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「常にちょっと体調不良」タイプなバセドウ病

私はバセドウ病だ。現在も投薬治療中。毎日疲れやすさと眠気と戦ってる。
特別悪くなったという感じもなければ良くなってきている感じもない。頑張り過ぎると息切れと吐き気がするし、疲れが溜まり過ぎると甲状腺がちょっと腫れてくるけど。

症状が出始めたのは2017年2月。あの頃の私は毎日毎日頭痛に悩まされていた。
元々頭痛持ちだったし仕事が忙しかったからストレス溜まり過ぎてるのかなと、その程度にしか考えてなくて、鎮痛剤で何とかやり過ごしていた。
何より、子供の頃から病気も大きな怪我も経験してこなかったから、これが異変だと気づかなかった。

その後、手足の震えや浮腫、頻脈による不眠も出てきてさすがにこれはおかしいと思って3月半ばにようやく受診した。
薬を飲み始めてからも体重減少やそれに伴う空腹感(食べても食べても常にお腹が空いていた)、そして強烈な眠気、些細なことでもイライラしてしまう、と色んな症状が出た。

中でも私が特に苦しめられたのは、疲れやすさだった。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)は、甲状腺ホルモンが異常に分泌され新陳代謝が上がり過ぎてしまう病気だ。
バセドウ病がどういう状態なのかという説明で私が一番分かりやすいと思ったものは、身体が常に走っているのと同じ状態だからめちゃくちゃ疲れてしまうというものだ。ちなみにこの例えはお世話になっている薬局のお姉さんに聞いた。彼女もかつてバセドウ病だったらしい。

まさに私はそういう状態で、仕事中も10分立っているだけであとはしばらく動けなくなる、普通に喋っていても疲れて息切れする、帰り道はいつか事故を起こすんじゃないかと思うほどの眠気に襲われた。

そんな状態で更に追い討ちをかけたのは、当時の上司の言葉だった。
「あなたのメンタルが弱いから病気になったんじゃないの?」
「死ぬ病気じゃないんでしょ?」
「そんなに辛いなら仕事辞める?」
多分他にも言われたけど、中でも強烈だったのはこのあたりだ。
……今思い返しても、ちょっと涙出てくる程度にはトラウマである。本気で仕事辞めさせられるかもしれないと思ってずっと泣いてた。

その後10分しか立っていられないほどではなくなったものの、疲れやすさは残ったままだった。この病気は長期戦だよ、と言われていたので、これは仕方ないと覚悟をした。
私が例の上司とそういうことがあったのもあり、仕事仲間はかなり気を遣ってくれた。おかげで疲れやすくても何とか仕事は続けられた。
ちなみに上司はその後『職場 バセドウ病 理解がない』で検索して、謝ってくれた。

ただ、見た目は至って元気そうなおかげで、私のこの疲れやすいという症状は優しい仕事仲間にさえも理解してもらえていなかったと思う。
この業務をやると疲れて後が動けなくなってしまうと何度説明しても、なんでやらないの?という顔をしていた。

とはいえ、私が疲れて動けなくなる業務は当然他の人だって大変だ。
私も代わりにやってもらい続けるのが申し訳なくて、結局今は身体に負担のかかる業務もやってる。

みんな色んな不調な悩みを抱えながら仕事をしている。病気じゃなくても、仕事が忙しくて疲れている人も多い。私だけじゃなくてみんな辛いのだ。
誰かが体調が悪い時はお互い様だと思って人の仕事を引き受けたり、私の休みを返上して代わりに出勤したりしてる。
私は今は一時よりバセドウ病の症状が落ち着いてるからいいのよ、やるやる、なんて言いながら。私もまたいつ悪くなるか分からないんだから。(私が体調悪い時は助けてね、なんて言えないけれど)

でも、本当は今の私だって全然元気とは言えない。
実は仕事中結構な頻度で息切れを起こしてるし、その場でしゃがみたいくらいの疲労感に襲われることもある。マラソンの後に吐きそうになるあの疲れ具合をただ仕事をしているだけで感じてしまう。
職場のみんなには見せないようにしているだけで、もう何年もこの「常にちょっと体調不良」状態なのだ。
大丈夫な時もあるし、朝から全然ダメな時もある。難しいね。本当に。そういう意味でも「『常に』ちょっと体調不良」なのだ。

私のこの辛さを周りの人達に完全に理解してもらうなんてきっと無理だ。だって、私も他人の辛さを理解できないもの。
だけど私はバセドウ病になって知ることができたことがある。
同じ痛みだとしても感じ方は人それぞれだ、苦しさは自分だけのものだ、ということ。だからこそ、他人が「それくらいで辛いなんて言うな!」とか「私は同じ状況だけど何ともなかった、我慢できた」なんて軽々しく言っていいものではないってこと。
この学びはこれから先も大事にしていきたいと思っている。

なので、この記事を読んだ方は「こういう辛さを抱えてる人もいるんだな」と思ってもらえたら嬉しい。

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