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ぼくちゃん231.(トロピカル遠征記〜名古屋〜)


ツアー最終日の話。
もう11日前の出来事になる。
今回のツアー、終えてから、一応2週間くらいはできる限り自粛しようと思っていたので、感染者数も増えてきたことだし、静かにしていた。
空いてる日には自転車に乗ってぶらぶらした。
乗っている自転車は3段階のギアが付いているんだけど、ある時から1の状態のまま動かなくなってしまった。なのでこぐスピードが遅い。それに回転数だけ無駄に多い。
それでも、歩くより全然気持ちいい。
ギア、治らないかなあ。
そんなこんなでもう少ししたらツアーから出て2週間経つ。
今の所体調に問題なし。
よかった。
出会った人たちのこれまでもこれからも大事ありませんように。

大阪編、奈良編はコチラ!




※ちなみに「トロピカル遠征記」というのはDRAGONFRUITというZINEを出していたときに遠征記録につけていたタイトル。


なくよウグイス平城京

さて、奈良ネバーランドでまたも朝方目が覚める。
9時に荷物をまとめてネバーランド前で待っていると、赤い車が停車した。
実は奈良に来てくれたお客さんが名古屋まで車で送ってくれることになったのだ。
神の使いよ・・・。

ということで、二人で近くでまず朝風呂に入り疲れをとる。
風呂は、いいですね・・・。
ツアー時の朝風呂ほど最高なものはないですな。

そして王将で腹ごしらえしていざ名古屋へ。

名古屋は、実はブラジルコーヒーでの企画をしてもらってたのだけど、今回の状況をみて延期という判断をとった。
なので、表向き実は昨日の奈良で遠征は終わっている。
だから、昨日4時くらいに「そろそろ寝ます」とみんなに言ったら「は?なんで?なんもないんやろ」と言われた。
実は、ということで、解散となったのだった。

奈良はいつも天気がいいな。
昨日と同じまさしく夏の空って感じの堂々とした広い空の下赤い車は走っていった。

ぼくらが旅にでる理由

企画がない自分たちはなぜ名古屋に向かうのか。
名古屋の企画者エガちゃんが、友人を集めてホームパーティーを開いてくれることになったからだった。
やっぱり遠征来たからには会いたい自分としては本当にありがたい申し出だった。

この名古屋の遠征は、実はコロナウイルスがなければできなかった縁でもあった。
というのも、3月に大阪名古屋への遠征時、直前でコロナウイルスの影響で大阪のイベントが飛んでしまった。その時、名古屋に呼んでくれたのがこの車の主、のうぴいさんであった。
この人がせっかく来たなら他のところでできるようにといろんなところに聞き回ってくれて、それで拾ってくれたのが、ブラジルコーヒーで翌日イベントを企画していたエガちゃんだった。
エガちゃんのところもひとり出演者さんのキャンセルが出たので、そこに小野を、ということで話が決まった。
この日のイベントが奇跡的な内容で素晴らしかった。
その日、HoSoVoSoもいたし、彼が呼んでくれてた5月の一宮(後日そのイベントは中止になったけど)のイベント企画者であるりょうこさんもいたし、なんというか”なるべくしてなった”感の強い日だった。
星の巡り合わせというのか、なんというか、縁というか、運命を感じるような・・・。

つまりそんなストーリーがあって、改めて3月以来バンドでどかーんとやるぞー!の日だったので、こちらもまた思いはひとしお。

大盛況の闇キャンプ

そんな中、イベントは中止になってしまったけど、楽しみにしてくれてたみんなの前で歌える、会えるのは嬉しい。
15時前に到着するともうすでに酒盛りは始まってて、まずビールをいただいた。スピード感って、大事すね。

家なのに、双発でスピーカーとドラムセット、アンプ、ミキサーがそろってた。すげえ。
みんなでワイワイ、飲みながら、自分も2ステージやらせてもらった。
りょうなって初めて会った男の子が「ドラム叩きたい、nylon練習してきた」っていうから、一緒にやったり、エガちゃんをステージに呼んで、「珍獣」の踊りをしてもらったり。
珍獣の踊りというのは、なぜかその時ふと思い出した、小学生の時の地元のお寺主催のキャンプで、キャンプファイヤーの周りをみんなで「珍獣」と叫びながら回る踊りなんだけど。
楽しくて。
あんまり記憶ない。

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なんか、出し切ったなあ〜って感じ。
というか、出し切りたかったんだと思う。
もう声も、終わったら出なくて。
ああ、こんな声出なくなったの数年ぶりだなあなんて暗くなったベランダで考えてた。

料理もたくさん作ってもらって、みんなで食べながらふざけた話で笑って、
たくさんCDとか物販買ってもらって。

出し切って放心状態のときってもう全然考えられない。
とにかく全身性感帯みたいな、ちょっと人と距離をおきたいというか、
でもものすごく感謝してて、とにかく情報が多くて、整理が追いつかなくて、
声も出ないし、うおお、みたいな。

ありがてえ、ありがてえ、しか結局言葉にできないという。
言葉を忘れてしまった、僕ちゃん。
目に映るすべてのことがメッセージ。

その日も、みんなで遅くまで飲んだ。

翌日、エガちゃんたちに連れて行ってもらって、味仙食べたり、stiffslack行ったり。

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stiffslack行ったら先輩たちがいて、うおーってなったり。
楽しかったなあ。

星座たちのストーリー

そうして、ツアーを終えて、声が出ないまま、バスに乗り込んで、帰ってきた。

帰りっていつも寂しい。
心も体も最高潮に疲れているんだけど、寂しい。
でもやっぱり、どれだけ眠れない車内で言葉にしてつかもうとしても、なんだかどれも違う気がして、諦める。
頭の中の紙切れには白紙の場所はない。
でもそれをまとめることはできないし、まとめたいとも思ってないんだな、というそんな感じ。
とにかくだからもう言葉の星空を丸ごと抱いて、気付いたら眠っていて、起きたら横浜。

またたくさん星座が見えた。
だから次はもっとたくさん伝えられるような気がする。

知ってることが増えると、わからないこともたくさん増える。
それにもどかしさを覚えていた20代を経て、
30代に突入した今、無限の喜びに震えている。

これからもっと楽しくなると思った。

3日間、出会った皆さん本当にありがとうございました。
どこにいても光があって、光に照らされた空中のホコリはキラキラ光って、
そのすべてをまなざしで捉えて、
大きく深呼吸して取り込んで、
歌に変えていきたい。
そうして新しく体内に入れた見えない素粒子たちが、
また自分を前に進ませてくれる。

そんないいツアーでした。

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