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結婚ってなんだろう

シングルだった頃は、結婚は現実味がなくてよく夢見ていたと思います。でも、今こうして1人の人と数年過ごし、一緒に暮らすことになってからは、現実味を帯びたものとして考えるようになりました。

国際結婚の場合

私たちは国籍が違うので、日本人同士の結婚ではないことがあったりします。

例えば、外国人は戸籍がないため、苗字をどちらかが変える必要がなかったり(変えたかったら変えられますし、日本の苗字と相手の苗字をくっつけることもできますし、そのままでもOK)、どちらかの国に暮らす場合、ビザの問題が付きまといます。労働ビザや学生ビザで一時的に暮らすことはできても、ずっと住み続ける権利と持つには配偶者ビザなるものを取得し、更新し続けないといけません。

そのほかにも、相手との結婚が偽装結婚でないと証明する過程も避けられません。相手の生年月日や好きな食べ物などなど、お互いに質問に答えなければいけないそうです。

いろんな人の話を聞いたり、ネットで調べてみると、結婚にはじまり、ビザの取得には、たくさんの書類や費用がかかり(そう!タダじゃできないんです)、とにかく簡単にはできなさそう。

他者に「認めてもらう」ということ

私は相手との関係が本物であるという証明をしなければいけないところに、とくにひっかかっています。これは日本人同士でも、書類に書いて受理してもらうという点で同じだと思います。つまり、第三者に「はい、これであなたたちは正式なカップルですよ」というお墨付きをもらうのが、結婚。そして、周りの友人や家族からも「正式に」カップルとなったことを認めてもらう(結婚したら「家族になる」という考えの人もいました)。でも、第三者に、しかも、私たちのことなんか何も知らない見知らぬ他人に、なぜ認めてもらわなければいけないんだろうか? 私たちの関係は誰に認めらもらう必要もない! そんな思いが最近強くなりつつあり、結婚に対して抱いていた幻想に気がつきました。

卒業→就職→結婚→子ども、というメインストリーム

その幻想とは、たとえば、「結婚がゴール」「ついに幸せを手に入れた」「付き合っているのに結婚しないのは何か問題がある」。まわりからの「結婚して一人前」というプレッシャー。そして、SNSに載せられた、光り輝く指輪の写真、結婚式の写真、華やかなウエディングドレス。

同世代の友人たちが本当に同じように同じような道を行く姿を見ていて、私もいつか仲間入りするのだと思っていました。いつか、プロポーズされて、左手の薬指に指輪をはめる。そんな姿をいつの間にか思い描いていました。

Rとはずっと一緒にいたいし、子どもも欲しいと思っています。でも、ここへきて、男女平等をとなえる私がなぜ男性から指輪を買ってもらう婚約指輪に憧れているのか?! これは社会から植え付けられた幸せの形なのか?! などと疑問に思い始め、深入りしすぎてしまいました。深入りしすぎた結果、本を読んでリサーチを始めました。

今読んでいるのは、"Trick Mirror" By Jia Trentino

彼女のいろんなエッセイが1冊にまとまっています。この中の "I thee Dread"というチャプターが結婚について書かれています。彼女も結婚式にかける費用のことだったり、結婚式の歴史(昔は金持ちだけだった、とか、父親が娘を「あげる」儀式は男女平等の概念にそぐわない、とか)について調べ、語っていて、読んでいて「そうだよね」と思う場面がいくつもありました。

ほかにもいま読んでいるのは、『結婚の奴』能町みね子 

恋愛は興味ないけど結婚はしたいと願い、ゲイの男性と結婚した本人のエッセイです。なるほど、と思ったクオートを少し引用します。

しかし、値が張って一人なら購入をためらうものも、誰か自分以外にも食べる人がいるという言い訳をすれば買うためのハードルがものすごく下がる。(中略)私たちの『結婚』は、まさにこういう『効率』のためのものなのだ。
誰かのために、一人じゃ作らない料理を作る、誰かのために一人じゃ買わない物を買う。
学生時代に、子供は欲しいけど絶対に結婚はしたくない、一人暮らしが快適すぎて人といっしょに住むなんて考えられない、なんて言っていた友人は、その後結婚を済ませたどころか夫の実家で義母といっしょに暮らしているらしい。
人の言っている恋愛観や結婚観なんて、まともに信じてはいけないのだ。それがちょっと「常識」から外れていたからといってぬか喜びしてはいけない。聞くだけ無駄なので酒の席での埋め草として消化し、全部忘れた方がよい。どんどんみんな「常識」に吸い込まれていく。世間の「常識」の強さをなめたらいかん。

とくに最後のクオートは私も友人たちに思ったことがあり、とても共感しました。。的を得ている。飾らずとも、表現を極めた彼女のエッセイはとても読みやすく、今後きになる作家になりました。

まあ、こんなこと言っている私の結婚観もきっと、変わっていくのかもしれませんね。

メインストリームでいられない私…これからもたいへんな人生になりそうです。





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