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大切な人の命を守るために、気を付けたい5つのサイン

時に、人は自ら命を捨ててしまうことがあります。一見そうは見えなくても、深刻な悩みを抱えていたり、苦しみのあまり全てを終わらせたくなっている可能性は捨てきれません。

言動からその兆候に気づくのはなかなか難しいものですが、もし大切な人に以前は無かったこれらのサインがあれば、専門家のサポートを仰いだり、本人への声掛けを行うなど、大切な命を守るためにできる行動を取られることをお勧めします。

  1. 突然の興味喪失や孤立感:急に以前と異なる行動を示し、興味を失ったり孤立したりしている場合、生きる意欲を失っている場合があります。

  2. 急激な気分の変化:極端な気分の波がある場合、例えば深刻な憂鬱から突然の積極的な振る舞いへの変化などがあれば、深刻な悩みを抱えている場合があります。

  3. 自虐的な発言や行動:自分自身を傷つけたり、自虐的な発言を繰り返したりする場合は注意が必要です。なお、未遂を繰り返す人は「本当に完遂する気はない」と誤解しがちですが、実際には何回か繰り返すうちに完遂してしまうことが多く、真剣に捉えてサポートを行う必要があります。

  4. 突然の身辺整理:特に理由も無く大切な物を処分したり、身辺整理を行ったりする場合、それは行為の準備をしている可能性があります。

  5. 希死念慮を口にする:「死にたい」と言う人は死なないものだという誤解がありますが、実際に完遂に至る人は、多くの場合、誰かしらにその思いを伝えています。

これらのサインに気づいた場合、様子を見ながら地域のサポート窓口に相談したり、医療機関の受診を勧めたりといった行動を取ることをお勧めします。

なお、私たちにできるサポートとして「その気持ちを否定しない」「生きていてほしいことを繰り返し伝える」「解決策がないか一緒に考える」「行為に使う道具を用意しているなら、破棄してもらうよう頼む」といった対応が望ましいとされているようです。

実は、私も何回かこの世から解放されようと試みたことがありますが、うつ症状や現在の状況から解放されたくてたまらず、他に解決策が無いと思い込んでいました。なので、そのような行為を行う方の気持ちも多少は分かるつもりです。

「生きていればいいことがある」と無責任には言えませんが、少なくともうつ症状や追い詰められたことによる視野狭窄から行為に至ろうとしている場合、それらが取り除ければ、きっとご本人としても生きていたいはずです。

そして、うつ病は治りますし、人に相談すれば行為に至る以外の解決策も見えてくるかもしれません。

大切な人の命を守るために、そして後で後悔しないために、できることからサポートしていく気持ちを持って対応することが大事だと思います。


参考:研修医・総合診療医のための精神科ファーストタッチ


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