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コーヒーメーカー

2021/09/09

片や星占いの紳士 
見えない世界を信じている 
片や科学好きの淑女 
見える世界がすべてだと笑う

どこでめぐり逢い 
ここまで辿り着いたの

そんなふたり 喫茶店の隅 
同じナポリタンを食べてる 
唇を染めるキツいオレンジ 
カウンター越しに見届けてる

不思議とふいに 笑いあう

『数字が全てよ』 
『来世は別の惑星』 
古いジャズを背景に 
そんな言葉 交わしながら

分かり合えないままに 
それでも幸せそうで 
世界観なんて結局 
何だっていいのかと思う 
僕はコーヒーを落として

片や敗北を経た眉雪 
植物のようにそこにある 
片や今を生きている幼女 
ありのままを見通す瞳で

不思議とふいに わらいあう

『キリンをみたの』 
『あぁ、そうなんだね』 
大げさなパフェを挟んで 
時を越えて 笑いあう奇跡

ピントも合わないままに 
それでも幸せそうで 
時代感なんて結局 
どうでもいいのかと思う 
僕はコーヒーを落として

違うままに 分かち合って 
違うままに 愛し合って 
違うままに 同じ街 出会えたなら 
ぼくら きっと いつだって

答えはないままに 
それでも幸せはある 
ヤマ勘でも結局 
ありのままで生きるだろう

分かりあえないままに 
それでもふとした時に 
はにかんでくれる女 
それでもいいのかと思う 
僕はコーヒーを落として

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札幌には2023年現在、MEGAドン・キホーテがメインで入っている『アルシュビル』という複合商業施設があります。

そのビルの6Fに、僕がギターを始めた26年前くらいのころ、北海道に唯一のアニメイトがありました。ネットもまだなく、アニメグッズを取り扱うショップもそこだけだったので、周りのオタク友達とよく通っていた事を覚えています。(エヴァの下敷きとか買ってました)

同時に僕が6Fに行くのにはもう一つ理由がありました。
アニメイトとちょうどフロアを二分する形で存在していたライブハウスです。楽器店や音楽グッズ店も併設されていて、僕はそこで人生初のエフェクターを買ったりしました。
アニメも音楽も両方好きな僕にとっては夢の空間だったわけですね。
だけど、僕の友達は違いました。

アニメ好きの友達はライブハウスの人たちを怖がり、
音楽側の人たちもアニメイト側をキモイと忌避していました。
正直、僕には疑問でした。
お互い好きなことをやっているだけだろうと。

まぁ、当時のオタク少年が受けていた社会的な侮蔑はすさまじかったし、音楽側は音楽側でビジュアル系全盛期だったので、ケンカ上等の不良がほとんどだったので、わかる気もしますが。

両方と仲良くて、両方とも好き、、、というか両方あるからこそ最高な僕は、何とも言えない奇妙な孤独感を覚えました。

アニメの話はアニメ好きな友達と盛り上がれる。
音楽の話は音楽好きな友達と盛り上がれる。
けど、アニメの音楽を演奏しよう、あのキャラにイメージで音楽をつけよう、みたいな話は僕の周りにはあまり受け入れられなかったなぁ。
(後から聞くと、楽器のできるオタク友達、アニメ好きな音楽友達はとても多かったですが)

前振りが長かったのですが。
これはそういうモノを少し遠巻きに見てきた僕の歌です。
遠巻きに見ていたから彼らを『カテゴリー』で捉えていたのかも。
ただ、近くに行きようがなかった、というのも確かなことで。
僕は相変わらず平凡に孤独なやつだなぁと独り言ちたり。

RADIOTALKでの番組を喫茶店に見立てているのは、いろいろな人が居てもいい場所にしたいと思ったからです。いろいろな考えの人が、いろいろなバックボーンの人が居ても、同じコーヒーを美味しいと言っていいし、同じ音楽に安らぎを覚えてもいい。

かつて、どこにも所属することが出来なかった僕でも、
やんわりと承認し合える場所や音楽を作っていきたいなぁと思います。

……あれ?これ、曲解説になってないかも。

コード表↓

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