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やばいことから自分の身を守る知恵。(西條剛央さんの『クライシスマネジメントの本質』第3部を読んで)


1 『クライシスマネジメントの本質』第3部をまとめてみた。

(1)人の本質は「めんどいことは考えないようにする」「疲れてくると考えることや動くことがさらにめんどくなる」「めんどい気持ちが極まると、それをなかったことにする」ということにあるし、生き延びる上で大切なことは「おまえが消えてよろこぶ者におまえのオールを任せるな」「やばいかもと思ったら、それに確信が持てなくていいから、周りの目を気にせずひとりですぐに逃げろ」ということにある。

(2)「おまえが消えてよろこぶ者」というのは思いのほかいるし、それにもかかわらず人はすぐにいろんなことに疲れ、いろいろとめんどくなって、つい他人に「オールを任せ」たくなる。そして勝手にオールを任せた人が自分を守ってくれないと知るや、怒る。怒って言うことを聞かせようとするけれど、たいていうまくは運ばない。

(3)やばいひとに自分のオールを任せることなくなんとかやりすごすには、自分でどうにか「めんどい」のすきま時間を見つけ、「自分の命を脅かすような『やばいかもしれないシチュエーション』を他人(あるいは自分の過去)から学び、それが未来の自分に降りかかったときにどう動くべきか訓練してみる」。

西條剛央さんの『クライシスマネジメントの本質』の第3部は、この本のタイトルと同じ名の「クライシスマネジメントの本質」という論文からなっています。この論文を読み終えた私は、自分なりに学んだ「クライシスマネジメントの本質」、つまり「やばいことから自分の身をなんとか守るために、覚えておきたい大切なこと」は何だろうと考えながら作文をしたのですが、上の(1)から(3)のようにまとまりました。

「めんどい」と「訓練」のバランスをうまいこととるには、「めんどい」と思う自分を否定することなく(むしろそれを前提にして)、できるだけ「めんどく」ない形、つまり気軽にさっと終えられるような「訓練」を、できれば生活の時間割の中に組み込んで実践する(さらに可能なら自分がたのしくできることと組み合わせて実践できるように工夫する)ことが大切で、そうすることにより、すくなくとも「なかったこと」化や「オールを任せきる」ことをせずに済むと学んだのでした。

2 実践してあそんでみる。

「やりたくないのになぜかやってしまう」とか「やりたいのになぜかできない」ことがある場合、そこには「裏の関心」、つまり自分が心の奥底に隠し持っている「何かに対する不安」が隠れていると、この本には書かれてあります。

これを私の困りごと(実は命に関わる)で言えば、「おやつなんか食べたくないのにひたすら食べてしまう」現象が当てはまります。
ですので、まずはここにどんな不安が隠れているんだろうと考えてみて、思いついたことを列挙してみることにしました。
「満たされない思いを食べることでごまかしている」「満たされないことが怖い」「退屈している自分が嫌い」「仕事中に退屈している様子など見せられないと思っている」「退屈している自分をなかったことにしているのかも」。

これらをもとに仮説をつくるなら「堂々と退屈する(あるいは退屈をたのしむ)ことで、おやつ欲が消える」と言えるわけで、この仮説が正しい(有効である)とするなら、私は「退屈(当てにされないこと、存在に気づかれないこと)を苦にしない」訓練をすべきだということになります。

(不思議なもので、「退屈(当てにされないこと、存在に気づかれないこと)を苦にしない」訓練をしようと決めた途端、「当てにされない、気づかれない生き方」もいいじゃんと肯定する気持ちが出てきたことに気づき始めています。)

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