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映画「羊と鋼の森」
とりたてた夢もなく、ただこのまま生きていく、時が過ぎていくのだろうと感じていた高校生がひとりのピアノ調律師と出会うことで、その世界に魅せられ、飛び込み、成長していく物語。
私は、大きな起伏がなく、静かに進んでいく映画や小説は苦手で、普段はミステリーや謎があるものしか読まないし、観ない。
だからこの映画を観ている最中も、思考が色んな方向に飛んでいた。(本当にすみません。) そんな私に飛び込んできたのは、調律師としての才能に悩む主人公へ向けた先輩調律師 柳のセリフ。 「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。どんなことがあっても、そこから離れられない執念とか、闘志とか、そういうものと似てる何か。」 そう、そう、そう。そのカンカク、すごくわかる!
ものすごく好き。それだけじゃ足りなくて、執念とか、闘志、そういうのもなくちゃダメなんだよって思う。
原作者や映画製作者が描きたいこと、伝えたいことが、受け手に1番響く箇所になるとは限らない。
受け手がその時に心に抱えていることによって1番印象的だったシーンやセリフは変わってくる。
今の私には、この柳のセリフだった。
しかしなんて美しい言葉のある映画だろうか。
原作はきっとさらに表現が美しいのだろう。
原作を読みたくなる。
原作へ、物語のその奥へと誘う、この映画自体が森のようだと感じた。
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