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ひたすら自分を鍛え続けるゲーム「Melvor Idle」


1. Melvor Idleとは

このゲームを一言で言うならMMOライクなスキル制放置ゲームである。

wiki曰く約3年のアルファ版ベータ版を経て、今月の19日に正式版となる1.0がリリースされ、Steamでも「話題の新作」入りしているMelvor Idle。

下に貼ったリンクでは下3つのブラウザ版・iOS版・泥版がそれぞれ一部の機能が制限されているものの無料で遊ぶことができ、一番上のSteam版を買うことでアカウントを連携させることでどのクライアントでも完全版をプレイすることができる。

機能制限版でもかなりのボリュームがプレイできるので是非触ってみてもらいたい。

一言で放置ゲームといっても色々あるが、このゲームでは「採掘」「鍛冶」「釣り」「料理」など計16個の非戦闘スキル「(近距離)攻撃」「防御」「HP」「魔法」など計8個の戦闘スキルが存在して、それらに対応する行動をクリックで選択することでキャラクターが自動的にそれを行い続ける。

そうして、各スキルに対応する採集・生産や戦闘をすることでそれに見合った成果が得られて、スキルも成長していく。

タイトルにもあるように、このゲームではひたすらスキルを成長させたり、戦闘や生産など目的に応じた装備や消費アイテムを求めてMOBを狩ったり生産したりと、自分のキャラクターをどんどん強くしていくことが主軸となる。

採掘

たとえば「採掘」では、掘りたい鉱石の鉱床を選ぶことでひたすらその鉱石を掘り続ける。

別のスキルを使ったり別の鉱床を掘ろうとしないかぎり、画像にある鉄の鉱床であれば0.85秒ごと(初期状態では3.0秒ごと)に鉄の鉱石が手に入る。

これはゲームを終了したオフライン状態でも続いていて、次に起動すると最大で18時間分の成果が一気に手に入る。

鍛冶_鉄ののべ棒

そうして得られた鉱石を「鍛冶」で鉄ののべ棒に加工する。これも材料がある限りはオフライン状態でも続けられる。

鍛冶_鉄のヘルメット

さらに鉄ののべ棒を「鍛冶」で鉄の武器や防具に加工したり、「鍛冶」で鉄の矢じりにして「飛び道具」で鉄の矢にしたりする。

戦闘_装備

そうして作ったアイテムを装備して、

戦闘_黒龍

「戦闘」で敵を倒しに行く。こうした戦闘においても食事による回復や戦利品の回収、新しい敵の探索含めフルオートで行われるので、オフライン状態で何時間もぶっ続けで戦わせ続けることもできる。

しかし、初期状態では食事による回復は手動でする必要があり、戦利品の回収もそれを可能とするアクセサリーを装着していなければ戦利品が回収されないまま溢れ続けて一定個数以上はそのまま消失してしまう。

そのため、最初のうちはオフライン状態での戦闘を無効化(初期設定でも無効化されている)して、自動で行われる攻撃や防御を眺めながら回復アイテムを手動で使ったり戦利品の一括回収ボタンを押したりするほうが安全だろう。


2. 鍛えあげられたキャラクター(戦闘・非戦闘)

ここまでに何回か触れた、自分のキャラクターをどんどん強くするという概念。

戦闘_装備2

戦闘における装備が一番分かりやすい。

そこら辺の鉄で作った装備よりも、かつて力を合わせて世界を創造したが人々をどう導くかで仲違いしたために人類を巻き込んだ戦争を起こして封印されていた四柱の神が再び戦争を起こすための拠点として創造した四つのダンジョンのそれぞれ最奥部にいる神を倒して入手する装備のほうが強いのは道理だろう。ちなみに、四神のこの封印を解いたのは宝物目当ての主人公である。

命中率や与ダメージが高いほどダンジョンの周回速度が速くなり矢弾やルーンの消費が抑えられ、回避率が高いほど回復アイテムの消費を抑えられ、体力やダメージ軽減率が高いほど(詳しい説明は後述)自動周回できるダンジョンも増える。

非戦闘スキルで基本的な装備を揃えて、長時間の放置にも耐えられるだけの大量の消費アイテムを蓄えて、実戦で戦闘スキルを鍛えて武器や防具の装備制限を解禁して、通常戦闘・勇者エリア(翻訳前はSlayer Area)・ダンジョンで素材レアドロップ・○○の欠片を集めては装備を更新し、さらなる難関ダンジョンへと潜っていく。

