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熱狂を地域に伝染させる、ブラボーな地域通貨 #東北地方編

ブラボー。YELLTRON広報担当のスズキです。ワールドカップ・スペイン戦観ましたか?堂安選手のミドルシュート、ライン1mmに掛けた三苫選手の左足、その諦めない姿勢には深い感銘を受けました。とはいえ、目標はベスト8進出。勢いこのまま「新たな景色」をぜひとも見せてほしい!!

☝弊社ボスの反応

さて、興奮冷めやらぬ中noteを更新するべく朝方からPCをカタカタしております。再開後4投稿目となる今回は、前回に引き続き日本に存在するユニークな地域通貨を地方ごとに紹介していくシリーズ企画をお届けします!今回は東北編です。

東北民のあなたにはもちろん、地域通貨について知りたい方、地域通貨をお探しの方、東北旅行を考えている方にもお得な情報となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。


地域通貨とは何か

地域通貨とは、特定のコミュニティや地域で使えるお金、通貨のことであり、日本にはおおよそ650種類(※自社調べ)の地域通貨が存在します。

通常の法定通貨(日本円や米ドル等)と異なり、地域通貨は「人の感情に訴求する性格を有する」つまり「人や地域を支えたい」といった経済外活動を内包した通貨であるのが特徴です。

以前の投稿では「3分でわかる!デジタル地域通貨」と題し、地域通貨とは何か?について説明しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。


東北地方でかつて稼働していた地域通貨

宮城県塩竈市竈コイン

かつて宮城県塩竈市には、市内の飲食店やお土産物屋でのみ利用できる地域通貨が存在しました。 竈コインの発行主体は観光による地域づくりを担う地元のDMO、官民連携組織「仙台・松島復興観光拠点都市圏DMO(観光地域づくり推進法人)」の事業運営主体「インアウトバウンド仙台・松島」(仙台市)。地域の中でマネーを使うことで、地域に貢献、塩竈市の発展を目指しました。

竈コインは最大の特徴は、Suicaにも戻せるQRコード決済システムです。スマホ一つでお食事やお買い物を楽しめることは地域通貨の便利な側面ですが、余ってしまった残高は困りもの。竈コインなら、旅行後の残高をSuicaにチャージすることができました。

※実証実験の期間満了に伴い、竈コインは2021年3月をもってサービスを終了しています


最新の東北地方の地域通貨事情について

ここからは東北地方で稼働しているもしくは構想段階にあるデジタル地域通貨をいくつか紹介していきます。

山形県山形市の地域通貨「ベニpay」

~山形市プレミアム付商品券事業における山形市地域活性化プレミアム付電子商品券~

発行年月日:2022年
加盟店リストhttps://yamagata-premium.com/benipay2nd.html
利用可能エリア:山形市内全域の加盟店
公式サイトhttps://yamagata-premium.com/benipay2nd.html

コロナ禍で落ち込む消費の喚起を図るため、山形市が発行したのがプレミアム付き電子商品券・ベニpayです。

今年の3月に各店舗での利用が始まり、べにPay第1弾ではプレミアム率50%で幅広い業種が対象になることから、受付期限内に上限の約9割の申し込みがありました。

参画企業は、株式会社きらやか銀行の支援のもと、まちのわ及びきらやか銀行、並びに地元事業者である株式会社ハイスタッフ、他1社と共同体を結成して運用されており、ポストコロナ社会に適応した形で地域経済の活性化・利用者の利便性向上を目指しています。

また、本情報プラットフォームは、SBI R3 Japan株式会社が販売する「Corda Enterprise」ブロックチェーン分散台帳プラットフォームを使用し、安全で拡張性に優れた決済基盤上で運用されています。

このようにブロックチェーン/分散台帳技術を活用し、地域通貨や商品券を電子的に発行することで、利用者は申込から購入(チャージ)、決済までの一連の手続きなどをスマートフォンのアプリ上で行うことが可能です。

従来の紙券による発行と比べて、自治体、商工会議所等の商品券発行や加盟店での精算に必要な手続きが効率化できるほか、申込受付場所の混雑防止などポストコロナ社会に適応した形で地域経済の活性化および利用者の利便性向上を実現します


岩手県盛岡市 「MORIO-Jカード」

~盛岡市内の施設やイベント、コミュニティ活動等でもポイントが貯められて使えるカード~

発行年月日: 2015年
加盟店リスト加盟店一覧 ※2022年11月時点で加盟店数は122店舗
利用可能エリア: 盛岡市内の加盟店
公式サイトhttp://morio-j.com/mp/about_morio-j_card/?sid=19

「MORIO-Jカード(モーリオ-ジェイカード)」は、盛岡商工会議所と地元商店街の協力のもと立ち上げた会社「盛岡Value City」が流通大手イオンとの提携を通じ、「地域で貯めて・使える・地域を元気にするカード」をスローガンに発行した地域共通電子マネーです。

「MORIO-Jカード」は、消費者の利便性を考慮し、電子マネー業界の大手の1つであるイオンと提携。MORIO-Jポイントはイオン等で付与・利用ができない、加盟店の利用状況などの情報も提供しないという条件によってMORIO-Jカードの機能の1つにWAONが搭載されました。

