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「ライナーノーツの意味、知ってる?」
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【雑記】カレーと祖父と本音の「ね」

最強のカレー 占いが一位だった日に、カレーを作ることにした。 スパイスも入れるけど、市販のルーで作る普通のやつを。 12分の1くらいの確率で回ってくる「いいこと」と言えば、「作ったカレーが美味しかった」くらいが良いと思っている。せっかくなので、SNSで友人たちに「おいしいカレーの作り方」を聞いてみたところ、「赤ワインで肉を炒める」とか「ニンニクで玉ねぎを炒める」とか、まあいろいろとアイデアが集まってきた。 東京に住んでいた頃、美味しいハンバーガーショップを近場で探すとき

世界の端の方で愛を叫ぶ

フロリダはいま、常夏らしい。砂浜の白と海のブルーと夕空のオレンジ、それぞれの境界線がこんがらがって溶けている。 連休中に都内で再会した友人のひとりから一枚の写真が送られてきた。フロリダの温暖な空気と潮の香りが鼻孔にそのまま流れ込んでくるような、素敵な写真だった。黄昏時の甘美な温もりを僕は北海道の自宅、ベッドの上で横になりながらしばらく眺めていた。 何かこちらからも写真を送りつけようとするも、自分のスマホのデータフォルダのなかにはスクリーンショットが半分を占めている日常に絶

移動する点P

8カ月ぶりの東京。 連休中に妹の結婚式があり、そのタイミングに合わせて帰省した。 あれだけ大見得を切って北海道へやってきて、およそ8カ月ぶりの東京。前日の荷造りの段階からどこか落ち着かなかった。たった8カ月とはいえ、軽々しく東京に帰って「何も変化していない自分」をどこかに見つけてしまうようで怖かった。 不安の大きさはそのまま手荷物の大きさに現れた。機内持ち込み制限7キロを大幅に上回る13キロのバックパックが、文字通り重く背中に圧し掛かる。不安を埋めるように詰め込んだ意味を

言葉は記憶のパッチワーク

新潟の視察研修を終えた次の日、友達に会いに行った。 彼は僕がインドネシアにいた時からの友人で、初めて会った日から6年が経つ。ジャカルタの蒸し暑い夜、彼のバイクの後ろに乗って風を浴びたこと。日食が観測できるといわれた日、夜中から朝方まで屋台のコーヒーショップでギターを弾いておしゃべりして、二人が起きた頃には日食が終わっていたこと。思い出すときりがない。 インドネシアにいた当初の彼との会話は、日本語とインドネシア語はおそらく半々くらいの比率だった。互いにわからない言葉を、互い

伝えることより伝わること

気持ちに合わせて必死に言葉を探しているときよりも、気持ちが自然と言葉に乗るときがある。これは最近の大きな発見で、言葉を探す努力を「伝えるため」ではなく「伝わるため」に置き換えた方が自分はうまく話せる。 伝えるため 伝わるため 並べてそのニュアンスの違いをじっくり見つめる。 「伝える」 手渡すイメージ 固体の印象 棒の印象 責任の所在がはっきりしている印象 行為自体にフォーカスされている 主体は自分 自分が伝えられればいい 完全なコミュニケーション 「伝わる」 染み込

話すことよりも聞くこと

「人が好きですよね」 ポッドキャストを通じて知り合ったある方に、そんなことを言われた。僕がこれからやってみたいことを彼に伝えた時だった。 「大好きですよ、人」 自分の口からすぐに出てきた言葉に驚いて固まった。僕は、人が好きなのか。正直、意外だった。ひとりで過ごす時間が大好きで、人がたくさんいる場所は数分いるだけでどっと疲れてしまう。この数年は特に、仕事だけでなく、人間関係や将来のことで頭が常にいっぱいで、人の何気ない一言に落ち込んだり、さらには自分自身の身勝手さに任せて

言葉を好きでいたい

悲しい事件が起こった日、Twitterのタイムラインには「人を傷つける言葉」の恐ろしさをつづるTweetが溢れかえっていた。嘘みたいなニュースが現実味を帯びるとともに、胸の奥の方がすっと冷たくなるのを感じた。 いろんな批判や議論が1日経った今日もあちこちでつぶやかれているけれど、100%同意できる意見がなかったから、自分なりに思ったことをここにまとめておきたいと思う。 #SNS上の誹謗中傷が法に基づいて裁かれる社会を望みます本当にそうだろうか、と思う。 一部を除いて、ネ