がいこつ、トッポ、映画
月曜日が近づく悲しみを、かわいい2次元アイドルがポップに歌うショート動画が、日曜の夜にSNSによく流れてきます。
月曜日が嫌われることを望んでないと思うのは、最近空がよく晴れているからです。嫌いになれないのに気に食わないのは、消化不良で苦しみます。
今日は、前述の通り、よく晴れていました。青空は何もかもを知らんぷりできていいですよね。
青空になりたいです。
しかしながら、空が晴れていても、月曜日の気分は晴れないのが常です。
たまには自分にご褒美もいいだろうと生協コンビニでトッポを買いました。
推しの子パッケージでした。ルビーちゃんが好きです。
最後までチョコたっぷりなものを食べると私の心もチョコたっぷりになるでしょうか。ならないと思います。
私が通う学舎は、他の学舎より人が少なく、例に漏れず生協コンビニも閑散としています。
入口から見えるパートのおばちゃん達はいつも世間話をしていて、私が店に入るとわざとらしく、私語なんてしませんよみたいな顔して静かにレジに立ちなおします。人間らしさがよく出ていると思います。
しかしながら、今日は2人の男子学生が私の前にレジに並んでいました。
すでに精算を終えたであろう男子学生の1人が私の顔をやたらじっくり見てきたので、見つめ返しました。
なぜ見つめられるのかさっぱり分かりませんでした。
いやはや、ついに1人の人間を恋の海に落としてしまったのか。私の魅力がこの歳になってやっと花開いたのか。
そんな冗談は置いといて、エレベーターに乗り込んで、鏡に映った私を見て驚きました。
顔が死んでいました。
唇が真っ白でした。擁護できないほど隈が酷い顔をしていました。お化け屋敷に住む骸骨に人の皮をピッタリそのままくっ付けたような顔をしていました。
例の男子学生は、なるほど、滅多に見ないくらいの生気がない顔に驚いていただけでした。
最近存在を知った談話室で、トッポを食べました。
ここの学生の間でもあまり知られていないらしく、昼時にも関わらず100人ほど入る部屋に10人の学生が離れて座っていました。
トイレがめちゃくちゃ近くて、個室で流れているらしい音姫が、談話室の隅にいる私にまで聞こえてきました。
トイレで闇取引があってもすぐにバレるんだろうな、なんてまだ見ぬ犯罪者に思いを馳せました。
トイレでリップを塗りました。ついでに頬にも塗りました。生気は赤で蘇ります。
たっぷり塗ると、チェリーのような唇を装備できます。
安いリップゆえか、トッポを食べる度にリップの味と香りがしました。あまり美味しくないです。
トッポをお供に、映画『ショーシャンクの空に』を見ました。人の中にある青さがよく分かる映画だと思います。情緒を揺らす映画だと思います。
学生のうちにこの映画を見ることが出来て良かったです。死んだ後より死ぬ前に見るのをオススメします。
映画の世界に取り残されたまま、午後の授業を受けました。
夜道には小林私の音楽がよく似合います。
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