赤紙のお呪い

小学生の時って非科学的なことって信じるよね。

私は小学生の頃から20歳まで大好きだったA君がいる。

小学生の頃はA君と両思いになりたいがあまり、お呪いをガチで信仰していた。

消しゴムに名前を書いて誰にも見つからずに使い切ったら両思いとかそういう可愛いお呪い。

小学生の女子ならみんな1度はしてみたことはあるのではないだろうか。

その当時、お呪い本を片っ端から読み漁っていた私はある両思いのお呪いを発見した。

当時の記憶なので全く正確なものではないと思うが、おおまかには

1、赤い折り紙を4分の1の大きさに切る。

2、その紙に黒い文字で好きな人のフルネームを100回書く。

3、その紙を肌身離さず持っておくと両思いになる。

確か、こんなものだったと記憶している。

おお、家に折り紙はたくさんある!!!
これは、お金もかけずにできるぞ!

と、テンションぶち上がりの私は意気揚々と実践した。

が、なかなか100回もフルネームを書くのが辛い。
しかも小さい紙なので尚更。

苦戦しつつもなんとか書き終わり、ふふA君と両思いになれるかな〜と思いながらその紙を常に肌身離さず持っていた。

そんなある日の学校の休み時間ふとポケットを確認すると

あの紙がない
え、なんで!?やばいどうしよう。
とゴソゴソしていると何やら教室がざわめき始めた。

「おい!この紙やばいって!!!!」

教室に落ちていたらしくA君の友人がA君に見せている。
顔が引き攣るA君。それもそのはずだ。
赤い紙一面に

山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 
山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 
山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 
山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 
山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 山田A太山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 山田A太 山田A太…
と自分の名前が書かれているのだ。
冷静に考えると恐怖でしかない。

当の私は「やばい、筆跡でバレるかもしれない…」
とめちゃめちゃ焦っていた。

その日は赤い紙の噂で持ち切りだった。
A君は本気で何か不幸の呪いかとビビっていた。

その日、以来反省した私はお呪いを辞めた。
A君ほんとにごめん…。

赤い紙とお呪いと言う言葉を聞く度にふと思い出す舌を噛み切りたくなるような思い出。

終わり



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