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投稿小説を自分で書籍化した話①~そもそもやってもいいのか?~

昨年(2020年)から、投稿小説を書いています。
現在は専ら成人向けかつ暴力がちなBL小説ばかりですが、ご同好の士はぜひ。
内容は↓こちらから↓

その、投稿した小説を一冊の本にまとめてみることにしました。
なんで? というと、やってみたかったから…ということですが、その(割と些細な)動機はまた別の機会に。

タイトルにも書いていますが、そもそも、広く門戸を開かれているとはいえ、様々な規約のある投稿小説サイト様に拙作を置かせていただいているので、お預けしたものを勝手に販売してもいいのだろうかという疑問がまず湧きました。
あれこれ検索してみたのですが、どうにも決め手に欠く気がしたので、規約を読んでも明確でないことは、サイト様に問い合わせてみました。

※私が利用している3つのサイト「アルファポリス」「ムーンライトノベルズ(小説家になろうの成人女性向け)」「エブリスタ」のお話ですので、その他のサイト様での決め事は分かりかねます。
※また、記事に書かれている記述は抜粋ですので、書籍化をお考えの方は必ずご自分で全文をご確認ください。

1、「アルファポリス」様での自費出版(同人誌等)についての扱い

こちらは規約に明記されていました。

"2017年7月31日 追記"と書かれている行から下の記述です。
「どこの出版社も経由しない自費による同人誌での発表は、出版権はご本人が持っていると判断されますので、この場合は商業目的には該当しないものとお考えください。」
とあります。
今回の目的ズバリの内容ですので、問い合わせる必要はありませんでした。

2、「ムーンライトノベルズ」様での自費出版(同人誌等)についての扱い

…規約やガイドラインがたくさんあってですね…しかも利用者が多いので、検索すると色々な話が出てきてですね…正直大変だったので、もう引き下げようかと思ったほどでした…(面倒臭がり)

しかし気を取り直し、よくよく調べてみました。

ガイドライン:書籍化に関して
https://syosetu.com/site/syoseki/
読んでいただければ分かると思うのですが、「出版社から書籍化の打診を受けた場合」と「書籍化後の宣伝について」の記述なんですね。
出版社を通さず自分で本にまとめてもいいかどうかは判断しづらいです。

マニュアル:小説削除について
https://syosetu.com/man/noveldelete/
この文中に「・自費出版あるいは各出版社などで有料で小説を販売する場合(同人誌含)」は小説を削除してもよいと書かれています。
これだけ読むと、つまり、有料で小説を販売する場合は削除する方がいいの?とも、取れるのですが。
そうではなく、この項目は「投稿した小説はできるだけ削除しないでください」という文章で、その中に「ただし、例外として次の場合は削除してもいいです」というニュアンスなのです。

多分、普通はこれが取り決めに当たるだろうという部分は、小説家になろう 利用規約 第18条の1.が該当するはずです。
https://syosetu.com/site/rule/
「本サービスを利用して投稿されたテキスト等の情報の権利(著作権および著作者人格権等の周辺権利)は、創作したユーザに帰属します。」
多分、普通はこの書き方であれば、出版権が含まれるはず。
あああ~~~~~多分、普通は、はずばっかりで埒が明かねえな!!

ということで、勇気を出して(コミュ障なので)問い合わせてみました。
内容は、ほぼ上の通り、ガイドラインと規約にはこう書かれていますが、自分で本にまとめて販売してもいいですか?という、そのままの内容。

で、翌日には返答をいただきました。はええ。
返答の内容としては

・指摘の通り、投稿作品の各権利は作者に帰属する
・よって、自分の作品を自費出版することについては、その形式を問わず運営側からは原則として制限を行うことはない
・ただし、小説家になろうグループにて掲載する作品は、サイト掲載分にて完結することを前提としている
・出版に伴い掲載された作品内容が部分的に削除される等、書籍を購入しないと内容が理解できない状態であると判断された際には、
小説家になろうの商業利用に相当するものとして、運営側にて対応を実施している

つまり、「作品に関する権利は書いた作者にあるので、運営側では制限してない」が「投稿作品はサイトに載せた分で完結してないとダメ」(続きは書籍で!とか、このトリックの謎は書籍を読むと分かる!みたいなのは不可)ってことですね。
なんでなのかというと、恐らく(?)、小説家になろうの存在目的は、そこで小説を投稿できる、また読めることであって、販売している小説の宣伝を手伝うことではないから。
ではないですかね。筋が通っているなあと思いました。

加えて、「目を通してくださっているのに恐縮ですが」とわざわざ前置きを置いてまで、注意されたことがあります。
書籍販売後の宣伝について、禁止ではないけれど、細かい決め事がありますよ。とのこと。
https://syosetu.com/site/syoseki/#link3
今回の記事に直接該当はしないので抜粋しませんが、色々検索した限り、このことを大事にしておられるようです。
書籍化をお考えの方はぜひ一緒によく把握しましょう。

3、「エブリスタ」様での自費出版(同人誌等)についての扱い

エブリスタさんも大体同じパターンでした。

投稿作品の著作権について

「エブリスタでは、投稿いただいた作品の著作権、その他の権利はクリエイター本人に帰属しています。」の部分ですね。

こちらでも問合せをしてみました。同じく翌日には返信が。

・認識の通り、著作権は作者に帰属するため、自費出版・同人誌化をおこなうことや、販売をおこなうことについては問題ない

とのこと。
エブリスタさんからの「ただし」については、

・該当の作品をエブリスタ内のコンテストに応募する場合には、上記の限りではない場合があるため、都度各コンテストの応募要項・注意事項ページを確認して欲しい
・該当作品について、エブリスタから書籍収録の打診がきた際には、「自費出版・同人誌として販売している」旨を申し出て欲しい
・自費出版・同人誌として販売していることが理由で書籍に収録できないということはないが、当該の自費出版・同人誌の販売をどうするか個別に相談する必要がある

ということでした。
エブリスタさんはいっぱいコンテストがあるんですよねー。活気があってとても好き。(エロBL小説は大抵のコンテストに該当しないんですけども)

さて。
というわけで、各サイト様に投稿している小説をそのまま残しておいて、本として販売してもいいという結論が出ました。
いよいよ実際の準備に取り掛かります。

で。実際に販売している本がこちら。
あの、最初にもお話したのでアレですけども、暴力的かつ成人向けの表現が満載のBLですので、タグなどで地雷がないかよくチェックしてからぜひ…
注意書きが長い!かなしい!

不定期更新となりますが、実際に本を作った過程も書いていきたいと思います。

次回は、投稿小説のテキストを印刷用に校正したお話です。




おひねりをいただいたら執筆のためのおやつを買います。サラミとかチーかまとか。