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2020 J1第1節 清水エスパルスvs FC東京 レビュー

目次
1.はじめに
2.スタメン
3.前半
4.後半
5.感想

1.はじめに

いつも読んでいただいている方ありがとうございます。初めての方、読んでみて面白いと思っていただけたらSNS等で拡散してもらえると嬉しいです。
ルヴァン杯の開幕から1週間。待ちに待ったJ1リーグ戦の開幕戦。今年はホームでリーグの開幕戦を迎えられる、先週のルヴァン杯での試合を見ての期待もあった為か多くの両チームのファン·サポーターがアイスタに集まった。
個人的にも今シーズン初の現地観戦となったFC東京との戦いを振り返っていく。

2.スタメン


3.前半

エスパルスはビルドアップ時に下図の様な配置からスタートしていた。
両SBの配置はルヴァン杯の川崎ではもう少し高い位置を取っていた事を考えると、攻守両面においてその試合からの改善点だろう


10’36 DFラインで右→左→右と繋ぎ、ヴァウドが運ぶ。ハーフライン付近から幅をとり、中村帆高、レアンドロの中間ポジションに下りてきた金子へ。金子はワンタッチでレアンドロの外側から内へ入り、中村帆高が釣り出されて空いたチャンネルを取りに行った奥井へ通し、アタッキングサードに侵入し、クロスを上げるが、ファーへ流れてしまう。
11’01 左サイドアタッキングサードでのエスパルスのスローイン。ボールサイドに寄った後藤、石毛に森重、三田が対応し、森重のカバーで最終ラインに橋本が入っていた為、空いたハーフスペースに西村が顔を出し石毛からボールを受ける。西村はPA内CB間からボールサイド森重の背後に走った石毛へボールを送るが、僅かにラインを割ってしまう。
14’59 先程と同じ様な形で空いたハーフスペースに西村が入って来て、サイドの石毛から受け縦パスを後藤へ。後藤はPA角の内側辺りからシュートを放つもGK林がキャッチ。
守備が堅い東京守備陣の穴(スペース)を上手く使った攻撃。

16’20 東京CKのこぼれを拾ってエスパルスがカウンターを仕掛けようとするが、金子がセンターサークル付近でボールを受ける時に時間が掛かり、東京はその間に素早く帰陣し、ブロックを作る。
24’17 東京がエスパルスビルドアップ人を意識していた守備から、コース限定してサイドに追い込み人を出す守備。
エスパルスは上手く前進出来ない。

24’53 GKネトのロングボールを室屋がはね返し、中村慶太が東京前線3枚と中盤3枚の間で回収。高萩と橋本の間で後藤が受け、右サイド金子へと展開し、アタッキングサードまでボールを運ぶが最後のクロスに対してニアで合わせることが出来ずにGK林がキャッチ。
25’27 東京陣形が間延びし、前線と中盤の間にスペースが出来た為、西村がボールを運び、三田の脇に出て行った石毛へ。石毛は前の西澤へパスを送るが短くなり、室屋にカットされ西澤がネガティブトランジション(攻→守の切り替え)で室屋にチャージし、ファールとなる。
この2つの場面の様に東京の前線と中盤の間でエスパルスCHがボールを持てるとチャンスが増えそうだ。

27’59 橋本が周りの選手に下がる様に指示し、東京は4-5-1のブロックを形成し、ゾーン守備に変更。
エスパルスは明らかに守備を変えた東京に対して後ろから繋ぐ場面では前進しにくそうになった。


35’01 エスパルスがミドルサードでボールを失ったところから素早いネガティブトランジション(攻→守の切り替え)でボールホルダーにプレスし、下げさせた所でティーラシンがコース限定でサイドに追い込み、ティーラシンと奥井で渡辺を挟んでボール奪取。ショートカウンターでティーラシンはDF背後を狙う後藤に出すが上手くコントロール出来ず、森重が触りCKに。
エスパルスが狙いとしている守備というものが見えたシーンだったのではないだろうか。

前半エスパルスは、何度もアタッキングサードまでボールを運び、クロスやシュートを放つ場面があったが、東京のブロックの外側からばかりでそれ程脅威を与えることが出来ていなかったように感じた。
一方、守備では東京陣内で失った時のネガティブトランジション(攻→守の切り替え)からのプレスであったり、自陣でのボールを中心とした中央を守る意識が高く東京にも決定機を作らせてはいなかった。

