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俳句のラジオ番組「夏井いつきの一句一遊」に投句してみた(その2)

はじめに

皆さんどうもこんにちは、Rx(アール・エックス)です。

この記事では、私が「プレバト!!」に感化され、俳句に興味をもって投稿をするようになった、南海放送のラジオ番組『夏井いつきの一句一遊』への参加・俳句採用歴をまとめています。

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もともと、自身の採用歴をまとめるページだったため、詳しい説明は割愛しますが、参考としたいリンク集を下に掲載しておきますので、知りたい方はご参照いただければと思います。

Wikipedia:夏井いつき
Wikipedia:夏井いつきの一句一遊
落書き俳句ノート(有志による過去放送の文字起こし掲示板)
一句一遊 兼題(洒落神戸さんによる兼題解説ページ)

前回「その1」では、初投句から2019年上半期までの9か月間を振り返ってきましたが、今回はその続き、2019年下半期からです。

2019年夏クール

ほぼ本編、月1ペースが続く2019年下半期。
7月は、夏らしい季語「サングラス」での一句。

(15)19/07/17(水)「サングラス」
 降りますのボタンの固さサングラス

ちなみにこの回、半年ぶりに「リクエスト」採用されました。
サングラスから連想して「鈴木雅之」さん。こっそりアニソンを匂わせずに採用させる、そういう技が磨かれて、俳句が疎かにww(?)

続いて8月。こちらは少なくとも夏の季語ではないのですが、「FC今治」とのコラボ企画『サッカー』を兼題に、という週。

(16)19/08/21(水)「サッカー」
 夏芝や故郷のチームカラー濃し

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Jリーグの球団は、地元に立脚してて、チームカラーにも地元の名物・観光名所などを取り入れたものが多い印象があります。
敢えて具体的に描かず、各々の「故郷」や「地元チームのチームカラー」を読み手に想像させ、そこに「夏芝」「濃し」をかけ合わせることで、普遍的な俳句にしようと試みた一句でした。
勿論、具体的に書いた方が良いとの意見が多いから水曜選なのでしょうが、詠みたいものが詠めたという点では良かったと認識しています。

続いて、夏休み明けという9月の兼題「休暇明」の週。

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(17)19/09/02(月)「休暇明」
 休暇明の書棚へ返す五百冊

「へ返す」が良かったのか、「休暇明の書棚」だけだと説明・映像不足だったか、数詞は「五百冊」で良かったのかなど、悩みは尽きませんが、9か月ぶりの月曜採用、しっかりと受け止めたい所です。

そしてこの回では、『週末クイズ句会』を名乗る私が開催した、クイズスレでの「埋め字企画」についても、ふつおたで取り上げて頂きました。

俳句を穴埋めにして、自分なりに考えて文字を埋めるというのが「埋め字」というものだそうで、これは高浜虚子先生の『俳句の作りよう』という著作にも取り上げられている練習方法なので、是非皆さんも仲間内で挑戦してみましょう! 半分、大喜利感覚でやると楽しいかと思いますので。

ちなみにこのクイズ企画のアイディアを得たのが、岸本尚毅先生と夏井組長との共著『「型」で学ぶ はじめての俳句ドリル』です。
↓ ネットでの対談記事も面白いので、ぜひご参照頂ければと思います。

(金曜4・初「天」)秋の山おのずと円き第二火口

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10月に入っての兼題が、ずばり「秋の山」。極めて裾野の広い季語でした。

そんな平凡というか、シンプルで難しい季語の「2019年10月11日金曜日」、事件が起きます。

夏井いつき
「今回相当迷ったんですけれども、静岡のRxの結構な大景(たいけい)を描いた努力作に『天』を差し上げたいと思います。

『天』 秋の山おのずと円き第二火口
 (五・七・五 拍子のジングル)

「秋の山の山装うというそういう色合いの中にポッカリと火口があるわけですね。岩が剥きだしたような硫黄の臭いもするようなそんな火口でしょう。『おのずと』というところがまあ、評価が分かれるところではあるんですけれども、噴火のそのまんまの形が丸になっているというそんな描写だと解釈をいたしました。第二火口ですから近くに当然おのずと丸き第一火口もあるかな?とか、第一火口は丸じゃなくちょっとひずんだ形なのかな?とか、そんなことも思いました。そういう剥きだした岩肌火口を描くことで、逆に秋の山の豊かさ美しさ色彩が見えてくるのではないかと思うわけです。」

