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5月12日ナイチンゲール・デーに寄せて

皆さんこんにちは。5月12日は母の日ですが、昨年母については書いたので、今日はナイチンゲール・デーにちなんでナイチンゲールのお話です。

フローレンス・ナイチンゲールは、1820年にイタリアのフィレンツェで生まれました。裕福な家庭に生まれ育ちながら、人の役に立ちたいとして、当時はあまり高い身分では無かった看護師になります。

クリミヤ戦争の野戦病院で献身的な看護活動を行い、看護の重要性とその立場の尊さを社会に広めました。

また、統計学の先駆者とも言われています。当時衛生管理が軽視されている中、統計を使って衛生管理の重要性を説き、衛生改革を行いました。

クリミヤの天使とも言われるので、看護師としての実業務の方が印象として強いかもしれませんが、実は2年半ほどしか従事していません。

それ以降は自室にて、国民の健康のために様々な提案や提言、執筆活動などの頭脳労働を精力的にこなしましたが、寝る暇も無いほどの激務で過労に倒れ、以降慢性的な体調不良に陥り、その体力が十分に戻ることは生涯ありませんでした。

とはいえ周囲の協力者の力も借りながらそれ以降も仕事は続け、生涯で150冊以上の著作を残すなど、生涯を仕事に捧げています。

また、クリミヤ戦争で高めた名声によって多額の寄付金を受け、それを使って看護学校を作り、優秀な看護師の教育にも寄与しています。

このように、ナイチンゲールは当時として、高度な教育を受けた上流階級の出身ですが、それにしても並外れた頭脳と断固とした意志、貴賤を問わない高潔さを持つ傑物でした。

とはいえ、その並外れた意志は周囲をも巻き込んでいたようです。

献身的にナイチンゲールを手伝っていたものの、あまりの過重労働に耐えられず離脱した叔母に対し「裏切者!」と罵ったり、秘書が過労で亡くなるまで使い倒したり、病に倒れた陸軍大臣の引退を引き留めて働かせたりと、その性格はまさに苛烈

まあ、かくいうナイチンゲール自身も過労で倒れているので、よくある部下をこき使う横暴な上司ではありませんが、使命のためなら世界も滅ぼすような勢いです。もしかすると、周囲の人々にとっては「天使」という印象ではなかったかもしれません。

ゲーム「Fate/Grand Order」に登場するナイチンゲールの性格はこのあたりの逸話から来ているのでしょうか。

(彼女はゲーム中で「殺菌!!!」と叫びながら敵を殴り倒しています)

とはいえ当時の未熟な医療体制を大きく前進させ、看護学の礎となったナイチンゲールの功績は比類なきものです。

彼女は1910年まで生き、90歳にてこの世を去りました。

最後に、ナイチンゲールの名言を一つご紹介して、終わろうと思います。

天使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する者のために戦う者である

はい、ナイチンゲールの周囲の人々がどう思っていたかは分かりませんが、彼女にとっては決して矛盾する振る舞いでは無かったのですね。

本当に尊敬できる人物だと思います。このナイチンゲールの日を祝し、皆さんもぜひナイチンゲールの生涯に思いを馳せてみてください。


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