LIAR GAME murder mysteryを観に行った話


3/7上野飛行船シアターで上演された舞台「LIAR GAME murder mystery」を観に行ってきた。

この舞台は2005年より週刊ヤングジャンプで連載された甲斐谷忍氏の漫画を原作とする、出演者らによる『騙し合い』とその場で起こった殺人事件の真犯人を探し出す『マーダーミステリー』を掛け合わせたものとなっており、原作の漫画やドラマを知らなくても楽しめる舞台となっている。

昼、夜のストーリーの異なる二部制で、曜日によって出演者は全て異なる。
初日の公演は3/14の23:59まで、最終日3/12の公演は3/19の23:59まで見られるが、展開を知ってしまっているとまったく面白くないので、もしまだ見てないという方は見終わってから読んでください。一部ネタバレを含みます!!!

視聴チケットはこちら











・出演キャストの反応が様々で新鮮!

磯部花凛……整備担当
小泉萌香……受付担当
西葉瑞希……人形師
佐藤日向……ダンサー
船戸ゆり絵……経理担当
星守紗凪……着ぐるみ
吉宮瑠織……遊園地園長
(敬称略)

初日の3/7の公演はアニメや舞台を見る人にはお馴染みのキャスティングとなった。スタァライトだったりラブライブ! だったりアサルトリリィだったり、キャラクターを演じる彼女たちは何度も見てきたが、ほぼ素の彼女たちの姿を見れるであろうこの舞台を行かない理由はないとチケットを購入。

今作品は役柄の大まかな設定だけ出演キャストには明かされていたようで、台本やセリフなどは一切ない。
進行役は青木たつやさんと別にいるが、アドリブや各キャストが持っている情報を擦り合わせて進めていくため、誰も何が起こるかわからない。観ている側だけでなくキャスト陣も探り探りなところが非常に面白かった。

・初回0票で負け確……じゃない?!
昼公演ではリストラゲームが実施された。
リストラゲームは全三回ある投票ターンにおいて、各回ひとり三票をリストラされたくない自分以外の誰かに投票していき、その最終的な投票数を競うゲーム。無投票は許されず、最終的に全員同票数ならばペナルティが課せられる。

また、今作では皆が何かしらの理由で大金を必要としている設定で、ゲーム開始時に一億円が全員に配られる。その一億円はゲーム終了後回収されるが、投票権の交渉材料として使うことが出来る。そして、最終的な順位に応じてボーナスがあり、逆に最下位には六億の負債が待っている。

つまりは一億+自分の欲しい金額を交渉やボーナスで得ればいいのである。

各回ごとに一分間、四人と三人や誰と話したいかを指名してグループに別れて投票の交渉や取り決めを二度行う。

最初は自分の持っている票を話し合ったメンバー全員に配ったり、あるいはグループで時計回りに投票することを決めて自分の信用を得る……と考える人が多かった。ところが、初回の投票から船戸さんがさっそく裏切る展開になり、西葉瑞希さんが獲得0票という結果に。

これにより、少なくとも他の六人は結託して残り二回を西葉さんに投票しなければ自分が最下位になる事はない。

あっ、これ西葉さん負けじゃん……って思っていたが、二回目の投票では何と西葉さんがトップに躍り出る展開に。彼女自身の交渉の成果でもあるが、船戸さん吉宮さんから可哀想という同情票四票も得るという()

佐藤さんか誰かが「交渉より可哀想優先するの? 」とツッコミ入れていたと思うが、人生一発逆転、あるいは六億の借金を背負うリスク(という設定)があるのにも関わらず、情けを掛けるなんてキャストの優しさが滲み出てるなーと笑

・全員の情報をひとつに、犯人を当てろ!
後半は推理パート。このゲームに呼ばれていたはずのもうひとりの参加者である園長の母、社長が隣の倉庫で遺体となって見つかった。

ゲーム運営側からは参加者の中に犯人がいるからそのひとりを見つければ犯人から全員に一億、当てることが出来なければ犯人は自身の保身が約束されるという。

現場となった倉庫や遺体の状況、それから各々が持っている情報を擦り合わせて誰が犯人かを探し出さなければならない。

それぞれの持っている情報から誰が怪しいとか、これが出来る人は……と制限時間内に推理していく必要がある。

ここでの面白さというのが、事前に各キャストにだけ渡されている情報をどれだけ飲み込めているかが展開を左右するなと感じた。本当のことを言っているのか、あるいは嘘をついているのか。故に同じシナリオでも参加者が違えばまったく同じ展開にはならないと思われる。見ているこちらも犯人が明かされるまでワクワクしながら楽しむことが出来た。

ちなみに自分の推理は外れていました()

・世界観は大事
個人的にすげー残念だなって思っているのが劇伴。
舞台版のテーマ曲を手掛けたのはスタァライトやアサルトリリィでお馴染みの谷ナオキ氏だが、全部彼なりLIAR GAMEのものを使ってくれたら良かったなと思う。
というのも、冒頭の廃遊園地について説明するくだりのところで流れたのがフリーBGMでYoutubeなどでよく耳にするものだった。

https://youtu.be/YHx5D2Dy8N4

せっかく前説で青木さんが「観客であるみなさんは今日のこのゲームを観に来た悪趣味な客です」と、観客である我々にも設定があることを示していた。

にも関わらず、さあこれからLIAR GAMEの世界に没入するってところでそうやって聞き覚えのあるものが流れてしまうと個人的には冷めてしまう。

また、あまり設定を作り過ぎてしまうとアドリブ舞台の旨みがなくなってしまうとは思うのだが、全員がお金に困ってるという設定もそんなに活かされてなかったなと感じた。

他の回を観に行った友人の話を聞いていると、共通設定の人もいればキャスト個人に一任されているところもあったようだ。もっとお金に執着した彼女たちの駆け引きや投票結果に一喜一憂する様を見たかったと思う自分は趣味が悪いのだろうか()

・総評としては観に行って良かった!
駆け引きとミステリーのふたつが楽しめる今作。話し合いではああは言ったが、相手を本当に信用していいのか。セリフがないからこそ、言っていることは嘘か実か。そもそも、本当に犯人は出演者の中にいるのか? 色んな疑念がまとわりつきながら、最後の最後まで本当に面白い舞台だった。

また、出演陣の普段見られない様な顔が見れたのもこの舞台だからこそだと思う。
作品のキャラクターにキャストのイメージも引っ張られてしまいがちだが、だからこそ初めて見る作品で演じる彼女たちを観ることで「この人こんなに縁起の幅広かったんだな」とか「ここは大事にしているところなのかな」といった部分を見る事が出来る。
個人的にはそこが演技力を求められる役者さん方の凄いなと感じているところと、舞台の面白いなと思っているところである。

あとは素に近いということで、残ってくださいって言われてるのにみんなと一緒に帰っちゃう人がいたり、取引して自分が一方的に損しているのにも関わらずそのことに気付いていなかったり、サポート役としてずっと舞台にいた黒子にガチ悲鳴あげたり、嘘でもそれらしいこと言わないといけないのに渡された設定通りのことしか言わず疑われたり、結構みんな天然というか抜けてるなーって人が多かったのが知れたのも収穫としてはある。

ここまで読んだけど実はまだ観てない人、他の公演は観たけどという人、ぜひ自分が観ていない公演も観て、その違いを楽しんで欲しい。

視聴チケットはこちら
https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=71295&

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?