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「隠れアスペルガーさんの才能・仕事の見つけ方」を元に、自分の適職を考える

隠れアスペルガーさんの才能・仕事の見つけ方」を主治医がおすすめしていたので、読みました。“隠れ”アスペルガーと書いているので、グレーゾーン向けなのかなと思ってためらっていたのですが(私はグレーゾーンではない)、読んでみたら診断がつくような人間にこそ活用できるような情報に溢れていました。もっと早く買えばよかった! 思い込みを捨てて自分の適職探しができるようになる本です。向いている職業がわからなくて行き詰まっている自閉スペクトラム症の方には本当におすすめです。

この本によると「アスペルガー(自閉スペクトラム症)の傾向がある人は、自分の苦手とする業務を避けられる職種を選ぶべき」とあるのですが、自分の体験談としても完全に当てはまります。仕事の一部のことができても、その他の必要なことができないために足を引っ張り、健康を害する、ということが学生時代からつい最近まで私の人生の中で繰り返されています。自閉スペクトラム症の人の「苦手なこと」は、「無理して取り組むと健康を害すること」であり、「不得意だけど、頑張ったら健康を維持しながら達成できる」という程度のものではありません。「苦手だけど頑張らなきゃ」ではなく、「苦手で健康を害する恐れがあるから、避けて通らなきゃ」が私の人生の体験としても非常に適切な考えだと感じます。「平社員のときは仕事ができていたが、出世して管理職になったら仕事ができなくなった」というのもよく聞く話ですが、「現場にいることにこだわって出世を固辞する」「出世の可能性が無い働き方を続ける(ずっとアルバイトでい続けるなど)」というのも自閉スペクトラム症者が健康を保ちながら働く考え方として重要なのだと、この本を読んで改めて思いました。

これらの考え方は、自分自身が理解していることも重要ですが、支援者側が理解している必要もあります。私の経験で言うと、パン屋さんに憧れ、自閉症の人がよく取り組む仕事だから自分にもできるかもしれないと実習に行きたかったことがあるのですが、「あなたはパン作り以外にもっといろいろできることがあるでしょ」と支援者に言われ、実習に行けなかったことがあります。確かに地元では「障害者のパン作り」というともっぱら知的障害のある人向けであり、私には知的障害がないので、支援者の言うこともわからないではないのですが、いっそ知的障害者と同等の条件で働いたほうが自分は健康を維持できるのではないかと今月退職したときには思いました。この本でもパン作りは自閉スペクトラム症者向けの仕事の候補となっています。世間体でも人の意見でもなく、自分に適した業務だけができる仕事を選ぶべきです。

これも個人的な経験なのですが、定型発達者が言う「あなたには○○の仕事が向いているんじゃないかな」というような意見は、あまり本気にしないほうが無難のような気がします。だいたいの場合、そういう意見は秀でた能力だけに着目し、劣った部分は見ていません。そのため、そのアイディアがかっちりはまれば上手くいくでしょうが、劣った部分が秀でた部分の足手まといになり、満足に働けない可能性もあります。私の人生ではたびたび起きることですが、この本によると「アスペルガーあるある」のようです。「自分にはわからない自分の長所」というものもありますので、まるっきり無視でなくてもいいと思いますが、参考程度にとどめておくのがよさそうです。

そういうわけで「隠れアスペルガーさんの才能・仕事の見つけ方」は本当に良かったです。定職が見つからずに困っている自閉スペクトラム症当事者の方や、発達障害者の就労訓練をしている方などに、ぜひ読んでいただきたい本です。吉濱ツトムさんの公式サイトに、本書にかかわる「職業選択分類 補足説明」というページがありますので、あわせてご覧ください。

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ここから私の適職探し

ここからは本を元にした私の適職探しをします。関心のない方は閉じていただいて大丈夫です。

私の場合、p53の「タイプ判明フローチャート」では「C 言語・論理タイプ」です。「職業選択分類 補足説明」の結果は、得点の多いものから順に
 (3)言葉リスト・翻訳型(言語・論理型)…12点
 (2)音楽型…8点
 (1)視覚思考型…7点
 (2)数学型…5点
でした。数学苦手だものな……理科は大好きなんですけども。本の中のタイプに関しては「いずれもだいたい当てはまる」と言えそうなので、適職が見つかるYes・Noチャートは全部やってみました。すると、
 A 視覚思考タイプ:(2)スタイリスト
 B 音楽・高等数学タイプ:(1)プログラマー
 C 言語・論理タイプ:(2)司書・図書館職員
という結果になりました。いずれもそれなりに興味がある仕事ではありますが、それで食っていけるかというと、ちょっとよくわかりません。

