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こころの健康

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YeKuが作成した「こころの健康」に関するエッセイ記事をまとめます。
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2024年2月の記事一覧

うつ病が「心の風邪」は違和感がある

うつ病に対する認識は、依然として単純化されがちである。 社会的な認知は進んでいても、実際になったことが無い方からすれば想像しがたい状態だろう。 分かりやすさを求めてか、しばしば「心の風邪」と表現されるが、この表現は病の深刻さを軽視しているように感じる。 確かに、風邪という比喩はうつ病を一般の人々にとって身近なものとして捉えやすくする効果を持つかもしれないが、その一方で、治療の容易さや一時性を連想させるリスクをはらんでいる。 私自身、過去には不登校や引きこもりを経験し、

うつ病は「心が弱いから」なるものではないことを示す研究結果

慈恵医大の研究班が、うつ病を誘発し得る特定のウイルス遺伝子変異を発見したそうだ。 この科学的な進歩は、うつ病に関する社会的な誤解を解消するための一歩となる可能性がある。うつ病が単なる「甘え」や「心の弱さ」の結果でないことを、遺伝子のレベルで明らかにしているのだ。 いまだに理解のない人々の間では、うつ病になる人は繊細なんだとか、心が弱い、あるいは甘えなんだという認識が横行しているように感じる。 しかし、うつ病は単なる心理的な問題にとどまらない。 脳は複雑な生物学的機構で

他人の定規で測った幸せなんていらない

他人の物差しで測った幸せは、いつだってジャストサイズからはみ出す。私たちはよく、社会の定めた定規に自身を当てはめ、そのフィット感で幸福を計ろうとする。しかし、元引きこもりで現在プログラマとして働く私にとって、その定規はいつもゼロ点を指していた。人々が信じる「普通」という幻想に、私の人生は抗い続ける。 まず、幸せの基準は文化によって変わる。日本での「普通」とアメリカの「普通」は異なる。同じように、私の「普通」とあなたの「普通」は同じではない。私の幸せは、自分が好きなことを追求