4.後半

後半立ち上がりティーラシンが西澤からのパスを冷静にゴールに流し込みエスパルスが試合を動かす。 1-0
55’ 東京はアダイウトンを投入し、4-4-2に変更。

55’25 高萩が自陣ミドルサードからエスパルスDFラインの背後にロングボール。アダイウトンが抜け出し、ボールを受けPA角からシュートを放つもGKネトが飛び出しセーブ。こぼれを再びアダイウトンが拾いクロス。ゴール前中央でディエゴが頭で合わせるがゴール上に外れる。
58’05 東京最終ラインからのビルドアップに対し、渡辺にティーラシン、橋本に後藤がプレス。金子が森重へのパスコースを切るために早くアクションを起こし過ぎてしまい、橋本と渡辺がパスを繋ぎプレスを突破し、下りてきたディエゴが空いたスペースを使いフリーでボールを受ける。金子の戻りが遅い為、エスパルス右サイド1対2と数的不利で中村帆高にフリーでクロスを上げられる。
61’ 高萩を下げアルトゥールを投入。
東京はシステム変更、選手交代により捕まえる選手がハッキリし、連動した守備からセカンドボールを東京が拾うシーンが多くなった。

それに対しエスパルスは、中村慶太がアルトゥールに捕まるのを嫌がった為なのか65’24のリプレイ後から西村と中村慶太が入れ替わった。

77’ PKをディエゴが決め東京が同点に追いつく。1-1
80’ 東京のカウンター。レアンドロが自陣ミドルサードからドリブルでアタッキングサードまで運び、ヴァウドの裏を狙ったディエゴに縦パス。ディエゴには立田がついていたが、ワンタッチで上手く外から入って来たアダイウトンに繋がれ、アダイウトンはGKをしっかり見てゴールに流し込み東京逆転。1-2

81’ 東京は田川を下げ紺野を投入。
84’ エスパルスは西村を下げ六平を投入。
六平は上手く試合に入ることが出来ていなかったように思う。
89’エスパルスは西澤を下げドゥトラ投入。
90+1’ エスパルスは後藤を下げテセ投入。

90+2’ 奥井がGKネトに下げたボールが短くなりレアンドロにカットされ、立田がPA内でファールに犯し、この日2度目の東京のPK。レアンドロが決め東京追加点。1-3
試合はこのまま1-3で終了。エスパルスは黒星スタートとなった。

5.感想

色々なメディアで言われていた事だが、確かにこの試合エスパルスは東京がシステム変更するまでの時間帯は素晴らしい出来だった。
前半の部分にも書いたが、ビルドアップの配置や東京の人への意識を利用して空いたスペースを使った攻撃。
相手陣内で失った時のネガティブトランジションからのプレス。コース限定によりサイドに追い込みボール奪取。ボールを中心とした中央を守るといった守備。
ルヴァン杯の川崎戦に比べても良い面が多かった。

しかし、失点のシーンを見ると東京の狙い通りやられてしまったように感じた。
3失点目は奥井からネトへのパスが短くなってしまった事が原因だが、1,2失点目は共にヴァウドの方から攻撃し、立田がカバーする事を狙っての東京の攻撃だったのではないだろうか。

1失点目は東京のFKからヴァウドの頭を越えたので立田がカバー。その直後のプレーは昨シーズン、一昨シーズンとサイドをやっていたから出てしまったプレー選択のミスではある。
2失点目はカウンターからボールを運んだレアンドロがヴァウドの裏を狙ったディエゴへ縦パス。これも立田がカバーするしかない状況であった。
この2つのシーンは代表的なシーンだが、ヴァウドの方から攻撃していたのは前半から見られていた事だったように思う。

東京のシステム変更など修正に対するエスパルスの修正等はなかなか見られなかった様に思うが、チームとしての攻守両面の狙いみたいな物は見えた様な気がするので、点差ほど悲観する内容の試合ではなかったと感じた。

コロナウイルスの影響により中断期間に入ってしまい、明確な再開が見えない状況で難しい面はあるが、チームの戦術理解や連携面などを強化し、更に進化したクラモフスキーエスパルスが見れる事を期待したい。


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