そこで、自分の趣味や「やりたいこと」と本書全体を見比べてみました。

まず、香水の創作。これは「自閉スペクトラム症者は無から有を作り出すのは苦手だが、有を何か別の新しいものに作り替えるのは得意だったりする」という文章だけを読むと、一見向いていないように見えますが……私の香水製作は精油ベースです。精油はそれ自体が完成された香りであり、ひとつひとつがメッセージ性や物語を持っています。それらを組み合わせて香水を作り出すというのは、「有から別の新しいものを作る」に該当するように思います。なお、私は二次創作小説を書くことにはまっていた時期があるのですが、オリジナル作品はあまり書けませんでした。それも前述の記述にかなり当てはまりますね。

ここから考えると、「自発的に何かを作り出す」は苦手だけど、「ある程度はっきりした依頼があれば、ある程度なにかが作れる」ということも言えそうです。目的とする内容がはっきりしている場合は「有からの作り替え」に当てはまると言えなくもないかもしれません。

本書では「作曲はうまくいかないが、編曲はできる」という例が紹介されていましたが、もしかしたら「作曲自体」ができる可能性もあるのではないか、と思いました。それはまず「曲の構想」をしっかりと練り、「有」にして、そのアレンジをするという方法です。草案があれば、それが「有」ですから、そこからアレンジを繰り返せば曲になる可能性があります。作曲にチャレンジしてみたいと思っていたので、この自分のアイディアを参考にやってみたいと思います。

次に、絵の製作。これも似たようなことは言えそうです。「草案」からアレンジで、何かしら出来上がる気がします。もしくは「写真を元にイメージを膨らませる」などというのもアレンジの範囲のように思いますし、いっそ写真とそっくりそのままにすることを目指す写実画でも絵画のジャンルですからね。抽象画はできないかもしれませんが、絵を描く作業は好きですし写真を撮るのも好きなので、これも可能性のないことではない気がします。

次に「ブックカフェ」。これは貸し出しこそ行わないものの、本の管理だけを考えれば「図書館職員」に近いものがありますね! おすすめの本を取り揃えるだけでも楽しそうです。店頭の展示を考えるのが好きなので、手にとりやすいように並べる作業なども楽しめそうです。カフェの店員に関しては「人を雇う」と決めているのですが、非常に正しい割り切りだと感じます。「自分の苦手なこと・できないことは、金を払って人に頼む」でやっていきたいと思います。

そのほかにも「アロマテラピー講師」も「人に自分の好きなことを教える」という観点では悪くない選択のようです。もっと自信を持って企画を進めていけるようになりそうです。

「カウンセラーなども向いている」という記述が本書にはあります。それは「アスペルガーの人は聞き役に慣れているから」というものなのですが、私もそのパターンで、基本的にどこに行っても聞き役になってしまい、聞き役でいることがさほど苦になりません。私のカフェの目標は「来た人が自分の話したいことを話してスッキリしていける」なので「聞き役でい続けられる」という点では向いているのかもしれません。(ただし予期せぬ事態が起きることは苦手なので、アポ必須にしたり、接客をする日数や時間数を限定するなどの必要はありそうです)

そして「クラウドソーシングでデータ入力をしたい」と考えているのですが、これに関してはかなりよさそうです。というのも「データ入力以外の業務」は出てきづらいからです。仕事時間とプライベート時間の切り分けも問題なくできますので、案件探しに手間取る点を除けば、かなりの適職と言えそうです。長期で契約できる安定した仕事が見つかればバッチリですね!

この本を読んで、自分には思っている以上の可能性があるし、やりたいことにも向いていると思えるようになりました。本当に買って良かった! もっと早く読めば良かったですが、就職に失敗して退職した今だからこそ読めた本だとも思います。この本のことを教えてくれた主治医に感謝です。


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