利用者は加盟店での買い物100円につき1ポイントが貯まり、貯まったポイントは1ポイント=1円として買い物に利用ができます。
そしてMORIO-Jカードの最大の特徴は、イベントとの連携やコミュニティ活動でもポイントを貯められ、使えるという点です。
例としては、盛岡市が事務局となっている「映画の街盛岡」推進事業実行委員会の事業の1つに「素敵なまちの映画会」への協力が挙げられます。
2022年5月~7月の映画会来場者にMORIO-Jカード(すでにカードを持っている人には300ポイント)をプレゼントし、カード代金(またはポイント手数料)は実行委員会負担で、盛岡Value Cityでは端末の貸出、操作支援を行いました。

また今年の6月15日からは、新たに岩手県北バスのICカード「iGUCA」のポイントに交換し、運賃の支払いが可能に。

あくまで盛岡Value Cityは「MORIO-J」を『ポータルサイトと連携した新地域カードシステム事業』と位置付けています。
今後も生活や観光情報等、盛岡地域の各種情報をワンストップで提供するポータルサイト事業と「MORIO-Jカード」を軸に、地域循環型の経済を目指していく予定です。


山形県三川町の地域通貨「菜のCa」

発行年月日:2022年
加盟店リストhttps://mikawagis.maps.arcgis.com/apps/webappviewer/index.html?id=f2f4d5cd32dd4c5baed09266f4cdd77a
利用可能エリア:三川町全域の加盟店
公式サイトhttps://www.town.mikawa.yamagata.jp/business/shoukou/shien/r4nanoca.html

菜のCa(以下、「ナノカ」)は、三川町が発行し、加盟店で使用できる通貨(紙幣)です。三川町の方だけでなく、町外の方も交付の対象としています。

町の花・菜の花と「Cash(お金)」を組み合わせて名付けた紙幣タイプの地域通貨で、県内初、全国でも珍しい取り組みです。1ナノカは1円の価値があり、飲食店が500円以上の代金に200ナノカ、小売り・サービス業は1500円以上で500ナノカ、建設業が5000円以上で1500ナノカを交付。具体的な交付は、各店舗の裁量で判断でき、現金との交換はできず、ナノカだけの支払いにはお釣りは出ません。

2021年には加盟店が消費者にナノカを配布していましたが、配布が早期に終了してしまったため、今年度からはナノカを長期間にわたって地域に滞留させることを目的に、スタンプカードを活用した以下のような配布方法を取っています。

  1. 加盟店で買い物等をしてスタンプカードをもらう

  2. 加盟店で基準額以上の買い物等をしてスタンプを5個ためる

  3. スタンプが5個たまったら交換店で500ナノカ1枚と交換する


福島県磐梯町のデジタル地域通貨「ばんだいコイン」

発行年月日:2022年
加盟店リスト加盟店一覧(令和4年7月15日現在) [PDFファイル/82KB]
利用可能エリア:磐梯町内の加盟店舗
公式サイトhttps://www.town.bandai.fukushima.jp/soshiki/dx/bandai-coin.html

福島県磐梯町は、2022年7月22日に県内初となる地域デジタル通貨「ばんだいコイン」の運用を開始しました。
「ばんだいコイン」は磐梯町内の加盟店舗でのみ利用可能なデジタル通貨で、1コインを1円相当として利用でき、チャージ金額に対して10%のポイントが付与されます。

ばんだいコインという名称やデザインは、愛着をもって使用されるように、住民参加型で決定しています。町民だけではなく、町外の方も利用可能としており、導入初年度となる2022年は実証事業としての導入ではありますが、1億円の「ばんだいコイン」を流通させ、来年度以降の継続的な運用を目指しています。

磐梯町は、人口3400人程度の小さな町です。「誰もが自分らしく生きられる共生社会の共創」を掲げ、地域のさらなる価値創造、共生社会の共創のための手段として、デジタル変革に積極的に取り組んでいます。
2021年度には、利便性の向上と、行政コストの削減、そして地域経済のさらなる活性化を目的とし、町民向けの地域振興券「磐梯町プレミアムとくとく商品券」のデジタル化に踏み切りました。町内には高齢者も多く、企画当初はどこまで町内に浸透するか心配する声もありましたが、販売と共に即日完売となり、多くの方が利用しました。

そして、アプリ決済に対する町内事業者の経験値が高まったこと、デジタル商品券の利用やスマートフォン教室を経て、町民のデジタルリテラシーが向上したことなどを受け、2022年度には町民だけではなく町外の方も利用できる地域デジタル通貨「ばんだいコイン」の発行を決断。

磐梯町はゴルフ場やスキー場、道の駅、複数の宿泊施設などがあり、年間約120万人の観光客が訪れます。そのような中、2021年のデジタル商品券は、町民と町内勤務者への販売だったため、利用者は限定的でしたが、町外の方の利用を可能にすることで、より経済活動が活性化すると考え、町外の方も利用できるデジタル通貨の発行に踏み切りました。


まとめ

東北編いかがでしたでしょうか…?

最後にご紹介したばんだいコインの、適切なステップを踏みながら町と住民の二人三脚で取り組む姿勢は素晴らしく、新たな地域通貨を発行・運営していく際の参考になりそうです。

次回は、北関東編をお送りいたします!乞うご期待!


参考文献
竈コイン(ガマコイン)とは?塩竈市での実証実験について解説します! │ ポケットチェンジ (pocket-change.jp)
盛岡の共通ポイントカードとして「MORIO-Jカード」を発行 | ペイメントナビ (paymentnavi.com)
【福島県磐梯町】県内初の地域デジタル通貨「ばんだいコイン」の運用を開始~年間1億円の流通創出により、地域経済の活性化を目指す~|磐梯町役場のプレスリリース (prtimes.jp)

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