読書メモ #19『汝、星のごとく』凪良ゆう
「汝、星のごとく」読みました
何をテーマにしたかったんだろうと思うほど、いろんな要素が詰まってた。
ベースは恋愛なのかな多分、そこから、
親子関係、仕事、男女不平等、同性愛、夢、とか。
特に親子関係については、ヤングケアラーへの言及もあってかなり驚いた。
恋愛の部分は比較的よくある感じだと思う、悪い意味ではなく。
花束みたいな恋をした、を少し思い出した。
お互いが抱える痛みを分かち合うことで意気投合して、付き合って、でも片方が夢を追って外の世界に出た途端、みたいな。
心臓がえぐられそうなところもあったけど、その独特のえぐられ方は他の作品で何度か経験したか持ち直せたと思う。
個人的に大きかったのは親子部分の描写。
やっぱり、やっぱりさ、両親の関係が破綻しているところで育った子供は、何かしらひねくれた感性を持ってしまうよね。
これ頼むから公的に認められて欲しい、私も早く許されたい。
ほとんどは対人関係に支障をきたすんだよ、自己肯定感と承認欲求のバランスが取れないんだと思う。
人を大切にする方法が分からないなぁと最近考えるんだけど、これっていうのは結局、自分を大切にする方法も分からないってことでしょ。
自分と他人との境界線を上手に引けないんだなあ。
そういう人間に育てられたからだと、そう思うようにしたい。
この作品は、櫂と暁海のそれぞれの視点で順番に書かれている。
つまり、作中で2人の関係がこじれた時は、その時にそれぞれがどう思っていたのかを同時に知ることができる。
お互いもう一言伝えていればその喧嘩回避できたよね〜〜〜と思うことが多々あった。結局のところ、恋人の喧嘩はすれ違いや勘違いが原因であることがほとんどだと思う。この2人の場合、それが全ての終わりに繋がったわけだけど…。仲直りしにくのは遠距離恋愛の最大の欠点でもある。
凪良さんの作品は初めて読んだけど読みやすかったし、所々かなり現代的な、インターネット的な?ワードもあった。
恋愛小説が好きだけど、次はなるべく波のない、幸せなだけの物語が読みたいな、そんなのあるのかな。
みんな、苦しいのが好きだよね。
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