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きみ214.がめばえたとき


久しぶりにBBSTREETに行った。1月の横浜インストアで手伝ってくれたPAかまたさんに御礼するためだった。
あゆむがいたり、げんきさんがいたり、久しぶりに会えた人たちがたくさんいて、とても嬉しかった。
なんでだろうか。
最近楽しいことも多いけど、反面、塞ぎ込むことも多かったからか、自分の一部の感情がどこか鈍くなっている気がしてきたところだった。

今日Parkさんが言ってた。
「暇な時間があるくらいだったら少しでも友達と音を鳴らしてたい」
この言葉を聞いて、肌が熱を帯びて、ふつふつと音を立てた。
息を飲んでしまった。
忘れていた感覚なんだって気づいた。
どうして忘れてしまっていただろうか。
特にここ数ヶ月は音楽を突き詰めようと今までにないくらいストイックに向き合ったし、それだけの成果も残せたとさえ思ってた(商業的なことではなく自分の制作に対して)。

ふと思った。
多分、高校生の時に初めてクロスパルっていう新潟市の500円で借りれたスタジオで、地元からみんなで自転車で1時間以上かけて楽器背負って行って、初めてみんなでアンプから音を出したときの感動を、ずっと追いかけてきたんじゃないか。
形や場所や人は変われど、きっとどこかであの衝撃と楽しさと感動をもう一度感じたいと思ってきたのではないか。
知ってしまうと、それ以上を求めてしまうわけで。
もちろんそれは成長という言葉に変わって、自分は確かに今日まで13年間成長し続けてきたわけだけど。
知ってしまうことで、へんに硬直してしまったジレンマはある。

誰だったか、「その初体験を超えることは絶対にできない、あとは下降していくんだ」と言っていたのは。
その言葉は本質をついていたんだろう。
決して表現としては正しい言葉ではないんだけど。

例えば、これは前に村上さんと話したことだけど、かの有名な”金魚草”というバンドは(名前も秀逸だな)、コンテストでモンゴル800の「小さな恋のうた」を演奏して一躍動画サイトで有名になったけど(いつみても最高)、その話で、「でもあの最高さはきっと今はもう出せないんじゃないか」と推測した。
あの何に惹かれるかというと、一生懸命さや純粋さの熱量がとてつもない密度で容赦なく襲ってくるから笑ってしまうのであって、そして何度もみてしまうのだ、不思議と。すごいのが、不快じゃないところだと思う。

同じように、海外においては音源まで出している”The Shaggs”に関しても同様である。この前試しにツアー中に車の中で何も言わず流してみたけど、みんな気になったみたいだけど、「変えて」とは言われなかった(疲れてる時にいちいち言わないか)。
同バンドに関しては、おばあちゃんの予言「ポップスグループを組むだろう」という言葉を信じた父親が楽器を始めた娘たちに延々と練習させ、この歴史に残る迷盤「Philosophy of the World」を生み出した、というストーリーもいい。
My pool Foot Foot」という曲は、行方不明になった猫の名前を呼んでいる曲らしいw
腹が捩れるほど笑える。
父親の行動力すげえ。

「最低で最高」と評されてるのがいい。
フランク・ザッパは「ビートルズより重要なバンド」と言ったらしい。ウケる。
カート・コバーンも同アルバムをフェイバリットにあげてるそう。
でも、俺もあげちゃうかもしれない。確かに。

上に紹介した2組のような衝撃派を自分はもう生み出すことはできないだろう。
でも、純粋に追いかけてきた音楽を生み出せる力はついてきた。
この前レコーディングしたソロの音源を聴いたり、うたたねの音源を聴いたりしてニヤリとできる。

あゆむが言ってくれた「雄大さんのスタンス、俺はリスペクトしてるんで」と。
そういう言葉に救われる自分がいて、照れるので握手するとか抱きつくくらいしかできないが、がんばろうって思える。
何をがんばるのか。
とにかく、自分の信じた道を進むことだと思う。
自分の信じた道とは、自分が作り出す音楽が誰かの引き出し入ることだと考えている。
感情や、匂いや、現状や、希望や、夢などのありとあらゆる自分を取り巻くなにがしかが音楽としてパッケージングされ、引き出しに入ることで、生活が、精神が豊かになること。
今日頑張ろう、とか、今日頑張ったな、とかになってくれたら嬉しい。

自分の究極を追い求めて自分を見失ってしまったとき、
友達(先輩・後輩)が引っ張って戻してくれることがある。
友達はセーブポイントだ。
漕ごう、船を、漕ぎ続けよう。
がむしゃらに、壊れたコンパスを胸に抱き信じながら。
また間違ったら、友達に戻して貰えばいい。

そんなことを思った。

〜〜〜直近ライブ情報〜〜〜
2020/3/4@Weekend Garage Tokyo
【 出演 】
★ ヤマサキソウ
★ Delicious Grapefruits Moon
★ 小野雄大 with碓井佑治(gt.)
Open 18:30/Start 19:30
【 Music Charge 】
投げ銭制(Tipping)
※ WGTはカフェダイニングになりますので、
1ドリンク1フード以上のご注文をお願いします。
※ 混み合いました場合は相席をお願いする場合もございます。
予めご了承ください。
毎週様々なライブを開催しています。
ぜひイベントページをご覧下さい。
http://ws-company.jp/event/
【予約】
Weekend Garage Tokyo
※コメント・小野雄大メールでも受け付けてます(bonod.jp@gmail.com)


うたたね 1st full album
『ぼくらのおんがく』
発売記念ツアーファイナル

2020/3/8(日)
代官山 晴れたら空に豆まいて
出演:うたたね
+ Vin. 柴由佳子(チーナ)
  Vc. 佐藤遥香
  Tp. 三浦千明
  S Gt. 宮下広輔
  Sax. 村上大輔

開演:19:00~ (開場 18:00~)
料金3500(1drink600円)

e+:https://eplus.jp/sf/detail/3199590001-P0030001P021001?P1=1221

〜〜〜HP〜〜〜
うたたねHPhttps://uatatanejapan.tumblr.com

小野雄大HP
https://ydon79.amebaownd.com/

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