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BtoB製品のタクシー広告って効果的?問い合わせ数の伸び率を比較してみた。

私の所属するROBOT PAYMENTでは、請求業務を自動化するSaaSである「請求管理ロボ」のCMを作り、タクシー広告を実施しています。2018年11月に小泉孝太郎さんが出演いただきCMを作り、2020年3月に第2弾CMを発表。以降、定期的にタクシー広告を行っています。

第一弾CM「会社の秘密」


第二弾CM「愉快な商談」


タクシー広告配信すると、周りの方からCM見たよと、声をかけていただきますが、それと同時に多くの方から「BtoBでタクシー広告って、実際どれくらい効果はあるの?」と聞かれることがよくあります。こればかりは出稿してみないとわからないこともあるかと思いますが、請求管理ロボCMでの実際の数字などを一部公開しながら、紹介していきたいと思います。

タクシー広告について

ROBOT PAYMENTが出稿しているタクシー広告会社は2社です。広告会社によって配信できる提携タクシー会社が違うので、定期的に入れ替えたりしておいます。現在は、東京だけでなく全国主要都市部を含め、サイネージを設置台数は伸び、広い地域で配信できるようになりました。

価格面では、需要と供給のバランスの中で、定期的に価格の見直しを行っていますが、基本的には想定表示回数からimp単価を掛け、費用が算出されています。また、配信地域(東京限定配信や、東京だけでなく主要都市部含めて配信など)、配信の順番(乗車してから何番目にCMが出るのか)に応じてプランがあり価格が変動します。

ROBOT PAYMENTのタクシー広告の出稿に関する考え

タクシー広告を出稿している企業で、それぞれ考え方は違うかと思います。ROBOT PAYMENTでは、費用を上げて配信の順番を前半の方にするプランよりも、後半に配信するプランを選び、その分より長い期間でコンスタントに出稿していきたいと考えています。エビングハウスによる忘却曲線の考え方などありますが、時間の間隔をあけながら定期的な接触を積み重ねることで、製品名を認知してもらうことを理想と考えています。

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タクシー広告を評価する方法

また広告の評価についての考え方も説明します。「タクシーに乗車し、CMを見て、Googleなどで「請求管理ロボ」と指名検索を行い、WEBサイトに訪れ、製品の資料請求(お問い合わせ)をする」という想定ではあるものの、様々なマーケティング施策が同時並行で動いている中で、1つ1つのお問い合せがタクシー広告であったかどうかを判別するのは正直難しいのが現実です。資料請求フォームで、[製品を知ったきっかけ]を用意して、タクシー広告を選択できるようにしていますが、あくまでも参考程度に見ています。

ROBOT PAYMENTの場合は、タクシー広告を配信した『配信期間』と未配信の『通常期間』を分けて、配信前後でどのような変化があったのか比較して評価しています。また残存効果を把握するために、タクシー広告配信した週の次の週『残存期間』も考慮にいれてます。要するに、配信期間/残存期間/通常期間で比較しています。

2020年のタクシー広告の実績で比較してみた

2020年の実績から、月曜~日曜の1週間ごとに分割し、配信期間/残存期間/通常期間の3つの期間で分けて比較してみました。比較する指標は、指名検索数、PV数、セッション数、お問い合わせ数がどう変化したのかを見ました。(もちろん当社サービス独自の結果ですので、参考程度に理解してください。)

PVとセッション数の変化

タクシー広告を配信していない通常期間を基準として、差異が出たものと、あまり変化がなかったものがありました。変化がなかったものは製品サイトへのPV数セッション数です。多少の上下はありますが、基準から10%未満の変化であり、タクシー広告での影響は少ないと考えます。

指名検索数の変化

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指名検索数では変化がありました。タクシーCMの最後に、数秒間「請求管理ロボ」の検索を促す静止画が表示されます。(上記画像)

これを見て、製品に興味持った方が名前を覚えていもらい、指名検索されていると推測しています。実際の数字で見ると、「配信期間」は「通常期間」と比較して、約136%になりました。タクシー広告の出稿により、多くの方に製品名を知ってもらい、かつ検索アクションまで結びついているのではと判断してます。

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お問い合わせ数の変化

また最も大きな変化が見れたのが、お問い合わせ件数です。「配信期間」は「通常期間」と比較すると、150%にもなりました。どちらのタクシー広告会社であっても、お問い合わせが増加しました。また、配信終了した次の週(残存期間)でも、通常期間と比較すると、お問い合わせが124%と増加してました。タクシー広告配信が終了しても、残存効果として一定の効果が残っているようです。

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「請求管理ロボ」のタクシー広告は効果的なのか?

「請求管理ロボ」の製品に関して言うと、タクシー広告はお問い合わせ数増加に貢献すると明確な結果がでています。そのうえで重要な指標は費用対効果になります。ROBOT PAYMENTでは、広告の良し悪しをLTV/CACで判断し、出稿費用と見込める成果(売り上げ)のバランスを見ながら考えております。費用によっては、LTV/CACを理想的な状態にはならないこともあるので、その際は他のWEB広告に予算を当てる判断しています。

これはタクシー広告を配信する目的によって、判断が違ってくるかと思います。実際にはお問い合わせ件数以上に反響は大きいです。商談先などでは「CMよく見ます」と言われることも多いですし、普段からタクシー利用するような経営層への認知効果はかなり実感しています。初めてタクシー広告を実施するサービスであれば、いっきに認知を増やすキッカケになるかと思います。ただ定期的に出稿し続けて認知の底上げ出し続けることが必要かなと思います。

最後に

では全てのBtoB企業でタクシー広告で効果が出るのでしょうか?個人的な考えで言わせていただくと、答えは『ノー』です。上記でもお伝えした通り、とても効果的と言いたいところですが、これも製品との相性次第ということです。請求管理ロボはHorizontal SaaS(ホリゾンタルSaaS)で、業種・業界問わず「経理職」に向けた製品になります。だからこそ広く認知度の向上を目指します。それにより様々な業種・業界からお問い合わせいただいてますので、請求管理ロボとタクシー広告の相性は良く、非常に効果的だったと言えます。

逆に、特定の業種・業界にのみ特化した製品[SaaS業界で言えばVertical SaaS(バーティカルSaaS)]であれば、わざわざタクシー広告をする必要がないかもしれません。特定の業界内で認知度を向上できれば十分であり、そういった業界向けのニッチな広告があれば、そちらを先に検討した方が良いかもしれません。

以上で、この記事は終わりますが、製品との相性が良ければ、タクシー広告は非常に効果的かと思います。あくまでも請求管理ロボの実績だけのご紹介ですが、参考になれば幸いです。

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