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コラム:欲望と野心を超克する光【あなたの声で決まる! 月刊アート・プロジェクト企画】

毎月、皆さんに決めて頂いたお題でYeKuが何かしらの創作をするという企画をやっております!

3月のアンケート結果と共に今月の創作をお届けします。

アンケート結果

今回のアンケート結果は、以下のようになっております!
※太字が決定

テーマ

時間の流れ
夢と現実
孤独と絆
変容と成長
✨欲望と野心

モチーフ


自然

時間

形式
コラム

アンケートにご協力くださった皆様、ありがとうございました。

それでは「欲望と野心」をテーマに「愛」をモチーフとした「コラム」です。お楽しみいただければ幸いです!


欲望と野心を超克する光

人間の心は複雑で、しばしば相反する感情に引き裂かれる。その中でも特に強烈な感情として、「欲望」と「野心」がある。これらは人を前に進ませる原動力となり得るが、同時に人の心を蝕んでいくこともある。では、この二つの感情が渦巻く中で、「愛」はどのように存在し得るのか。今回は、欲望と野心をテーマに、愛をモチーフとした考察を深めていこう。

欲望は、しばしば物質的なものや肉体的な快楽を求める心の動きとして語られる。それは人を一時的には満足させるかもしれないが、根底にある空虚感を埋めるには至らない。一方で、野心はより高い地位や成功を目指す心の働きであり、人生において何かを成し遂げたいという強い意志から生まれる。しかし、野心が行き過ぎると、他者を踏み台にすることも厭わなくなり、孤独や孤立を招くことになる。

ここに愛が介入する余地がある。愛は、自己中心的な欲望や野心とは異なり、他者への深い思いやりや共感から生まれる感情である。愛があることで、人は自分だけでなく、他者の幸福も願うようになる。これは、欲望や野心がもたらす一時的な満足や成功とは異なり、人生に真の意味を与えるものである。

愛の価値を考えるのは難しいが、私が定義するところ、愛とはこの世において唯一、意味を持つ何かであり、人間を芯から満たす唯一の光だ。地位、名誉、お金など人間が執着するもののほとんどは、押しなべて脳が見ている幻想である。翻って、愛は実体を持たないが、なぜか全ての幻想を差し置いて揺るぎ無く、強力な力を持っている。愛は、時に死や時、次元をも超えて力を持つ。

とはいえ、それがなぜこれほど重要なのかは分からない。人間が社会性を持つ生き物であるために、他者との深いつながりを保つ目的で、そのように感じるのかもしれない。もっとロマンチックな解釈では、我々の魂はそもそもそのように生まれついている。

欲望と野心が人を前に進ませる力であるならば、愛はその進む方向を正しく導く羅針盤の役割を果たす。愛によって、人は自己の欲望や野心を他者の幸福と調和させる方法を見出すことができる。例えば、成功を追求する野心があるならば、その成功を通じて愛する人々や社会に貢献することを目指す。それは、単に自己の欲求を満たすことを超えた、より高い次元での満足感をもたらす。

しかし、愛を持つことは簡単ではない。欲望や野心は私たちを盲目にして迷わせる一方で、愛はささやかな声に過ぎない。欲望や野心からあえて離れる心を持ち、愛を自身の行動の指針とすることで、人は真の幸福へと近づくことができる。欲望と野心に支配される時、愛は確かな光をもたらすのだ。

欲望や野心が、悪しきものであるとは言えない。それは人間の原動力であり、人類の発展に寄与し、結果的に多くの人を幸せにする可能性がある。しかし根底に愛がなければ、人を踏みにじり、不幸を積み重ねた墓石の上に錦の旗を掲げることになるだろう。

戦争中の必要に迫られた研究が今日に至る高度な情報技術をもたらし、原爆が戦争を終わらせたとしても、当時大量の人々が死んだことを肯定する気持ちにはなれない。

結局のところ、人間が人間として生きることは自身を理解し、意図的に努力して良い方向に導く道のりだ。それを忘れ欲望や野心に囚われた時、私たちは本能のまま生きる獣と変わらなくなる。愛はそれを防いでくれる、もっとも美しい力だ。私たちは時に自分を振り返り、自分の行動の根底に愛があるかを見つめなおすことで、正しい方向に戻ることができるのだ。


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