代は半世紀ぶりの2桁。

10年ごとに集計したデータを抽出して、回数のみに着目しても、少なくとも8~9回、関東大震災後の半世紀や東日本大震災が起きた2010年代には2桁に達しています。単純平均をとっても「年1回程度」は起きてる計算です。

ちなみに、2010年代は、M4以上が101回、M3以上が528回でしたので、M4以上は毎月のように、M3以上は毎週のように起きている計算となります。

2.ただ、決して侮れない

そして油断ならないのは、簡単に「M5以上」などと言っていますが、これを震度に換算すれば最大震度4(or5)クラスであり、数百万人単位で震度3などを感じることとなります。もし起きれば、交通は大混乱となりますし、ライフラインやエレベータに支障が起き、ネットは大騒ぎとなるでしょう。

それに、茨城県南部ではM5以上の地震が年1回平均で起きていますが、

こちらの記事で示したとおり「東京23区」を震源とする地震は、過去100年で有感地震(最大震度1以上)が約100回です。
「東京23区」でのM5以上の地震は、僅か3度のみだと考えれば、いかに「茨城県南部」での地震活動が活発かが分かるかと思います。

3.M6以上の地震の例

ここから具体例を見ていきたいと思います。顕著なM6の事例から参ります。

(1)1921年 M6.8 強震 龍ヶ崎地震

茨城県南部を震源として、ここ100年で最も規模が大きかったのは、1921年(関東大震災の前々年)に起きた「龍ヶ崎地震」でしょう。

震源がやや深かったため、マグニチュードほどの被害は出なかったとされていますが、今もし仮にM6.8の地震が起きれば、影響が広く出ていてもおかしくないかと思います。

(8)1983年 M6.0 中震

1921年からの四半世紀で7回発生した「M6以上の地震」ですが、その後は40年近く発生しませんでした。戦後初めて起きたのが1983年(昭和58年)。水戸、柿岡、宇都宮、銚子、東京、横浜と関東の広い範囲で中震を観測しました。

(9)1985年 M6.0 強震

その2年後に起きた地震は、規模は同じなんですが、少し震源が南に位置していたこともあり、首都・東京で「震度5(強震)」を観測しました。

[NEWS]NC9放送中に震度5の地震 1985/10/4

当時の報道などでも大々的に取り上げられたのですが、1929年以来実に56年ぶりの「震度5」を観測。これは気象庁の「震度データベース」的には唯一の事例です。

この事例を最後に、「茨城県南部」を震源とするM6以上の地震は起きていません。平成以降は起きていないので、平成以降の主な事例を見ていきます。

4.主なM5以上の地震の例

1996/12/21 M5.6 5弱

現在の震度階級になってはじめて「震度5弱」を観測し、平成になって初めてM5.5を超えたのがこの1996年の事例です。ちなみにこの地震では「日光」でも震度5弱を観測していたりもします。

2011/04/16 M5.9 5強

東北地方太平洋沖地震の翌月に起きたM5.9という平成最大の地震では、5強を観測しました。ただし、この地震の翌週に、唯一5強を観測した「鉾田市当間」の観測点は使用が中止されたことがあることを申し添えておきます。

2016/05/16 M5.5 5弱

そして直近での最大震度5弱以上&「M5.5以上」の事例は、2016年に起きたものが最後です。
5年以上起きていませんが、逆に言えば、その間にも年に1~2回ペースでM5以上の地震は起きてますので、やはり「M5以上だけで年平均1回以上」というのは、強ち間違いではなさそうです。

2011~2020年の「M5以上」の地震。この前半世紀に比べると多めな部類。

過去10年でこれだけ多くの地震が起きていることからも明らかな様に、M6以上の地震ならまだしも、M5クラス前半の地震が起きたからといって、極端に「大地震に繋がるんではないか」と杞憂し過ぎずに済むかと思います。


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