見出し画像

【分布意味論の起源2パス目】「ビッグファイブ理論」なる人格心理学の新境地

以下の投稿は「傾き1」を積分すると「測度ベクトル」が得られ、さらにこれを時間積分すると「距離」が得られるという話から出発しました。そういう構造論から意味分布に迫ろうというアプローチです。

同時に分布意味論には「言葉が人間をつくる(その行動に影響を与える)」という側面もあります。この分野では人格心理学が何やら新しい動きを見せてる様だ?

人格心理学の最先端?

ビッグファイブ(英: Big Five personality traits)は、共通言語記述子に基づくパーソナリティ特性の分類法である。主要5因子、BigFive性格特性、五因子モデル(FFM)およびOCEANモデルとしても知られている。

すべての研究者が合意したわけではないが、性格心理学において最も有力な記述モデルであり、また、基本的な枠組みとして性格心理学において定着している。

上掲Wikipedia「ビッグファイブ(心理学)」

正直言って1980年代、社会学科心理学専攻の学生だった頃の私は臨床心理学や認知心理学に比べて人格心理学なる分野にはちょっとばかり「時代遅れ」感を感じてました。それがいつの間にか意味分布論導入によって新たな突破口を切り開いていた様です。

ビッグファイブは単語間の関連性に基づいているが、神経心理学者にも使われている。それは、因子分析(統計的手法)を性格検査データに適用する場合、性格のある側面を表現するために用いられるいくつかの単語がしばしば同一人物に適用されるからである。例えば、「誠実的な」という形容詞が当てはまる人は、「散らかった」ではなく「準備万端な」と形容されることが多い。また、この理論は共通言語の記述子を用いているため、人間の性格と精神を記述する上で一般的に用いられる5つの広い次元を示唆している。五つの次元は、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向と定義される。これらの次元の下には、多くの相関したより具体的なファセット(側面因子)が存在する。例えば外向性には、活発度、自己主張、明朗性、刺激希求性、親しみやすさ、社交性などの関連する特性が含まれるといわれている。これらの根底に複数の特性を発見することができるということは、語彙仮説と一致している。この語彙仮説とは、人々の生活において最も重要な人格的特徴が最終的にはその人の言語の一部となること、その人物のより重要な人格的特徴は単一の単語として言語に変換される可能性が高いという仮説である。

各性格側面において単一の因子に明確な素因を示さない人達は、適応性があり、性格特性が中程度であり、合理的であると考えられるが、無節操であり、不可解であり、計算的であるとも考えられる。またそれぞれの特性の程度によっては、特定の活動に参加しやすくなる可能性がある。

上掲Wikipedia「ビッグファイブ(心理学)」

私が「時代遅れ感」を感じていたのは「人間の行動は(基準も曖昧な)それぞれの個人の特定の人格に依存する」なる前提そのものだったのですが、ある意味観察対象を「個人」から「意味分布そのもの」に切り替える発想でこの限界を乗り越えた模様。

ビッグファイブの各性格特性は、それぞれ独立しておりその分布は正規分布を形成している。そのため性格特性において、例えば外向性では、外向的でもなく内向的でもない平均の中央部分に多くの人が収まる。つまり、ビッグファイブの5つの性格特性が作り上げる空間は、多変数正規分布に相当する。また、仮に高・中・低の3つのレベルを考え類型論的に捉えると、5つの性格要素があるビッグファイブの場合、3の5乗で243通りのタイプが存在することになる。

上掲Wikipedia「ビッグファイブ(心理学)」

やはり分析の中心は「伝家の宝刀」因子分析(Factor Analysis)であり続けているらしい? 機械学習理論との相性も悪くなさそうです。

まだその存在を知ったばかりで全然内容に踏み込めてませんが、意味分布論つながりで興味自体は感じています。今回はそういう状態の表明に留めて、以下続報…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?