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経営者の個人保証なしで銀行借入する方法

先日、こんな新聞記事が出ていました。ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

日経新聞電子版より引用

中小企業への銀行からの融資に、経営者の個人保証をつけることに制限がかかるという記事です。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB014BN0R01C22A1000000/

この制度の狙いは、起業の促進となっています。
経営者保証が企業の足かせになっている、そういう記事になっていますが、実際のところはどうでしょうか?

創業資金が必要なら、日本政策金融公庫から、無担保無保証で最大3000万円の創業融資が受けられます。

https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

そもそも、銀行だって、誰にでも無保証で融資できるわけではありません。過去の実績を評価しにくい、創業者に無担保で融資をしていたら、いくらお金があっても足りません。政策的な起業促進は、日本政策金融公庫がやればいいと思います。

狙いは中小企業の、財務の健全化のはずです。

以前から「経営者保証に関するガイドライン」というものが存在し、3つの条件を満たせば、経営者の個人保証は要求されないことが明文化されています。

中小企業庁WEBサイトより引用

改めて整理すると、3つの条件とは以下のとおりです。

  1. 会社と経営者個人の資産・お金が分離されていること(財布をしっかり分ける)

  2. 法人のみの資産や収益力で返済可能(ビジネスがちゃんと回っていて、融資の対象として評価できる)

  3. 財務情報の適時開示(業績を定期的に報告してくれる)

銀行は慈善団体ではありません。貸したお金が返ってこなければ、倒産してしまいます。ですから、この3条件は当たり前というほど当たり前です。

今回の規制強化により、このガイドラインに照らし合わせると、どこに不足があり、何を改善すれば保証が外れるのか。それを銀行側が説明する義務を負うというのが、今回の規制変更です。

特に条件1です。運転資金名目で融資したお金が、クルマや別荘、株式投資に使われてしまうケース、結構多いのではないかと思います。

貸す側の立場になってみれば、いくら事業がうまく行っている会社さんでも、融資したお金でこういった資産を購入されてしまうと、心配になります。別荘がお金を生むとは限らないですし、そもそも資金使途を違反しています。いざというときには経営者さんにお金を返してもらえるよう、個人保証をつけたくなるのは、しょうがないんじゃないかと思います。

円安で日本全体が地盤沈下する中、生き残るためには、会社の成長が必須です。成長するためには、前もって資金が必要になります。銀行借入は、もっとも調達しやすい成長資金です。

個人保証さえなければ、一生懸命やった結果、会社が倒産しても、個人の資産を取られることはありません。経営者保証なしの融資を受けられる会社づくりを、中長期的な会社の目標にしてみてはいかがでしょうか?

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