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2023年10月発表 大卒の3年以内離職率は32.3%で昨年よりも上昇

厚生労働省から「新規学卒就職者の離職状況」が発表されました。
大学卒業後、新卒入社での3年以内の離職率は32.3%です。

昨年が31.5%だったので0.8ポイントの増加です。

直近10年の平均を上回る水準

昨年より増加と書きましたが、経年の結果をみると決して今回の結果が例年に比べて高いわけではありません。

過去のデータをグラフにまとめました。


大卒 早期離職率の推移

過去最高は36.6%に対し、今回は32.3%です。
過去10年の平均は32.04%なので、過去10年平均よりも若干高いわけですね。

3年目の離職率は過去最高

過去10年の平均よりも高い理由の一つが、3年目の離職率です。
2020年卒のデータを見ると
1年目 10.6%
2年目 11.3%
3年目 10.4%

となっています。

この中で注目すべきは3年目の10.4%です。
実は、これまでは1年目→2年目→3年目と年次が上がるにつれて離職率は下がる傾向にありました。
しかし、今回の2020年卒世代は入社直前に新型コロナで社会が混乱し、1年目の離職率が非常に低くなりました。
(どの統計を見ても2020年4月~2021年3月は転職が少なかったことがわかります)
その反動のように2年目で離職率が増加、さらに例年なら離職率は10%以下になることが多い3年目の離職率が10.4%と過去最高を記録しています。

来年の早期離職率はさらに上昇する可能性?

今回は前年比0.8ポイント増でしたが、来年はどうなるでしょうか?

私の予想では、来年はさらに上昇すると思います。
その理由は今回発表された、2021年卒の1年目、2年目離職率を見るとわかります。
2021年卒の離職率は
1年目 12.3%
2年目 12.3%
で、合計24.6%です。
仮に。3年目の離職率が今回と同じ10.4%だった場合、合計で35.0%です。

先ほどお伝えした通り、過去最高が2004年卒の36.6%ですから、過去最高とはいきませんが、かなり高い水準といえそうです。

属性別のデータを見るとさらにおもしろいことも

今回は早期離職率について全体傾向をお伝えしましたが、属性別に見ると、さらに面白い傾向も見えてきます。

そのあたりは追って解説します。

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