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【数理的溢れ話7パス目】「愛(i)に出来る事はまだあるかい?」補筆

この投稿への付け足しです。

まず解題を忘れてましたね。

元ネタはこの新海誠監督の劇場版アニメーション映画「天気の子(2019年)」主題歌。

昨年末の大晦日前日、皇居外苑前の行幸通りでゲリラライブを始めたデスメタバンドがいました。デスメタバンドなんで爆音演奏に乗せて「滅びよ人類‼︎」とか「みんな死に絶えてろ‼︎」みたいな呪いに満ちたシャウトを繰り返した訳ですが、突然静かになって歌い出したのがこの曲。元作品が「異常気象で関東が水没の危機に見舞われ、回避に失敗する」という内容なので「下手な罵声よりよっぽど怖い呪言だよねぇ」と一部界隈で話題となった訳ですが、実際翌年早々に能登半島地震と羽田空港航空機衝突事件…

「本当に偶然だったのか?」と話題になったのをふと思い出したという話…

ここに至るまでの「愛(i)の足跡」について。

思えば「直交座標系(Cartesian coordinates System)の開祖」ルネ・デカルト(René Descartes 1596年~1650年)は当時流行していた機械的宇宙論の支持者であり、かつ「虚数なんて何の役に立つか分からない」と言い放っていたりします、「iの名付け親」にして「オイラーの定理」$${e^{θi}=cos(θ)+sin(θ)i}$$発見者でもあるレオンハルト・オイラー(Leonhard Euler,1707年~1783年)ですら$${\sqrt{-1}}$$をそう呼んだ記録はほとんど残してない模様。テイラー級数やマクローリン級数が使える様になって多少の近似は可能になったとはいえ、当時はまだまだこの領域の敷居は高かったという訳です。
複素数の効用

マクローリン級数による円関数の近似

その壁を複素平面と巡回群の概念導入によって一気に突き破ったのが「数聖」ガウス(Carolus Fridericus Gauss, 1777年~1855年)だったという次第。

私自身が複素数に馴染んだのは、2017年末に数学再勉強を志した際に道具として選んだのがプログラム言語Rだったせいでした。この言語は最終的にグラフ化する2変数ならX軸用数列とY軸用数列に分けて管理するより複素数で管理した方が処理が楽で、しかもそのままグラフィック・ライブラリーに放り込めたのですね。最近ミクロ経済学の入門書を読んでいるのですが、それで「効用関数xy」なんて目にしても、つい脳内で$${e^{\pm x}+e^{\mp x}i}$$の式形に置き換えてしまう展開に…

一般的な効用関数の連続性。一見、無差別関数と限界効用逓減の連続性を理解されてない方がいらっしゃるが対数と指数は表裏一体で、一般的な無差別関数の様に反比例式を効用関数に選んだ場合には任意の組み合わせが選べたりする。
ついでに45度回転させて考えたりもしてる。ミクロ経済学は本当に学び始めたばかりなのでどこまで通用するか分からないが、この調子なら結構深入りする事になりそうだ?

「始まりと終わりの場所」としての単極球状体

前回の投稿ではつい面白おかしく単極球状体(Monopolar sphere)について「何もわからない」神秘性を強調してしまいましたが、元来多様体そのものが、しばしば「大航海時代の地図作成ロマン」に擬えられる「極めて可塑性の高い座標系の組み合わせの構築」を提供する為に用意されたジャンル。神秘性はむしろロマンとも捉えられる訳ですね。
多様体の基礎のキソ(仮題)

それが見出しの「始まりの場所」の意味はわかるとして、同時にそこが「終わりの場所」でもあるとはどういう事? 実は今週、指数写像と対数写像の連鎖についてこんな図式を考えていたのです。

指数写像/対数写像のサイクル。実は「曲率/曲率半径」概念と重なる?

ここでは一応「無限に繰り返した結果、単極球状体に辿り着く」としましたが、冪算の添字にそれまでの式を突っ込んでいく超冪(テトレーション)演算なので収束は恐ろしく早いです。

上掲図の円関数から出発する。なお指数写像も対数写像も結果は変わらない。
1回目。いきなり四象限の一つに寄せられてしまう。
2回目。なんと一般的な効用関数の様に原点に対して凸に。
3回目。もはや単なるディラック関数の仲間?

ここからどんな考えが発展させられそうか、現段階では私にもわかりません。そんな感じで以下続報…

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