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このように、夏井組長からお褒めの言葉を頂きました。
本人としては、まさか『天』を取るとは全く予想だにしていなかったので、そんなに良い句なのかと自分でも思ってしまう程に半信半疑でしたが……、

文字にして二百数十文字、音にして1分あまりの夏井組長の解説を受けて、ここまで読んで頂けるものかと感動するとともに、私の句の良さを十二分に言語化していただくことで、良さを再認識することが出来ました。

実はこの句のベースになった知識というか、エピソードとしてはですね、YouTube「QuizKnock(クイズノック)」での『噴火口は自然の摂理として丸くなる』という話題が下地にあったんだなと後から振り返って思いました。

自分の経験談でなくとも、知識として得た情報、特に科学的な視点を、俳句としてアウトプットできたことは、作句のバリエーションにも繋がるので、「クイズ」をやってきて、「勉強」してきて良かったなとも感じましたね。感謝してもしきれませんww

2019年秋クール

続く11月、「天」を取った後だからこそ重要……だったんですが、そう簡単にポンポン高評価の句を生み出せるはずもなく、ボツ続き。
そんな中で、初めて採用された番組がありまして。毎週木曜日の20時半から放送の「家藤正人の『一句一遊』虎の巻」という番組です。

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(19)19/11/07(虎)「雪迎え」
 雪迎へそこここ東洋のアルカディア

この番組は、2019年8月にスタートした一句一遊の姉妹番組でして、投句が増えて紹介しきれなくなった「お便り」や「火曜日(凡人)クラス」の俳句を紹介していくコンセプトの番組です。
有り体に言えば、「本編ボツ」になった視聴者の俳句の救済的な立ち位置ですね。だから、この句も「水曜日(才能アリ)」まであと一歩という所だったのだろうと思います。

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「東洋のアルカディア」というのは、山形県は米沢盆地(置賜盆地)のことの異名で、明治期の女性探検家イザベラ・バードが評した表現です。

「雪迎え」というのが、日本海側のこの地域で言い伝えられている季語だというところから着想した俳句だった訳ですが、なんと偶然にも「イザベラ・バード」について、家藤正人さんが(漫画で)ご存知だったという縁もあり救済していただく運びとなりました。

同じく11月、虎の巻での2週連続採用(19/11/14はふつおた救済)からの、3週連続採用となった本編「水曜日」選の一句。

(20)19/11/20(水)「雑炊」
 蝦夷土産の木匙いっぱい鱈雑炊

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食べ物の句は「美味しそう」に描く。 この言葉を番組で聞いて、なんとか「雑炊」を美味しそうに描こうと努力した一句。
まあ、ギリギリ才能アリに届くかどうかの水曜日クラスでした。

2019年の最後、12月のクリスマスイブに読まれたのが、この一句。

(21)19/12/24(火)「ヤッケ」
 小屋に干すヤッケ赤、青、近づけて

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「天」を読まれた2019年下半期でしたが、なんかこう、月が進むにつれ、徐々に読まれるのが週の前半になっていくあたりで、「悲しさ」というか、焦りみたいなものが芽生え始めた、そんな2019年年末でした。

おわりに

2018年9月に俳句を初めて作って、1年3か月での結果がこちら。

2018年下半期:採用6回、金曜0回
2019年上半期:採用8回、金曜3回
2019年下半期:採用7回、金曜1回、天1回
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       採用21回、金曜4回、天1回

投句をはじめて、1年ちょっとで、偶然とはいえ「天」を獲得できました。ただ、投句1年で「天(最優秀句)」を取れる方は、決して多くないという事実もありますので、『いつか』という目標に据え、自分の句作に邁進していくことが結果的には良いのかなと思います。

《 宣伝 》
私がここまで紹介してきた南海放送のラジオ番組『夏井いつきの一句一遊』は、「兼題」に沿った俳句なら、誰でも投句可能です!
リスナーの方のページに要項などが良く纏まっているので、そちらのリンクを貼らせて頂きます。興味をもった方は、ぜひ投句を!

では、次回、またお会いしましょう! ではまたっ


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