その一方で、非戦闘スキルにおいても自分キャラクターのスキル・装備・消費アイテムによってかなりの恩恵が得られる。

飛び道具_龍の投げ槍

たとえばこちらの「龍の投げ槍」という遠距離戦闘に使用する消費アイテムの1つ。

必要な素材を揃えるためには採掘・鍛冶・伐採の3種類のスキルを駆使する必要があり、初期状態では2秒毎に5本の投げ槍を作ることができる。

しかし、画像にある筆者のキャラであれば

・必要時間……「大気の神のダンジョン」を踏破したことによる報酬で-15%、飛び道具の製作時に確率で入手できるペットの効果で-0.2秒、「飛び道具」マスタリーの効果で-0.2秒
・製作時に素材が消費されない確率…「ラエリックスの王冠」によって+25%、「龍の投げ槍」マスタリーの効果で+25%、使い魔「クマ」のチャージを消費して+5%、「素早さ」によるパッシブ効果で+10%
・「飛び道具」マスタリーの効果で完成品の数が+1
・完成品が2倍になる確率……「アオーフィアットの印章指輪」によって+10%、「星占い」によるパッシブ効果で+5%、「飛び道具熟練ポーションIV」のチャージを消費して+25%、「素早さ」によるパッシブ効果で+5%
・「飛び道具」のスキルレベルを99にしたことで入手できる「飛び道具のスキルマント」によって上の確率判定とは別で完成品の数が2倍

と多種多様なボーナスが加わっている。

結果として時間効率では4.4倍、素材効率では7.3倍ととんでもない効率で投げ槍を作るマシーンと化している。

さらにはこれらの素材を集める途中段階の採掘・鍛冶・伐採でも同様に効率が高くなっていて、素材となるのべ棒作りに鍛冶ではなく魔法を用いるとより効率が高まる。宇宙。


3. Melvor Idleの魅力

このゲームには、正式版1.0時点で計24個の多種多様なスキルが存在していて、互いに深い相互作用をもたらしている。

1.に書いた採掘からの鍛冶で近距離戦闘用の装備を揃えるだけでなく、農業や釣りで集めた素材を料理によって回復アイテムにしたり、伐採と採掘で得られる木材と金属を組み合わせて"飛び道具"でクロスボウを作ったり、採掘でまれに得られる宝石でクロスボウ用のボルトを作ったり。

他スキルにボーナスを与えるためのスキルとして、計10個のスロットそれぞれに与えられた選択肢から自分が選んだパッシブ効果を付与できる「素早さ」、行動毎にチャージを消費してボーナスを付与する消費アイテムを作成する「調合」や「召喚」、さらに正式版ではお目当てのパッシブが揃うまでひたすらガチャを回し続けるという虚無感に苛まれそうな「星占い」というスキルも追加された。

正直なところ、最初のうちは非戦闘スキルで採集・生産できるアイテムの幅が狭く、戦闘でもかなり地味な光景を眺めながらひたすら回復するだけになる。

しばらくの間は頻繁にスキルレベルが上がってできることの幅もどんどん増えるのでそれに応じて採集・生産するアイテムを変えることになり、放置ゲームというには手がかかると思われるかもしれない。

しかし、そのうちスキルレベルを上げるのに時間がかかったり、大量の金がほしくなったり、戦闘でレアドロップを狙ったり戦闘スキルを上げたりするための長時間戦闘をしたくなってくる。

そうなった時、たとえば寝ている間に鉱石を掘らせて、朝になったら夜通し掘り続けた鉱石でのべ棒を作らせて、昼になったら大量ののべ棒で大量のボディアーマーを作らせて、と時間をかけて何十K、何百Kのアイテムを扱うことになる。

飛び道具_龍の投げ槍

次に起動した時にこれらのアイテムがスキルレベル上げのために消えたり金庫から売却されて金になるのを見るだけでも楽しいが、ここで"製作時に素材が消費されない確率"が高まっているがために一夜が明けてもまだまだ生産活動が続けられるだけの素材が残っていたりするとめちゃくちゃ興奮する


ここまで非戦闘スキルについて書いたが、もちろん戦闘においても同様の楽しみはある。

レアドロップや欠片を集める長時間戦闘のために大量の回復アイテムを集めたり、遠距離や魔法を戦闘手段にするなら矢弾やルーンを集めたり。

とはいっても長時間のオフライン戦闘をさせたところで、そうした長時間戦闘を前提としたゲームデザインなのでレアドロップが落ちなかったり必要数の欠片が集まらないこともザラだが。

