「中田敦彦×村上健志」同期対談で学ぶ ~俳句とは~(その1)
【はじめに】
この記事では、2021年6月14日に、「中田敦彦のトーク- NAKATA TALKS」チャンネルにアップされた動画『俳句の才能開花!フルーツポンチ村上健志とコラボ』を通して、「俳句」に関するトークを中心に纏めていきます。
後編(その2)はこちらからどうぞ( ↓ )
1.【誤解】「季語に絡めて上手いことを言う」んじゃない!
NSCの同期(NSC10期生)である「中田敦彦(オリエンタルラジオ)」と「村上健志(フルーツポンチ)」による対談。単純に喋りたいということでスタートした動画は、「最近どう?」な入り口から、『俳句』の話題に。
(7分)
村上「(俳句って)上手いこと言うみたいな感覚だったけど、それをまず捨てる事が出来てから徐々に。俳句とか短歌が狙おうとしている部分が見えてきてから、何を努力すれば良いのか分かった。」
『(偏見や固定観念を捨てて、)狙おうとしている部分が見えてきてから、何を努力すれば良いのか分かった』というのが、自信を持ったからこそ言える発言だなと強く感じました。
(7分20秒)
中田「えっ、その俳句って、季節に絡めて上手いこと言うってイメージ持ってますよね? って今ので、ものすごいど真ん中突かれちゃった感じで、それでしかないってイメージが確かにあったなって思ったんだけど、そうじゃない感覚でどこに投げれば良いの?」
これが「俳句」の話題に本格的に移るポイントだったと思うんですが、俳句に対する誤解(?)というか、川柳とか俳諧味とかがうまく分類できずに、両者の特性を混同している様な感じ、誰しも通ることだなと感じました。
2.【本題】俳句は映像化させることが重要
俳句で努力すべき方向について、まずは村上さんが『映像化』を語ります。
※これについては私も記事を書いていますので、そちらもご参照下さい。
(7分50秒)
村上「(俳句って)自分の主観を詰め込むものじゃなくて、すごく客観的に映像を俳句を詠んでくれた人にも言葉で立体化(再生)させるか(が鍵)」
中田「凄! 主観届けようとしちゃうもんね。」
村上「そう! それが最初のつまづき(一歩目)。」
中田「まずは自分の見た風景を、相手に正確に届けるって作業なんだ。」
村上「そう!!」
短歌ならショートストーリーを描けるけど、俳句では、感情を載せると、「十七音(文字ではない)という小さな器」から情報が溢れてしまう。
ある光景を見て、「俳句を作りたい!」と思う(心が動く)んだけど『どう感じたかを俳句に文字として載せるのではなく、俳句を詠んだ人にも思いが届くような映像を文字で伝えるのが俳句』だという結論に達している様子。
(8分55秒)
村上「(作者が感動した)思いは、詠んだ人が感じてくれれば良い。」
中田「そこは委ねるんだね。ほぉー、凄い。めちゃくちゃ分かりやすい。」
3.【STUDY!】 「机に手紙」+季語
動画内では「SLAM DUNK」の桜木のバッシュが例として取り上げられていましたが、漫画などでは特に効果的にこのアプローチが用いられています。
例えば、「机に手紙」が置いてあるというシーンを取っても、
・学校の机だったら、ほぼ間違いなく10代の子の物語 だし、
(学校で教師がラブレター書いてたら嫌だww)
・『ハートマーク』で封がしてあったらラブレター だろう
(ラブレターじゃなかったら、ドキドキ返せ!ってなるww)
って、手紙や机の特徴だけで語れる部分って沢山ある。ここに、俳句で用いられる「季語」の持つ効果というのは、例えば、学校の窓の外も遠景として描かれていて、
・窓の外で「桜の花びらが散っている」 なら、
卒業~入学シーズンなのかな(この恋は成功したのかな?)とか、
・窓の外で「雨が降って、紫陽花が咲いている」 なら、
何か梅雨時の恋で上手く行っていないのかな? とか。
「机に手紙」という季語以外の要素に、「季節感のあるもの(≒季語)」を『取り合わせ』ることで、火花を起こすのが『俳句』なのだと思うのです。
《 まとめの一文 》
決して、「この手紙はラブレターです。」と説明したり、「雨が降ってて、紫陽花の咲く中の告白でしたが失敗して悲しいです。」とか感情を十七音の小さな器に溢れさせるのではなく、あくまで『描写』に徹し、この手紙の行方はどうなったのかを読み手に委ねるのです。
4.【本紹介】フルーツポンチ村上健志の俳句修行
あっちゃんは知らなかった様ですが、2021年4月1日に発刊された新著の『フルーツポンチ村上健志の俳句修行』は、幅広い層から評判です。
あっちゃんが帯で驚いていましたが、今や歌人「俵万智」さんと対談をするレベルの俳人に、村上健志さんはなっているのです!
書籍に収録されている俳句を通じて、更に「俳句」について学んでいく次回の記事もお楽しみに!
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