2023年に読んで印象的だった小説

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(アンディ・ウィアー)

科学の教師で、研究もしていた主人公が任務を与えられ宇宙に出て人類滅亡を防ぐ方法を見つけようとする物語。今年読んだ小説の中で一番面白かった。問題が発生した原因が違う問題を解決する方法につながってたり、それがまた違う問題につながってたりと柔軟な展開が印象的だった。途中から現れるとあるキャラクターも愛嬌があって面白かったし、主人公と大きな違いもあるけど通じあってる部分もあって良かった。結末も予想していた方向とは全然違ったけど凄く好きな結末。上手く進んでいるのかわかんないけど映画化も決定していうらしいのでそれも楽しみ。

『ヘッドハンターズ』(ジョー・ネスボ)

表向きはヘッドハンター、裏では美術品の泥棒として働いてる主人公がとある人物と関わりができてから始まる物語。エロとかスカトロ、グロの面で猟奇的な描写が何個かあって色んな意味で印象的だった。でも全体的には主人公がとある人物からずっと追いかけ回されながらどうやって危機から逃れるかが気になってくる展開や、後半のどんでん返しも面白かった。

『19分間』(ジョディ・ピコー)

学校のいじめられっ子が起こした銃乱射事件の過去やその後をめぐる物語。事件後と前の物語が交互に進む構成が読んでて面白かった。犯罪を犯した人物の親目線の話も出ていて『Aではない君と』を思い出したりもした。物語の背景がアメリカなので銃乱射事件というものにあまりなじみがなくて普段考えたことのない話題について考えることもできた。

『13階段』(高野和明)

刑務官と前科者が死刑囚の冤罪を晴らすために少ない手がかりを元に調査をする物語。これもかなり面白かった。死刑制度をテーマにしていて普段の自分の考え方と共感できる部分、できない部分を比較しながら読むのも面白かった。真犯人の正体だけでなくビックリする要素がいくつかあって、ずっと理解できてなかった部分が後半の答え合わせで納得がいったりもした。

『告白』(湊かなえ)

退職前の中学教師がクラスの前でこの中に自分の娘を殺した犯人がいると告白したことから始まる物語。第一章の時点だとこれ以上物語がどう広がるかがわからなかったけど第二章で違う人物の時点の物語が出てくるのを見てなるほどなと思った。少年A、Bと称されてた人物の名前が露わになるにつれてその人物の姿が想像できるようになる感覚が不思議だった。

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