それだけでなく、戦闘では特定の難関を超えるための準備を整えるのにも楽しみがある。

このゲームでは一度難関を超えさえすれば楽になるということがあまりなく、張り付いて潜るにはダンジョンの所要時間も長いので、基本的には最初の攻略時点で自動周回を狙うことになるだろう。

そうした時の焦点となるのが、回復アイテムの自動使用と相手の与ダメージとのバランスである。

回復アイテムの自動使用自体は、何らかの金策手段を確立して大金を払いさえすればすぐに使えるようになる。

しかし、回復アイテムを使ってくれるタイミングは自分の体力が一定割合を下回った場合のみである。そのため、仮にその閾値よりも相手の与ダメージが高ければ回復する間もなくワンパンされる可能性がある。

その対策として、体力を決定するスキル「HP」を上げるのは勿論だが、装備を更新してダメージ軽減率を上げて相手の与ダメージを下げることが重要となる。

序盤の通常戦闘・勇者エリアであれば防具が整っていなくても回復アイテムの消費が激しくなる程度だが、中盤のダンジョンからはこれが重要になってくる。

ゲーム進行上で必ず挑まなければならない「火山の洞窟」というダンジョンでは、HPスキルが82以上で防御スキルが60あれば自作できる最強の装備+αを着けて近距離戦闘で突撃すれば自動周回できる。

しかし、次に挑むことになる「大気の神のダンジョン」に同様の装備を着ていこうとすると、HPが1110も必要になるためHPスキルだけで得られる990では到底及ばない。

じゃあどうするかと言うと、その前に挑んだ「火山の洞窟」のクリア報酬で入手できる「貴族の宝箱」からより強力な近距離用防具を集めることになる。ちなみに限定装備一式には入手確率0.41%が2つと0.28%が2つ含まれている。

これは1つの宝箱に複数の抽選枠があって1つの抽選枠から出てくる確率とかではなく、1つの宝箱から出てくるアイテムは1種類しかなくそこから出てくる確率を指している。

入手した装備をさらに強化したりして「大気の神のダンジョン」を超えると次は「水の神のダンジョン」に挑むことになり、この際にもやはり前のダンジョンで拾える装備に更新することになる。

ただし、その際に更新すべきなのはこれまで鍛えてきた近距離戦闘ではなく遠距離戦闘となる。

というのも近距離戦闘は「水の神のダンジョン」と相性が悪いためダメージ軽減率が半減される。仮に近距離戦闘で回るならHPが990あったとしてもダメージ軽減率が82%というエンドコンテンツでも不必要だろう数値が求められる。

そのため、これまでに鍛えた攻撃・力・防御スキルを捨ててでも、遠距離戦闘を鍛えることになるのだ。察した方がいるかもしれないが、次のダンジョンでは遠距離スキルを捨てて魔法を鍛えることになる。

こうして中盤以降の戦闘では多種多様なスキル(戦闘・非戦闘問わず)を鍛えつつ、レアドロップを狙うために大量の消費アイテムを抱えてダンジョンに潜り続けることになる。

そうしているうちになんやかんやでキャラクターのスキルが全体的に鍛えられ、めちゃくちゃ強くなった感が得られるのだ。


4. 筆者のプレイ状況

筆者がこのゲームを触り始めたのは今年の6月のことだった。

これまでに24スキル中16スキルは99まで上げたが、残りの8スキルはまだ上げきれていない。

各種非戦闘スキルで個別のアイテムを作り続けるマスタリーに至っては未だ全体の3割にも満たない。

戦闘方面でもエンドコンテンツにはまだ到達できていない。というか正式版で全スキル99にしないと挑めないコンテンツが増えたのでさらに道が遠ざかった。

ここ数日は金策として「龍の投げ槍」の大量生産・売却にあたって、素材をひたすら集めたり、効率を高めるためのポーションや使い魔の製作に集中していた。

今は記事を書きながら実際の生産を始めたところだ。しかし、投げ槍の矢じりに対して木があまりにも不足しているので、それに見合う量の木をたぶん5~6日かけて集めることになるだろう

まだまだこのゲームを極めるには道が長い。改めてそう思った。

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