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マルチウェイ(3way)のエクイティ10選(プリフロップ編)

今回は自分の勉強用にマルチウェイ、特に3wayでのハンドのエクイティを10個のケースに分けて研究してみようと思います。

こう思った背景は、GTOwizardを利用して勉強していると、プリフロップの戦術はマルチウェイでもわかるものの、エクイティが判断できないという点にありました。

みなさんの中にも、ライブでもオンラインでも多くのケースでマルチウェイになるものの、学習機会がないままマルチウェイでポットを落とし続けてしまっているという悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?

今回は代表的なマルチウェイにありがちなハンドを列挙し、それぞれのプリフロップ時点でのエクイティを整理してみたいと思います。

利用したアプリは、「Pkrcruncher」となります。

前提条件は以下の通り。

  • ハンドvsハンドvsハンドのローエクイティ

  • ポジションは考慮しない

  • レンジは考慮しない

  • キャッシュとトーナメントの区別はつけない

それではみていきましょう。

1.プレミアムハンドのポケット

これはAAvsKKvsQQで検証。

AAはプレミアムポケット同士のマルチウェイでは67.7%と非常に強いEQ(エクイティ)を維持できます。
マルチウェイでも50%以上のEQを維持できるのは素晴らしいですね。
ちなみにQQが22になったとしてもEQはほぼ変わらないので、22もプレミアムハンドの仲間入りですがEQは低いので要注意。

2.プレミアムハンドのポケットとAK

これはAAvsAKvsQQというケース。

AAはタイトプレイヤー同士であればかなりのEQを維持してくれるので、安心してポストを戦うことができます。

フロップでQが落ちた場合は警戒が必要ですが、それ以外のカードが落ちた場合は、ドローも含め引き続きバリューをしっかり打っていくことができます。

参考

ちなみに、AAvsAKsのEQ比は87.9%vs12.1%(スートはAAとAKで被らない場合)。
AAvsKKのEQ比が81.3%vs18.7%と比較する(スートはAAと KKで被らない場合)と、ドミネートされていることの不利益が6.6%現れます。

なお、ここにBBのコールがいる場合は要注意です。
例えばAAvsKKvs56sがいる場合、AAのEQは61%まで低下し、KKのEQ以上に56sのEQが23%と格段に向上します。

さらにAAvsAKvs56sの場合はAがドミネートされていることから、KKのEQをAAと56sで分け合う形になりさらに56sのEQが向上します。(「7.プレミアムハンドのポケットとAKとスーテッドコネクター」を参照)

3.プレミアムハンドのポケットとAx

これはAAvsKKvsA5sのようなケース。

この場合は、KKのエクイティがAAvsKKのときの18.7%よりも若干向上しています。
理由として考えられるのは、Aが1枚抑えられていること、また5に対してハイポケットで戦えるからだと思います。

参考

なお、A5sのようにホイール(A−5で作るストレート)を狙えるハンドは12%のエクイティを確保できますが、もしこれがAQsのようなブロードウェイストレートを形成できるハンドの場合はさらにエクイティが下がります。
例えば、AAvsKKvsAQの場合、71.7%:18.5%:9.84%となります。

これは、ハイポケットがストレートブロッカーとなっていること、及びAをドミネートされていることが理由と考えられます。

もしプリフロップで3ベットや4ベットポットになっている場合、AQは非常に分の悪い勝負になっているのでフォールドを視野に入れましょう。

4.プレミアムハンドのポケットとミドルポケットとAK

これは、AAvs99vsAKoというケース。

これは、「2.プレミアムハンドのポケットとAK」の場合とほぼ同じEQとなります。

マルチウェイにおいてタイトプレイヤーが3ベットや4ベットをしてきてマルチウェイになった場合、AKは要注意です。

もしAKsでAAとスートが被らない場合は若干EQが改善されます。

参考

もしプレミアムポケットにAAがいなくてKKの場合、AKのエクイティは大幅に改善されます。
AKvsKKでヘッズアップの場合、エクイティが30%:70%とKKのフェイバリットが2.3なのに対し、マルチウェイだと2.1と、AKはヘッズアップよりも割りの良い勝負になっていることがわかります。

