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『人類学とは何か』を読んだ後の感想

こんばんは。トトロです。
先週読んだ『人類学とは何か』について感想をまとめようと思って、今日は初Noteを書いてみた。

『人類学とは何か』という本は、2018年にTim Ingold が書いた『ANTHROPOLOGY: WHY IT MATTERS』を、2020年に奥野克巳と宮崎幸子が日本語訳したものである。

この本を読む前に、私が人類学に対する理解は極めて浅かった。関連の分野として、文化人類学、社会人類学、民俗学や民族誌なども聞いたことはあるが、いまいちそれぞれの特徴と違いについては把握していなかった。

自分が院生時代から人類学関係の実践研究をずっと行い、現地へのフィールドワークと社会問題となっている当事者へのインタビューも積み重ねてきた。しかし、これまでの研究は言語という道具を通して現地の人々と対話を積み重ねて、対話同士の主体性形成と意識変革を目指すような教育実践として意味づけていた。つまり、言語教育と社会学の視点から自分の研究分野を位置付けていた。人類学に近いフィールドワークを持っていたが、一度も人類学という専門領域からアプローチしなかった。

今回、この『人類学とは何か』を読んでみて、人類学という分野の特徴と目的について少しは理解できたような感じがした。一番大きな発見は、「私たちはどう生きるべきかという難問からの出口を探ることが、人類学が取り組むべき課題だる」という一文である。「私たちはどう生きるべきか」は哲学分野の問題だと最初に思い込んでいた。しかし、院生時代で言語教育を学んだら、「どのように持続可能に生きていけるか」という問いも常に考えるようになった。そして、現在『人類学とは何か』の本を読んだら、また共通の問いに出会って、少し驚いた。自分にとって、「人間はどう生きるべきか」という問いは、人類学と言語教育学と哲学との3つの分野の最初の接点であろう。





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