5.プレミアムハンドのポケットとミドルポケットとAx

これは、AAvs99vsA6oというケース。

ご覧いただいたらわかる通り、「4.プレミアムハンドのポケットとミドルポケットとAK」のケースとほぼEQは変わりません。

またA6がスートになった場合の改善についてもほぼ同じ結果となります。

なお、Axのxがミドルポケットよりも大きい数字になった(ex.99に対してAJ)としても改善効果はほとんど変わりません。

参考

もしプレミアムポケットにAAがいなくてKKの場合も、5.43%→23.3%とAxのエクイティは大幅に改善されます。
しかし、「4.プレミアムハンドのポケットとミドルポケットとAK」で確認した時よりも、KKの方がEQが若干高くなります(vs54.6%)。
理由は、Kをブロックしていないことからアウツが1枚多くなっているためかと思われます。

このA6がAJに変わってもEQに変化はありません。

6.プレミアムハンドのポケットとAKとKQs

これは、AAvsAKsvsKQsというケース。(スートはAAやAKと被らない場合)

AKsよりもKQsの方がEQが高いのが特徴です。
AAvsAKsのEQ比が87.9%vs12.1%に比べ、AAvsKQsのEQ比が82.3%vs17.7%という点から考えても、KQsはマルチウェイにおいて比較的優秀なハンドと言えそうです。

しかし、KQoの場合で、スートがAとKにドミネートされている場合は話が変わり一気に弱いハンドとなるので注意が必要です。
プリフロップのライト3ベットハンドとしては使えそうですが、4ベットAIが飛んできたような場合は素直にフォールドした方が良さそうです。

7.プレミアムハンドのポケットとAKとスーテッドコネクター

これは、AAvsAKovs56sというケース。(AAのスートと56sのスートが被らない場合)

こちらはこれまでの検証の中でもAAのEQが大きく削られる戦いです。

スーテッドコネクター自体は、56sが最もEQが高く、そこから離れるほどEQが下がり、最終的には「6.プレミアムハンドのポケットとAKとKQs」でみたKQsが15%と最も低くなります。

この点から、ポストフロップに自身のあるプレイヤーの場合、プリフロップでのAIではなく、十分なEQからポストフロップを戦ってもEVをプラスに持っていくことができます。

逆にポストフロップに自身がないのであれば、プリフロップでAIをしても十分にEQを確保できると言えます。

8.プレミアムハンドのポケットとミドルポケットとスーテッドコネクター

これは、AAvs99vs56sというケース。

「7.プレミアムハンドのポケットとAKとスーテッドコネクター」と同様、65sのスーテッドコネクターに21.1%という高いEQがあります。
上ポケットvs下ポケットと同じくらいのEQです。

マルチウェイの戦いだけでなく、ヘッズアップ勝負になったとしてもAIであれば十分に戦うことができます。

9.プレミアムハンドのポケットとミドルポケットとKQ

これは、AAvs99vsKQsというケース。

「6.プレミアムハンドのポケットとAKとKQs」の時とEQはほぼ変わらない(15%vs14.7%)のですが、99に対してもEQが低いという、なんとも微妙なEQが残っています。

ちなみにこれがKQoになると11.6%となります。

「6.プレミアムハンドのポケットとAKとKQs」と同様、ライト3ベットや4ベットAIは可能でも、AIに対して受けたり、ポストフロップを戦うには厳しいハンドということがわかります。

10.プレミアムハンドのポケットとKQとAx

これは、AAvsKQsvsATsというケース。(ATのスーツがAAにドミねーとされていない場合)
この場合もAAが圧倒的なEQを維持しています。
タイトプレーヤーの4ベットAIには、KQsやATsは素直に撤退した方が良さそうです。

AToの場合はさらに状況は悪化し、EQは6.73%となります。

参考

ただし、A5sの場合はEQが多少改善され、13.8%まで回復します。
ここが最高EQなので、A5sが3ベットや4ベットAIに適してきますが、受ける側としては心許ないのでフォールドも検討しましょう。


まとめ

マルチウェイのEQをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
どのシチュエーションでどういうハンドであれば、プリフロップで3ベットや4ベットAIに回せるか?また、3ベットや4ベットを受けることができるのか?というざっくりとした指標がお分かりいただけたかと思います。

ブックマークやお気に入りをして普段のプレーでも役立ててもらえると幸いです。

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